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紙の本
逆説の日本史 17 江戸成熟編 (小学館文庫)
著者 井沢 元彦 (著)
大和民族以外の民族は、どういう歴史を持ち、どのような経緯で日本人となったのか。アイヌからの簒奪、対米愚劣外交、倒幕思想のルーツなど、幕末前夜の「闇の歴史」を暴く。【「TR...
逆説の日本史 17 江戸成熟編 (小学館文庫)
逆説の日本史17 江戸成熟編/アイヌ民族と幕府崩壊の謎
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商品説明
大和民族以外の民族は、どういう歴史を持ち、どのような経緯で日本人となったのか。アイヌからの簒奪、対米愚劣外交、倒幕思想のルーツなど、幕末前夜の「闇の歴史」を暴く。【「TRC MARC」の商品解説】
幕末前夜の「闇の歴史」を暴く!
第1章では、東北地方から北海道、さらには千島列島まで、独自の文化を育んできたアイヌの歴史を照射する。和人が蝦夷地に進出する契機となった北東北の争いから和人の過酷な仕打ちに端を発した「アイヌ三大蜂起」。さらには、老中・松平定信が蝦夷地調査報告書を黙殺した理由にも迫る。
第2章では、幕末に燎原の火の如く盛り上がった尊皇攘夷思想の源流ともいえる国学思想の成り立ちを、荷田春満、本居宣長、賀茂真淵、平田篤胤ら「国学四大人」の軌跡を通じて解読する。
第3章では、天保の改革に挑んだ徳川幕府が「祖法大事」と変革の波に乗り遅れる様を詳述。優秀な官吏が国の行く末を見誤っていく歴史をあますところなく活写する。
第4章では、「なぜ日本の道路舗装率が中国・韓国などより低いのか?」という命題から、いたずらに開発に走らず、身の丈にあった暮らし、完全リサイクル社会を実現していた江戸の暮らしに陽を当てる。【商品解説】
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アイヌ・国学そして幕府外交
2021/03/14 18:33
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投稿者:だい - この投稿者のレビュー一覧を見る
○アイヌ民族のルーツと展開
大和民族の二重構造
本土の人々は縄文人と渡来人の混血
アイヌや沖縄人は縄文人純血
・エミシ=アイヌの場合
→大和民族とアイヌ民族間の争い
・エミシ≠アイヌの場合
→大和民族同士の内部抗争
奥州藤原氏の滅亡によりアイヌの地域に大和民族が進出するようになった
コマシャインの戦い
シャクシャインの戦い
クナシリ・メナシの戦い
コマシャインの戦いで、松前藩は“和議を申し入れ、その和解の席で酒を飲ませて相手が油断したとこれを騙し討ちにする”という卑劣な手段で乱を平定した
定信は“アイヌには文化などない”と確信しており、アイヌを日本人にすることはできないと考えていた(差別政策)
露ラスクマンに北辺の地を奪われたくなく、アイヌの同化政策を進めることになる
アイヌが日本人になれば、その土地は日本になるからである
○国学の成立と展開
国学とは、日本独自の思想や精神世界を古典の中に見いだしていこうという学問
背景には、儒教の奨励があった
国学の四大人(しうし)
・荷田春満
・賀茂真淵
・本居宣長
・平田篤胤
宣長は“古事記”の研究者として有名だが、日本人の“宗教”の完成者、明治維新を成功させた功労者とも言える
日本の統治権は天照大御神から東照宮を経て、将軍家に委任されているのであり、国民は“私民”ではなく天皇家から預かったものである
宣長神道は“天照大御神=天皇=絶対神”
幕末維新で日本人は一人も売国奴を出さなかった
これは“奇跡”なのである
宣長神学こそ“天皇を中心とする国民統合の原理”であった
この原理としての神道“天皇教”を完成させたのが平田篤胤である
○幕府外交と天保の改革
鎖国体制が揺さぶられるきっかけは、蝦夷地へのロシア人の来航であった(エスカテリーナ2世号)
ペリーの黒船来航が最初ではなく、日本が開国しなければならないことは解ってなければならなかった
米露の目的は、日本を植民地化することではなく、共存共栄を図る意図があった
老中定信は、鎖国は祖法であり絶対変えることはできず、夷のロシアとは交流できないと拒絶した
英フェートン号は国籍をオランダと偽り、長崎来航
オランダ商館員を人質にとり、日本を脅迫し物資を争奪した
幕府は対応を佐賀藩に押し付けた
鍋島斉直は、鉄鋼生産のため本格的反射炉を作り、アームストロング砲を製造
倒幕の武器として使われた
12代家慶は水野忠邦を老中に抜擢し、天保の改革を始めた
忠邦は鳥井耀蔵を南町奉行に抜擢
朱子学的正義で正論を言う人々を無実の罪に陥れた
天保年間に行財政改革を行ったのは幕府だけでなく、“薩摩・長州・肥前”等の地方自治体も取り組んでいた
○江戸の平和
黒船以前は、海に囲まれているため世界一安全な国であったが、黒船以降は、海に囲まれているからこそ、敵がどこからでも攻撃できる世界一危険な国になった
江戸時代は“科学技術の進歩を基本的に止めた時代”であった
戦国の世が終わり、平和が訪れた日本人は“二度と戦争はしたくない”と考え、技術はあっても封印した時代であった
つまり、“平和絶対教”という宗教による“戦争の遮断”である
江戸時代は可能な限り自然に逆らわないで生きる、究極の省エネ・エコ社会、徹底的なリサイクル社会であった
紙くず、古着、肥え汲み、焼き継ぎなど
人々は“分”という運命に従い、競争という苦しみから逃れた
日本人にとって開国近代化は“ユートピア江戸”とは180度異なる世界であった
多くの人は、そこに行くことをためらった