紙の本
もう一つのシンデレラストリー
2016/09/04 06:40
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投稿者:neko - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の女性が、地元を離れて、都会で成長していく話なんだけど、キホン、自分の力を伸ばすことで成長している。幸運でステップアップしてる様に取れなくもないけど、写真の撮り方を知っているという軸はぶれないし、その知識を伸ばすことにより、よりハイレベルな環境にステップアップしてる。
で、男の子はその時々での一時的なサポートで、ステップアップするとサヨナラかな。結構、シビア。ちなみに、独身の男性が相手だと、後腐れがあったりして、不倫がお手軽なのがよくわかります。
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飛鳥井さんの書く男性のしょうもなさが好き。しょうもないというか、抜け感がいい。だめだな、とおもうところが少しあって、それがしばらくすると多々になるのに、抜け出せない、抜け出そうとしない、ある意味での麻薬的な魅力がいつもある。優しい、けれどだめなひと、憎めなくて、でも憎みたい、今回はそんな男が出てきます。
主人公の紗耶加はほんと恵まれているというか運があるというか、うらやましいくらいのシンデレラガール。あんな風にめまいでぐったりしているときにユニセックスな容姿の男の子に助けられたりしたいわ。そしてそのまま恋愛に発展し、ふとしたことで始めるようになった写真が編集者の目に止まって、それがやがて有名写真家との出会いになり、やがてそれらは仕事となり、強く強く生きていく。
うらやましいのに、夢物語で終わらない、うさんくさいうすっぺらいもので終わらないのが飛鳥井さんの作品のいいところだと思う。主人公の紗耶加は現代の等身大の女の子って感じ。ストレスに弱いのにそれに気づいていない、知らぬ間に傷ついている。傷ついている事に気づかない、あるいは気づくのが遅い。ノーと言えない。引っ込み思案。そんな彼女の悩みながらも、一歩一歩外の世界に出て羽ばたいていく物語。勇気づけられるというよりも、感謝したくなる。人と人とは縁であり、縁がすべて。誰も彼もがこのようにうまく行くはずはないけれど、でもちょっと夢見たくなった。好きな事だけをやって成功させる、それが一番幸福だよね
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ビルドゥングスロマン……と言っていいのかな?
10年に及ぶ蓮井紗耶加の成長物語。
最初は流されるように男性に翻弄されていたが、次第に自立していく。その過程がささやかだけど鮮やかできれいだった。
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地方から東京に出てきた女の子の10年の物語。途中「アシンメトリー」のようだと思った。もちろん全く違うのだけど醸し出す雰囲気とか圭介の感じとかなんとなく。同じ作家さんだから当たり前だけど。 物語は10年といえ割と淡々と進んでいく。どちらかというと恵まれた環境で暮らしていく主人公だけど、やっぱり葛藤や悩みが当たり前にあって、でもきちんと前を向いて真っ当に進んでいく姿はとてもよかった。
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ちょっとわかりにくい。感情が寄り添えなかった。が、登場人物の突飛さや、ガラガラっと音がしそうなくらいの展開に自分を重ねて考えてしまう。
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大学卒業後、地元で働いていた紗耶加は、やりがいを見つけられず息苦しい毎日を過ごすなか、思いきって東京に行くことを決心する。新しい職場で気の合う同僚に恵まれ、圭介という優しい男性にも出会うことができた。やがて圭介と半同棲をすることになったが、彼の自分勝手な言動に違和感を抱きはじめる。苦悩する紗耶加を救ってくれたのは、写真を撮ることだった。そして、思いがけない新たな出会いが紗耶加の運命を変えていく―。仕事や恋愛で揺れ動く女性の生き様を圧倒的リアリティで描いた、勇気と希望の物語。
