紙の本
実際、山賊はいませんが・・・
2016/01/18 10:25
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投稿者:なびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
黒部や北アルプスが現在のように登山客に開かれる前の様子を描いた作品。
現在見られるような山小屋を始めた筆者ならではの苦労や人の手が
入る前のアルプスで起きた事件?など、北アルプスを知っている人でも
初めて知る内容で楽しめます。
この本を読んだら、実際に伊藤氏のいる山小屋に行ってみることをオススメします。
山の素晴らしさ、不思議さが実感できると思いますよ。
電子書籍
すごく面白い
2015/08/27 09:25
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投稿者:tamo - この投稿者のレビュー一覧を見る
黒部源流域を舞台とする昭和初期の実話集。
著者は今もその地域で山荘を何件も営む伊藤正一さん。
(運営は息子さんに代替わりされているようですが)
紙書籍を以前、三俣山荘事務所から購入し読んでいましたが、このたび
いよいよ雲ノ平へ向かいたく読み直しのため電子書籍を購入。
山賊をはじめとし、河童やカワウソ、狸など様々な生き物が引き起こす
不思議な出来事。また、山の厳しさも教えてくれる本です。
登山をしている人はもちろん、黒部ダムや穂高温泉など観光に
訪れたことのある人にも是非読んでほしい一冊です。
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戦後間もない時代の山小屋での生活を描いた作品。
自分はまだ山小屋があるような大きな山には登った事がないが、テレビや雑誌で見るたびに一度は行ってみたいと思う場所である。
しかし山小屋は単なる登山客の宿ではなく、悪天候の際の避難場所であったり、山岳事故の際は救助の基地となる重要な場所なのだ。本書にも遭難事故のエピソードが紹介されており、山小屋で働く人々のご苦労が伺える。
山小屋を占拠する山賊や未知の生物の足跡など、我々が暮らしている下界とは全くの別世界が存在しているようで、とても興味深い作品だった。
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2014/2/23 Amazonより届く。
2015/10/10〜10/18
いやいや、これは面白い。戦後の黒部最深部の様子とそこで暮らしていた人達のイキイキとしたようすがよくわかる。昔の人は道具も貧弱だったろうにホントにたくましい。来年の夏の遠征は三俣あたりに行きたいな。
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山岳本の傑作。旧版も持っているけど、定本が出たということで新たに購入。
富山、長野、岐阜の県境に位置する三俣蓮華岳。戦後間もなく、その山頂直下にある三俣山荘の権利を手に入れた著者は、そこに勝手に住み着いていた「山賊」と出会ったという。。。
著者の伊藤正一氏は北アルプスの最深部に位置する三俣山荘、雲ノ平山荘、水晶小屋を建設し、伊藤新道(現在は廃道)を拓いたという、登山をする人間からみればまさに伝説の人物。そんな人の話が面白くないわけがなく、読み終えてしまうのがこれほど惜しいと思った本は他にない。
超人的な山岳サバイバル術を持つ山賊たち。佐々成政の財宝伝説とそれに翻弄される人々。遭難した者と救助する者のドラマ。そして様々な山の怪異。どんなにおとぎ話めいたエピソードでも、それが日本最後の秘境として知られる黒部源流域で起きた出来事だというなら不思議に納得できてしまう。
本書「黒部の山賊」の旧版は、実際に本の舞台となっている山小屋を訪れなければ買うことができなかった、ということになっている。僕は初めてその山域を訪れた時に、迂闊にもこの本の存在を知らなかったので、せっかくの購入のチャンスを逃してしまった。結局その後ネット通販で古書を入手したわけだが、やはりこの本はあの場所から持ち帰ることによって手に入れたかった。
数年前に、伊藤正一氏の息子さんが小屋主をされている雲ノ平山荘に泊まったが、このことは素晴らしい思い出として心に残っている。北アルプスの名峰に囲まれたそこは、まさに夢の中にあるかのような場所だった。いつかもう一度、この本を持ってあの楽園へ行き、ランタンの明かりで読書を楽しんでみたい。
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「山と渓谷」2014年3月号、著者の伊藤正一さんのインタビューが掲載されおります。
著書『黒部の山賊』が復刊したとのこと。私はまったく存じ上げていませんでしたが、この機会に山に関する本を読んでみようと思いました。
数年前から、大好きな街ウォーク(といっても20-30kmのログウォーク)から、傾斜のある道を登る"登山"に興味がわき、今日に至ります。そんなに大それた山にものぼっているわけでもなく、ただただ一人で行ける山、数人で楽しみ山、パーティで行く山に参加している程度だとおもっています。
健康のためといって続けているとはいえ、やはり初めて見ると毎回毎回そして、同じ山でも一度より二度目、三度目もうんと楽しめると知るにはそんなに時間はかかりませんでした。
