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商品説明
山で野生児として育った虎が、ある日村人に捕まってしまう。その窮地を四郎という少年に助けられる。天草四郎と虎の出会いだった。当時、島原と天草では切支丹迫害が苛烈を極め、蜂起が企てられつつあった。他方、老中・松平信綱は、幕府という権力の箍を締め直そうとしていた。父の邪心で切支丹の旗頭にされた四郎。純真な心で四郎の護衛役となった虎。乱を欲する、心の闇にとらわれた信綱。交錯する三人の思惑。時代が大きく動きはじめた―。「島原の乱」新解釈、衝撃の歴史長編!【「BOOK」データベースの商品解説】
父の邪心で切支丹の旗頭にされた天草四郎。純真な心で四郎の護衛役となった虎。乱を欲する、心の闇にとらわれた老中・松平信綱。交錯する3人の思惑。時代が大きく動きはじめた−。『小説現代』連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
森で育った虎は幼いころに母親を亡くし、独り野生児として生き抜いていた。食料を求めて里に出没するようになり、とうとう村人に捕まってしまう。なぶり殺しにされかけたところを四郎という少年に助けられる。そう、それが天草四郎と虎の出会いだった。同じころ、島原と天草の切支丹に対する迫害は苛烈を極め、四郎の父・甚兵衛らを中心に公儀への反抗が企てられつつあった。他方、知恵伊豆と呼ばれる、老中・松平信綱は、三代将軍・家光の治世に不安を抱いていた。江戸に幕府が開かれて三十有余年、天下は徳川家の下に治まっているが、それは表面的なものであって本当に治まっているとは言い切れない。信綱の心の中に潜む闇を、将軍家剣術指南役の柳生宗矩は見透かしていた。「幕府は乱を欲している」。恐るべき謀議が交わされる。──父の思惑に踊らされ切支丹の旗頭にされた四郎、何も知らず四郎の護衛役となった虎、幕府の箍を締め直そうとする信綱。三人の間で、時代が大きく動こうとしていた。【商品解説】
著者紹介
矢野 隆
- 略歴
- 〈矢野隆〉1976年福岡県生まれ。時代小説作家。「蛇衆」で小説すばる新人賞を受賞。他の著書に「西海の虎」「将門」など。
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