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- カテゴリ:一般
- 発売日:2014/06/15
- 出版社: ハーパーコリンズ・ジャパン
- レーベル: MIRA文庫
- サイズ:15cm/460p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-596-91597-9
紙の本
無慈悲な王に手折られし薔薇 (MIRA文庫 愛と享楽のローハン子爵家)
1768年、パリの貧民街―エリナーは、男と賭博に目がない母親と、織細で美しい妹の面倒を見ながら零落した暮らしを送っている。食べる物にさえ困り始めたある日、あろうことか母親...
無慈悲な王に手折られし薔薇 (MIRA文庫 愛と享楽のローハン子爵家)
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商品説明
1768年、パリの貧民街―エリナーは、男と賭博に目がない母親と、織細で美しい妹の面倒を見ながら零落した暮らしを送っている。食べる物にさえ困り始めたある日、あろうことか母親が最後の金を持ち出してしまった。後を追い、退廃的な宴が開かれているという噂の館へ忍び込んだ彼女は、瞬く間に捕えられ、館の主の前に突き出される。巨億の富で放埓の限りを尽くし、“地獄の王”と呼ばれるローハン子爵―彼は粗末なドレスのエリナーを興味深げに眺めると、意外にも手助けを申し出た。いい退屈しのぎを見つけたとばかりに。【「BOOK」データベースの商品解説】
1768年、パリ。貧しい娘エリナーは、金を持ち出した母を追い、背徳の宴が開かれているという館に忍び込む。捕らえられた彼女に、館の主・ローハン子爵が意外にも手助けを申し出て…。耽美なエロティック・ヒストリカル。【「TRC MARC」の商品解説】
パリの貧民街で暮らすエリナーは、母親を捜して淫らな噂の流れる館に忍び込む。だがすぐに捕らえられ、〝地獄の王〟と呼ばれる子爵の前に突き出されて…。【商品解説】
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電子書籍
壮絶な境遇のヒロインがやっと・・・
2017/05/25 19:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:バターキャラメル - この投稿者のレビュー一覧を見る
不器量である、というだけで美人の妹との扱いの差が歴然で、社会一般、異性や家族からまでも侮辱され軽視されてきたヒロイン。母の手によって、さらに悲惨でむごい仕打ちを受けますが、それでも妹への愛情を灯火にして、妹に群がろうとする下種な男や飢えから妹を守ろうと躍起になって奮闘している姿は、美しいとしか言いようがない。
誰もが鼻で笑う(実際にはそんなに不器量ではないと思う)、というような容姿をヒロインは自認し、その運命を受け入れていますが、ヒーロー相手では、その運命も切ないもののように感じた。その小さな変化が愛らしく、また、最初読んだときにはなんだこのヒーローと思うような堕落して淫らで放蕩に耽るヒーローに戸惑いましたが、幾多数多の相手が列をなしてその身を捧げようとするような男性で、美しい女にも不自由しないという境遇でありながら、ヒロインのこととなるとそれまでの退屈な人生に一種の興奮や、喜びを感じ始めたヒーローが可愛らし思えてくるのだから不思議だった。
ヒロインの妹のほうも、愛らしい顔をしていながら心の中はどこか冷めていて、それでも好いた男の事になるとふと夢を見てしまうところは可愛いのですが、姉妹愛は非常に美しく温かいのだけど、どこかヒロインよりも早くにさっさと幸せになるというのが、皮肉れた私にはもうちょい妹君が奮闘するようなシーンがないと、姉であるヒロインの差になんとも言えない複雑な心境になりました。
妹のために、その炎を胸に器量を侮辱されようと、服装を見下されようと強く生きようと躍起になる少々向こう見ずで無鉄砲なヒロインを私は魅力的だと思った。妹の相手になる男性も、ヒロインの容姿に関して馬鹿にするような言葉ばかりを言うものだから、なんだか居たたまれないような心地にもなった。
つまるところ、現実にも近いということ。容姿への賛美や対する侮辱は、どこの国でも必ずあって、誉めそやされる人がいれば、嘲笑の的にされる人もいる。
ほんの少し、顔のどこかのパーツが歪んでいるだけだとか、服装が地味だとかそんなくだらない理由で人を指差して下品な笑いを込めて侮辱する人間が必ずいるものだ。
そして、そんな目に一度でもあえば、美人への扱いと自分のへの扱いの差を先読みして分かり切ってしまうことに、また傷ついたり、そうでしょうねと心の中で笑ったり。
私もそうであったように。
けれども、ヒロインはこんな容姿だから愛されることもないだろう、昔のあんなこともあったし結婚もできないだろう、それでも妹のことをなんとしてでも守りたいと強くなろうとする姿は、どうしたって美しいと思える。どんなに、空回りしてても。
美人の妹ばかり大切にされて、私は・・・という嫉妬も苦悩もなく、まっすぐさで。
私にはそれが、一番驚いたところだった。
そして美しい妹は妹で、容姿だけで自分に惚れこむ男どもを軽蔑するふしがあり、それはそれで容姿というものは必ずしも幸せを運ぶものじゃない厄介なものだとも思った。
けれども・・・ヒーローはヒロインの容姿も心根も大変に好ましく思って自分でも自分の与り知らぬうちに骨抜きになっている姿が、とても・・・ときめきました。あの放蕩のシーンがあり、ヒロイン以外の女性とゴニョゴニョな関係を持つ描写(!)があって、アンヒーローじゃなかろうかと思っていても。不思議ですね。
ヒロインの境遇を想い、ヒロインを苦しめた男に怒り狂う様も、助けなくてはいけなくてなりふり構わない姿も、大変かっこよかった。
読んでよかったと心から思う。