山の雑誌は時折購入して、楽しんでおりますが、山に関する本、山に向きあった本などは読んだことがありませんでした。
そして、ヤマケイの雑誌で読んだこの伊藤正一さんの話がとてもとてもおもしろく! 早速会社帰りに本屋に立ち寄り、帰りの電車そして自宅にもどってから一気に読み上げてしまうほど、わくわく楽しめる内容でした。
私が生まれた1960年代、そんな頃に黒部を中心に活動し、そして山小屋を作られ切り盛りされてきた方です。
山での不思議な体験、恐怖に近い登山、人の死に向き合い、そして人を迎える山小屋を作り多くの登山者を見守ってこられ、"優しさ"というもの"山のリスク"というもの、そして"山の不思議さ"に向き合った方の生の声が文面から聞こえてきそうです。
小説以上にわくわくドキドキの内容に、もう一度!と復刊に尽力してきた方々に感謝です。
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全部を読み終えることは
できなかった
時代背景が
こんなやつらがいてもおかしくないなと
思わせる
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2014.5.27読了
黒部の主・伊藤正一が、後世に語り継ぐ
旧版は舞台となる北アルプスの山小屋へ行かなければ手に入らなかったらしいが、この度は山と渓谷社さん、ありがとうヽ(*´∀`)ノ
先人達の苦労があってこそ、現代の快適な山ライフ…感謝━(≧∀≦人)━感謝
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北アルプスの三俣蓮華岳にある山小屋の主人として長らく山で過ごしてきた筆者が、おもに戦後の黒部の山とそこでの人々の風景を活写した本である。
熊など野生の動物、暴風雨など大自然の抗えない力強さ、登山者の遭難話、不思議な経験、さまざまな話が展開されるが、なかでも筆者と山仲間の逸話は素晴らしい。一気にその世界に引き込まれる。今なら大きな問題になるようなことでも、当時はなんでもなかった逸話もたくさん出てくる。
山好きな人、北アルプスに行ったことのある人なら、この本を読んだらまた行きたくなることは間違いない。楽しかった記憶が思いだされるからだ。
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・岩魚はまなぐさいが、うさぎを丸のまま煮込んだ頭、脳みそ、目玉は美味いという…熊の腸もしごいて中身ごと煮て食べてしまうという…でも、熊の胆嚢をありがたがる下界の人間もグロテスクに見える
・山小屋づくりは高くつく、行方不明者の捜索も高くつく
・たいがいの遭難や遭難未遂にははっきりした原因がある
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昭和20~40年代の黒部峡谷は、まさに人智を越えた魔境であった。ジェットエンジンの研究者から身を転じて山小屋の主として黒部に入った著者による、黒部の山賊と呼ばれた面々の痛快な人物譚。黒四ダムに伴い観光ルートができる前の黒部は毎年のように何十人もの登山者が命を落とす苛酷な山だった。たくさんの登山者が命からがらこの山小屋に滑り込み、また出ていったきりのものもいる。山賊と呼ばれた腕っこきの猟師たちもなにも言い返せない体たらく…
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面白くて一気読みでした。もちろん黒部には行ったことないのですが、昭和20年代の黒部にタイムスリップしたかのように臨場感が伝わってきました。
素晴らしい景色や心地よい空気感だけでなく、山の厳しさや、結局人間の業が絡む山の生活には、やはりそこで生きる筆者だからこそ書けるものだと思いました。
ボクですら感動しましたので、山男や一度でも黒部を訪れたことのある人であれば手放せない一冊となるのだろうと感じました。
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黒四ダムができる前の黒部にて活動していた猟師…いや山賊たちの生活について訥々と書かれている。
面白いなあ。山で出会う人々、動物、この世以外の生き物…観光バスでダムまで行けるようになった現在は、もう変わっちゃったのかなぁ。
愛犬ジャムのエピソードが一番好き。
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20150308 黒部の歴史。そのままアルプス登山の歴史のようだ。もう三十年以上前に何回か訪れた事を思い出した。機会がどんどん遠ざかる前に又行ってみるか。そんな気にさせる本。
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遭難や殺人事件などの悲惨な話が織り込まれているのにまるで寓話の様に読み手に伝わってくるのはなぜだろう。それは読み手も山ヤさんであることを意識しているのだろうか。特に印象的だったのは愛犬ジャムが下界に降りた時にやたらと子供に吠えたり(恐らくストレスで)毛が抜けてしまったと言う話。全く人間も同じで山に入ると山ボケや幻の声などそこは現実の地上世界とは違った世界があり山賊とはまさにその世界で生きる種族。
読み手がそれを感覚で捉えることが出来る事を意識して書いている。