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面白かった。復習、復習と読み始めたら、どんどん知らない私には新しいことが展開されて、1時間ほどで一気に読んでしまった。物足りないという読後感。
善玉・悪玉の機能から、気候に与える影響まで、地球生命という大きなテーマの表題にまでちゃんと至っていて、感動した。
"ウイルスは細胞の外では単なる物質といえるが、細胞の中では自主性を持った生物として振る舞う存在であり、生物と無生物の間には常識的な、はっきりとした線を引くことは難しい。そして、ウイルスは生物でもなければ無生物でもなく、生物と無生物の境界に存在するものである。"
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山内 一也 (著)
地球上には膨大な数のウイルスが存在し、生物の行動や生命の進化に大きな影響を与えていることがわかってきた。本書では、これまでの常識を覆すウイルスの存在意義を考える。ウイルスの見方が変わる1冊。
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知っていたはずの知識(高校基礎生物くらいまで?)をベースに今のウィルス学概要がわかる。コンパクトにまとまっている分、不親切な感じも否めないし、特に後半、端的な事例になっていて、面白味にかけるかも。それを差し引いても、たくさん新しことを知ったし、持ってた知識を呼び起こしつつ、つながったように思う。
端的な文章だけれど、学術的高飛車なところがなく、逆に、読者を惹きつけるためにわざわざウィルスって不思議で面白いねとも言わない。興味と知識欲だけ駆り立てて、面白いとおもわせる正攻法。
すばらしいじゃあないですか。
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ウイルスは、DNAにも刷り込まれていて、未知のウイルスが海には大量にいる。まだまだ私たちの生活に有効な発見もある、病気だけで無い期待がもてる一冊。
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ウイルスといえば病原体、だけではない、ウイルスの話。
なかなか面白いです。でも短い!短すぎる!もっと詳しく知りたい、気になる!余計な好奇心をムクムク煽ってさっぱり終わってしまった。。。
例えば赤潮を消滅させるとか、胎児が母親の免疫にやられないよう守ってるとか、ミツバチに特攻行動をさせるとか、雲を作る元になったりとか、意外なところで、利用されたり、したりしながら共生してきたそうで、非常に驚いた。
でも。。。たとえば、ウイルスはDNAに潜り込むので、たぶん進化に関わってるだろうとは思ってたけど。。。もう少し詳しく書いてあると嬉しかった。
これを期に、ウイルスブームが始まるってことなのか。。。
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ヒトの胎盤形成にウイルスが関わっているとは、知らなかったです。
ウイルスで緑膿菌を溶かすことも行われているんだ!?
僕はファージが好きだから、なおさらかもしれませんが、この本、面白いです。
地球の炭素循環にウイルスが関わっているとか、生物の進化に関わっているとか。
いやぁ、楽しい本でした。
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21世紀に入るころから新しく展開したウイルス研究の成果を紹介したもの。岩波科学ライブラリーの一冊。ウイルスというと、一般に病気の原因になるものというイメージだが、近年の研究では、それとはまったく異なる、生命体としてのウイルスの姿が明らかにされている。
たとえば、ウイルスのはたらきにより人の胎児が出産まで守られていること、また人間の遺伝情報の約半分はウイルスに関連したものであること、ウイルスの祖先が持ち込んだ遺伝子により霊長類が生まれたと推測され、生物の進化に重要な役割を果たしてきた可能性があること、など、どれも驚き。
現在のウイルス研究だけでなく、19世紀のウイルス発見からの研究の流れ、ウイルスが生物と言えるかどうかという問題、ウイルスそのものの進化や生物の世界でのウイルスの移動、ウイルスの特性を病気の治療や予防に利用する試みなども、ふれられている。
100ページほどの分量で記述はとても簡潔。一つひとつのトピックは興味深く、もう少し詳しく知りたいと思った。
それにしても、ウイルス研究の新展開はここ10年ほどのこと。それまでウイルスはあくまで病原体としてのみ捉えられてきたとも言える。もちろん、それはそれで、いろんな理由から当然のことなのだろうが、実は科学においても善悪の図式が研究を強く方向づけているということかもしれない。
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ウイルスとは何か・・・
ウイルスと聞くと、どうしても病気を引き起こすものと思いがちであるが、そればかりではない。
確かに、発見の歴史を考えると、病原体の一面が大きい。しかし、生命を進化させてきた一因にウイルスがあり、また、地球上に莫大な量(海洋全体にシロナガスクジラ7500万頭分の重さらしい)存在しているありふれた存在であるというのがよくわかる。
「カクゴウイルス」という面白い名前のウイルスも紹介されていた。
