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復活の地 1 (ハヤカワ文庫 JA)
復活の地1
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紙の本
出版社コメント
2004/06/14 14:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:早川書房 - この投稿者のレビュー一覧を見る
死者50万、国家機能崩壊
すべてが崩壊した国家に、再興の途はあるのか?
王紀440年、惑星統一を果たしたレンカ帝国は、今まさに星間列強諸国に対峙しようとしていた。だが帝都トレンカを襲った大災厄は、一瞬にして国家中枢機能を破壊、都民50万の生命を奪った。植民地総督府の若き官僚であったセイオは、亡き上司の遺志に従って緊急対策に奔走するが、帝都庁との軋轢、陸軍部隊の不気味な動向のなか、強力な復興組織の必要性を痛感する……。崩壊した国家の再生を描く壮大なる群像劇、全3巻開幕!
〈予告〉
復活の地II
植民地の叛乱、列強諸国の干渉
8月刊行!
紙の本
雰囲気は良いが方向性見えず
2016/10/16 14:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かめきん - この投稿者のレビュー一覧を見る
SF震災復興ドキュメンタリーとでも言うべき本書であるが、1巻末の段階ではどういう方向(復興が焦点なのか、政治的闘争が活性化するのか、外星からの侵略になるのか、はたまた地震自体が人工的というような展開か)に話が進んでいくのか見えず、続巻を買おうかどうか迷ってしまったのが正直なところであった。
クライシス感自体は溢れており、SFの世界を感じさせてくれるという点については十分に評価できると思う。
紙の本
「他人より損な役回りをするから責任者と言えるんだ。そうでない責任者が存在するほうが間違っている」
2004/06/12 00:16
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:成瀬 洋一郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
テーマや内容を確認せず、とにかく名前を見たら“買う”、それでハズレがない……もちろん厳密にいえば個々の出来不出来はあるし、テーマの好き嫌いはある。でも全体として見れば、買って損のない作家の1人というのが、僕の小川一水の作品への評価なんです。
彼は『群青神殿』では深海の資源開発を、『第六大陸』では月面基地建設、『ハイウイング・ストロール』ではプロペラ機による空中の狩猟を、というように常に新しいテーマにチャレンジしています。そしてまた、それぞれについて決して付け焼き刃でない下調べをした上で、その結果を設定やスペックの羅列ではなくストーリーに組み込んで活かしています。
今回は「都市の災害からの復興」が第一のテーマのようです。惑星全土を支配したレンカ帝国の首都を突然の大地震が襲い、皇帝から軍首脳、官僚を含め死者50万人という被害を出してしまいます。国家機能を失い、今もなお拡大しつつある都市の被害を誰がどう食い止めていくのか。そして他星の政府や帝国に支配されていた植民地はどう動くのか。そうしたさまざまな動きが丹念に描写されていきます。
全3巻の予定ということで、この災害復興の物語がどういう形で化けていくのか楽しみです。
紙の本
星雲賞候補No1の作品
2004/08/16 17:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:san - この投稿者のレビュー一覧を見る
小川一水、おそるべし。
第六大陸であれだけのエネルギーを注ぎ込んで、SFファンを
楽しませてくれましたが、本作もやってくれました。
本作を旧いSFファンに説明するには、ぴったりのものがある。
全体のイメージとして、なんとなく眉村卓の名作“司政官”
シリーズを彷彿とさせるのだ。
主人公が官僚の頂点に立つ人間であり、比較的善良且つ優秀
という近似が成り立つ。
ストーリも細かい点は別にして危機的な状況で、主人公とそ
の周りの人間の対比や発生する危機の乗り越え・危機管理と
いった論点は読むものを飽きさせない。
昭和時代の隠れた(?)名作である司政官シリーズや光瀬龍を
思い出させる緻密な語り口....
似非SF小説が多い中、今年の星雲賞はこれで決まりだろう。
それだけの中身を持つ“SF”小説である。
SFファンだけでなく、一般の小説としても充分に評価に値す
る作品ではないだろうか。
紙の本
前代未聞!帝国の官僚主義が熱い
2004/07/19 23:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:小笠原功雄 - この投稿者のレビュー一覧を見る
様々な設定で、様々な職業を描いてきた小川一水。そこではプロフェッショナル達の「仕事」が、どちらかというとはぐれ者の活躍が目立っていた。それが今回はいきなりファンタジーか?と一瞬たじろいだが読み出せば、あっという間に「帝国」は地震で壊滅。惨状と人々の動きがたたみこむ様に描写されて一気につかみに入る。「帝国」が敵軍じゃなくて地震にやられる。しかも帝国をいかに復興させるかで引っ張る。こんなSFがあっただろうか。
設定のもう一つのポイントは帝国を立憲君主制にしたこともあるだろう。
生き生きとしたキャラクターの魅力も、被災に直面して、長所も短所も体現しているという点で前代未聞。
過去のSFで似たものを探せば、眉村卓「消滅の光輪」星全体の住民を移住させる大プロジェクトに挑む司政官、いわずと知れた「日本沈没」あたりか。だがそれら過去の名作の歴史上に現れた本書は、さらにSFファンタジーお馴染みの異世界の「帝国」を「制度」として細部まで問い直し、自然災害がもたらす「葛藤」を余すところ無く盛り込んで、ハードSFファンからファンタジーファンまで、いやリアルさが売りの「各種」ノベルの専門分野以外の描写の弱さに不満を感じる人も夢中になれる。