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- カテゴリ:一般
- 発売日:2013/12/11
- 出版社: 講談社
- サイズ:20cm/285p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-06-218674-2
読割 50
紙の本
忠臣蔵まで 「喧嘩」から見た日本人
著者 野口 武彦 (著)
太平の世、権力は武士の復讐の論理を服従の美学に転換させようとするが、異議申し立てが噴出。その頂点が赤穂事件だった−。忠義のベールを取ったあとに残る「日本人の正義」の原形質...
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商品説明
太平の世、権力は武士の復讐の論理を服従の美学に転換させようとするが、異議申し立てが噴出。その頂点が赤穂事件だった−。忠義のベールを取ったあとに残る「日本人の正義」の原形質を解明する。『小説現代』連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
江戸以前、武士とはどうしようもない暴力的存在(野蛮なかぶき者)だった。本書は時代をさかのぼり、戦国期の武士を貫く行動原理がどのようなものであり、太平の時代になっていかに危険なものとなったかを明らかにする。そして、じつは赤穂事件こそが復讐の論理を忠義の論理に切り替える(すり替える)という、真にアクロバティックな思想的転換であったことを示す。
野口武彦氏にはすでに『忠臣蔵―赤穂事件・史実の肉声』(ちくま新書、現在はちくま学芸文庫)という傑作があります。そこでは事件の発端から終結まで、後世の潤色を取り去り、史料の叢から元禄の人間ドラマをよみがえらせました。
しかし、それだけでいいのか。ここから著者の新たな追跡がはじまります。
「後世の潤色」にはいろいろありますが、その最たるものは武士道というイデオロギーによるものです。忠義のベールに覆い隠された事件の本質はなんであり、それを取り去ったあとに残るものはなにか……。
それは自力救済と復讐の論理であり、武士という存在のどうしようもない暴力性です。ガルシア=マルケスのひそみに倣えば、「忠臣蔵」とは「元禄の予告された殺人の記録」なのです。
本書は時代をさかのぼり、主に戦国期の武士を貫く行動原理がどのようなものであり(野蛮であり、傾奇者であります)、太平の時代になり、権力にとっていかに危険なものとなったかを明らかにします。そして、じつに赤穂事件こそが復讐の論理を忠義の論理に切り替える(すり替える)という、じつにアクロバティックな思想的転換であったことを示します。
げに武士道とは、始末に負えぬものなり
江戸以前、武士はどうしようもなく暴力的で野蛮な存在だった。太平の世を迎え、権力は自力救済と復讐の論理を服従の美学に転換させるべくさまざまな努力を重ねる。それでも間歇的に噴出する異議申し立て。その頂点が赤穂事件だった。忠義のベールを取り去ったあとに残る「日本人の正義」の原形質を明らかにする歴史エッセイ集。
【商品解説】
目次
- 元禄時代を読みなおす
- 意趣・鬱憤・赤面
- 喧嘩という習俗
- 喧嘩両成敗をさかのぼる
- 川中島合戦
- 甲陽軍艦と信玄家法
- 長篠合戦の神話
- 武士道の始原
- 葉隠とその未生以前
- 雑兵は語る
著者紹介
野口 武彦
- 略歴
- 〈野口武彦〉1937年東京生まれ。東京大学大学院博士課程中退。文芸評論家。神戸大学文学部教授を退官後、著述に専念。日本文学・日本思想史専攻。「江戸の歴史家」でサントリー学芸賞受賞。
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