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少し難しい専門的な内容もあるけれど、平易な表現を使用していて、門外漢の自分でも読み終える事ができた。ウイルスの存在が生き物の進化と思いっきり密着している事はこの本で知る事ができた。ウイルスまで遺伝するとかすごい話だ。これまで悪者だと思っていたのは、ウイルスに対する思い込みだと知る事ができた。まさか出産にまで絡んでるとは。
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HIVとか新型インフルエンザとか、病気の原因になって嫌な奴らだなとしか思っていなかったウイルスが、実は胎児を守るやつがいたり、植物に耐熱性や干ばつ耐性を与えたり、遺伝子を種族間で水平移動させることで進化の引き金になっていたりするという側面もあるらしい。めちゃ興味深い。
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ウイルスの種類や進化の話で、専門的な部分は少々難しいですが、全体的に素人でも興味深く読めました。
話題の鳥インフルエンザについても書かれていました。
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ウイルスとの共生が地球生命を創りだしてきたのですね。
病原性ウイルスにばかり注目されていますが、天文学的な数のウイルスの中には人にとって役に立つウイルスもあると思います。
これからウイルス学は、見方をかえることで発展してゆくでしょう。
http://ameblo.jp/nancli/entry-11734532460.html
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ヒトゲノム解読の結果ヒトのDNAの9%は昔々取り込まれたヒト内在性レトロウイルスで34%がレトロとランスポゾンで3%がDNAトランスポゾン。このトランスポゾンというのはいろんな生き物の間を行き来できるレトロウイルスの祖先の断片と見られている。ジャンクDNAといわれたものの多くがこう言ったウイルスの名残だとすると、ウイルスは突然変異に大きく関わっているのかも知れない。
海水中には多くの細菌やウイルスがいて、海洋微生物の総量はアフリカ象2400億頭という説があるそうだが同じくウイルスはシロナガスクジラ7500万頭分だそうだ。(こちらは炭素換算)これらのウイルスの宿主は藻類や細菌だとか。アフリカ象は最大10tでクジラは最大180tです。
ウイルスは病気の原因だけでなく生命活動を支えていることもわかって来た。例えば胎児が免疫の攻撃を受けない理由はへその緒で母親のリンパ球が胎児の血液中に入らないように遮断されているからなのだが、この膜はウイルスが活性化されて増えてくる時に作られるタンパク質からできている。他にも虫に卵を産みつけるハチなども免疫を抑制するしくみを持っている様だ。HIVってのもあるしね。ミツバチが死を覚悟して毒針をさすのにはカクゴウイルスというものの働きがある。針を刺したら内蔵ごと抜けるので1回きりの必死の攻撃がウイルスによるとは。
ウイルスを破壊するウイルスまであるらしい。何のこっちゃだが単独では増殖できず、他のウイルスがいる時に増殖し最後にはその助けてくれたウイルスを破壊するとか。
100ページほどしかなく1時間ほどで読め、面白い話も載っている。しかし、これで1200円は高いなあ。岩波科学ライブラリーはだいたいこんな感じの様だがそうは買わないよねえ。半額にならんかしら。
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細菌は生物だがウイルスは生物ではない、らしい。なるほど、ウイルスには細胞がなく増殖は他生物の細胞に依存するのだ。これまで細菌感染にはかかっていないものの、ウイルスには重ねて痛い目にあっている。インフルエンザは最たるものだが、帯状疱疹が4たび発症したのには参った。周りで聞いたこともない。ということで、ウイルスのいろはを学んだ次第。病原体としての悪玉ウイルスばかりではなく、胎児を守ったり病気を治したりする善玉ウイルスも紹介される。ただ、善玉についてはもうひとつ曖昧で、今後研究が進んで行くのだろう。プランクトンを分解するウイルスの働きは地球温暖化に影響を与えるというが、善悪どちらに導いているのか理解できず。
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ウイルス発見の歴史、ウイルスは生物か否か、動物ウイルスから人ウイルスに進化するまで、などなど、これまでぼんやりとしか知らなかったウイルスについて色々な知識が得られた。また、ヒトの進化や胎児の保護などウイルスの意外な一面も知った。遺伝子治療、食品添加物、生物農薬などウイルスの用途開発が進む一方で、巨大ウイルスや海のウイルスなどまだまだ未知な部分も多く、今後も面白そうな分野である。それにしてもT2ファージのメカチックな形状。只者ではない。。
序章 あなたはウイルスに守られて生まれてきた
1.ウイルスはどのようにして見いだされたか?
2.ウイルスは生きているか?
3.人のウイルスはどこから来たか?
4.生物界を動きまわるウイルス
5.病原体だけではないウイルスの意外な役割
6.病気を治すウイルスの利用
7.広大なウイルスの世界