絵本作家のアトリエ １

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娘が産まれてから、ずいぶん絵本を読むようになった。
書店で、図書館でその時ふと目についたものを読み聞かせているうち、自分が子供の頃に読んでいた絵本が未だに読まれ続けていることに驚いた。
そんなだれでも読んだことがある絵本の作家10人に各々のアトリエで取材したものをまとめたのが本書。
ぐりとぐら、だいちゃんと海、スーホの白い馬etc。
みな真剣に絵本と向きあい創作してきたことが伺え、かつ年齢を重ねた柔和さも感じることができた。
作者を意識せずに読んできたこともあって、この絵本もこの絵本もこの方だったのかと知ることも多かったので、あらためて絵本のほうも（娘と一緒に）読んでみたい。
良書。

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太田大八
山本忠敬
小野かおる
佐藤忠良
加古里子
井上洋介
瀬川康男
赤羽末吉
山脇百合子
田島征三

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「しょうぼうじどうしゃ　じぷた」の山本忠敬、「大きなかぶ」の佐藤忠良、「ぐりとぐら」の山脇百合子、「だるまちゃん」の加古里子…日本の現代の絵本の根幹をなした作家10人のアトリエを訪ね、来し方を語ってもらう。
日本の至宝、赤羽末吉（「スーホと白い馬」が有名だが、私はなんてったって「鬼のうで」だ）の項を読めたのは幸せだった。
どの作家のアトリエも色鉛筆やら紙やら資料やらで、楽しげなごたごた感が満ちていて、いい「気」が流れているのが写真からも伝わる。

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みんな一度は目にしている、あの絵を書いた作家たちのお話
みんないい大人（老人？）なのに、子供の心をつかんで離さない理由も、大人の心を深く感動させる理由もわかる気がします。
ほとんどの方が戦争経験者。あの時代を生きてきたからこその感覚。それがあるのがいいのか、ないとダメなのか、問題はそこではなくて、その「感覚」を手と耳と目にできる価値を尊ぶべきなのかなぁと思います。

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作家さんが使っている道具や画材を知りたくて手にとったのにちょっと考えさせれる内容だった。戦争を経験した人が描ける優しさがある。

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2013.5.9市立図書館
「母の友」連載「絵本作家のアトリエ」（2006年〜2014年）より、第一巻は戦後の日本で新しい絵本の礎を築いた10人を紹介。

太田大八といえば『どうぶつたちのおかいもの』
山本忠敬といえば『しょうぼうじどうしゃじぷた』など乗り物絵本
小野かおる（だけはわが家におなじみの作品なし、ざんねん）
佐藤忠良といえば『おおきなかぶ』に『ゆきむすめ』
加古里子といえば『だるまちゃん』シリーズに科学絵本、
　　　　　　　　　そして『からすのパンやさん』
井上洋介といえば『くまの子ウーフ』
瀬川康男といえばあかちゃんえほん
赤羽末吉といえば『かさじぞう』に『おにのうで』
山脇百合子といえば『ぐりとぐら』
田島征三といえば『しばてん』
おせわになってない作家はほとんどいない。

アトリエ訪問で語られる素顔、
子ども時代に親しみ、今なお忘れ得ない絵本たちは
こういうお人柄、こういう思いから生み出されたのだな、
ともう一度いろいろな作品をを読み返したくなる。

借りて読んでいるけれど、やはりこれも手元に置きたい。
（→三巻そろったところでついに購入。2014年6月）

追記：2022年10月、山脇百合子さんの訃報を聞いて、あらためてあちこち読み返す。この巻では、取材の時点で故人も数人いたけれど、もう存命なのは井上洋介さんと田島征三さんのお二方だけになってしまった…

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第二次世界大戦後から活躍しているベテランの絵本作家10人のアトリエ紹介＆インタビュー。

家族の話や学生時代の話、デビューのきっかけ等色々な話が乗っていて面白かった。
殆どの話に出てきた戦争の話はやっぱり胸に迫るものがある。

〈ぐりとぐら〉の文担当の中川李枝子さんと絵担当の山脇百合子さんが姉妹だと知り驚きました。

“太田大八×加古里子”と“加古里子×松井直”の二組の対談も良かった。
特に、加古さんと松井さんの対談は素晴らしくて、色々と考えさせられた。
この間読んだ「絵本のつくりかた１」でも思ったけど、松井さん凄いなぁ。
加古さんの外交関係を気にする一言に対する『たとえ政治の世界がそうであっても、それを打ち破っていくのが、我ら民間の仕事です』という答えが格好いい！

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絵本作家のそれぞれのアトリエというか、生涯に刺激を受けた。それぞれ魅力的な生き方をしている。だからきっと絵本の絵が魅力的なんだろうな。

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目当ては、山本忠敬さんと赤羽末吉さん。素敵すぎた。山本さんは本当に車が大好きらしく、消防車の模型をもらって嬉しそうに笑う写真が載ってるんですが、その笑顔がまた素敵で、だからこそこんなに素敵な絵を描くのだなぁと納得。

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ああ、なんて贅沢な本でしょう。母の友連載中に一部読んだことはあるが、こうして1冊の本になってみるとそれぞれの作家の生き方や作品に対する姿勢が際立ってすばらしく感動的なものになっている。なんだかじんとしてしまう。全3冊シリーズ、あと2冊が楽しみだ。---１回目の感想

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アトリエというので、さぞ機能的な机や収納が紹介されるのだろう……と期待して開いた。全然予想と違った。
1900年代前半に生まれた大御所たちの、生き方や考えを取材したインタビュー本。彫刻や教育関係、絵本に限らず創作に携わる激動の時代のクリエイターたちが自分の原点や思いを語る。生々しい戦中の記憶もそのまま文に起こされていて、本の題名から感じるメルヘンさはあんまりない。
戦後70年を過ぎ、日本から戦争を体感した語り手が減る中、なまの記録を残さねばという志のようなものを感じた。「アトリエ」には色んな意味が込められているようだ。

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山本忠敬さんの記事が読みたくて手に取りました。戦後の日本で、絵本を作り上げてきた作家たちへのインタビュー集。最後のかこさとしさんと松居直さんの対談が良かった。絵本と子どもへの誠実な眼差しが暖かい。

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絵本作家というと、朝の気持ちの良い時間にすっきり起きて、にこやかに健やかに筆をとる…といったイメージだったが、案外そうではないことが意外で面白く、また励まされる部分もあった。国際アンデルセン賞をとった作家が孫に絵本を読むこともできないほど子供に慣れていなかったという話や、集中を切らさないために飲まず食わずで描いた話など。