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商品説明
2011年の革命の起源である、1952年のエジプト革命に積極的に関わったユダヤ教徒出身の共産主義者たちの生涯を捉え、中東・パレスチナ問題との複雑な関係を多角的に検証する。【「TRC MARC」の商品解説】
目次
- 第Ⅰ部 アハマド・サーディク・サアド論
- 第一章 ユダヤ教徒エジプト人とマルクス主義
- 第二章 アハマド・サーディク・サアドと民衆的思想
- 第Ⅱ部 ヘンリ・クリエルとエジプト共産主義運動
- 第三章 クリエル問題とは何か
- 第四章 家族と文化的背景
- 第五章 エジプト共産主義運動の「第二の誕生」
- 第六章 組織の統一から分裂、そして弾圧へ
- 第七章 その後のクリエル
- 第Ⅲ部 エジプト共産主義運動におけるユダヤ教徒問題
著者紹介
長沢 栄治
- 略歴
- 〈長沢栄治〉1953年山梨県生まれ。東京大学経済学部卒業。同大学東洋文化研究所教授。専門は近代エジプト社会経済史。共著に「アラブ民衆革命を考える」など。
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紙の本
アラブの共産党とユダヤ人。
2012/05/18 22:39
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投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
同じ版元から出ていた「見えざるユダヤ人」に紹介されていたエジプト共産党に参加したユダヤ人党員のクリエルともう一人のユダヤ人党員を通して、1952年のエジプト革命前後のエジプト共産党とユダヤ人党員の関係を見た本である。
著者はユダヤ人という言葉を使いたくないからか、ユダヤ教徒という表現を使っている。イスラーム圏では無神論を唱えるはずの共産党員でもムスリムとかユダヤ教徒とかいった概念が存在していたようだ。この本には共産党員がユダヤ教徒からムスリムに改宗するという描写が出て来る。世俗ではシャリーアが支配するからかもしれない。
ファールーク王を打倒したエジプト革命はナセルの「アラブ民族主義」が一世を風靡したが、昨2011年の革命は性格が違うと思う。
「見えざるユダヤ人」でイスラエル国家の存在を認めるが、シオニズムを否定し、ユダヤ人とアラブ人の共存を唱えた党としてイスラエル共産党が登場するが、イスラエル共産党について一度読んでみたくなった。かつてのソ連邦共産党をはじめ、民族性を否定してインターナショナルを唱えたはずの共産主義政党が民族主義政党になってしまったが、イスラエル共産党は特異な存在なのかな、と思う。トロツキストや新左翼党派は一応民族主義とは距離を置いているようだが。