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どこにいてもいつでも自分なりに真面目に一生懸命やっている紗耶香だったが、いつもなんとなく満たされない思いにもやもやしていた。そんなとき、職場の携帯ショップで出会ったパキスタン人のミシュラさんの生き方の一端に触れ、心が動く。そして彼にもらった水色のコンパクトデジカメで写真を撮るようになるのである。東京に出てきても、思い通りに行かないともやもやすることも多いが、写真はいつも紗耶香を元気にしてくれるのだった。紗耶香自身は思い通りに行かないと思いつづけているのかもしれないが、傍から見ると結構いつでも自分で自分の道を切り拓いているように見える。思い描いた通りではないとしても、やりたいことを見つけ、その道を歩きはじめているのだから、しあわせなことである。なにより周囲の人間関係に恵まれて、いつも助けられている。そのことを忘れずに歩き続けていってほしいと願う一冊である。
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何かの閉塞感に苦しむ女性がどんどん前に進み、最後はその閉塞感がなくなっていく物語。単純に言うと。
なんというか、閉塞感に気がついてから行動を起こせるか、起こせないかで未来が変わってしまうようだ。
あと、ここまで人と出会って何か次のステップに進もうとするときにここまで人との別れを経験させるのも凄いなと思う。
何かを得ることは何かを失うこと。等価交換の原則みたい。
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砂丘のある街で生まれ育ち携帯ショップの社員として働く紗耶加。
ショップの常連のパキスタン人、ミシュアルさんが母国に帰るとき、愛用していた水色のカメラを譲り受け、写真を撮るようになる。
閉塞感を感じていた紗耶加は上京する。
そんな紗耶加の10年間の物語。
上京した当初は、やりたいことも定まっていなくてふわふわしていたし、華奢な体で守ってあげたい存在だった紗耶加。
圭介との恋愛は少し共依存っぽくてなんだか腑に落ちなかった。
それでも決別して、写真を極めたいと決めた紗耶加はかっこいい。
少しずつだけど強く、自分を確立していく成長の過程がよかった。
東京で倫世という親友もできたし。
都合よく展開していくこともあったけど、
タイミングや運を味方につけることは、大事だし
そういうのも才能のうちかなーと思います。
女の子の成長ストーリーです。
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紗耶加という一人の女性の25歳から35歳までの話。やっぱり続かない恋愛は続かないものなんだな。そしてそれが終わると分かっていても、終わらせるのにはすごいエネルギーを使うものだ。でもそこから次の恋愛に走らず、真面目に仕事をし、自分の持っている感性を認めてもらえるところに到達するほど彼女は強くなった。
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携帯ショップで働くごく普通の女性、蓮井沙耶加が出会いと別れを通じて強く成長していく。ほんと最後のほうの沙耶加は強くたくましく(でも周りから強くなった、強いからいいねぇと言われて哀しくなったり)圧倒されるほど。
同年代なので、その選び取っていく迷い、決意その姿に考えさせられる。
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女性が上京して自立していく様を描いたお話。主人公・蓮井紗耶加が冒頭感じていた「閉じ込められてる感」は何と無く覚えがあるような気がした。
カメラマンとして成長していく後半は、辻村深月の氷のくじらと重ねてしまったかなぁ…。
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携帯ショップで働く紗耶加は、変わり映えのない毎日にも、閉塞感のある田舎にも、どこかすれ違う彼氏にも少し、息苦しさを感じていた。
思い切って彼氏と別れ飛び出した東京で、少しずつやりたいことを見つけ、ついにはフォトグラファーの座を手に入れた。
どこか友だちの話を聞いているような、そんな身近な感じです。
やりたいことが見つからない焦りや不安、
好きな人と上手くいかないイライラ、
好きなものを見つけてひたむきに頑張るところ、
等身大な日常が描かれており、ところどころリアルで、わかる、と思うところが多々あります。
一方で、誰の立場に立って物語を見るかによっても見え方が違ってくると思うのですが、主人公が彼氏に対して感じるような、どこかしっくりこないような違和感も同時に感じ、もやもやとした気持ちと共感する気持ちが交差していた気がします。
フォトグラファーになった彼女。
彼女が撮った写真が見てみたい。きっと素敵な写真だったのだろうと想像します。
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田舎を脱出して都会に住み、いろいろな人に出会い、10年という歳月をかけて成長をする物語。なぜか、この作品は島本理生のような雰囲気が漂っており、不思議な気持ちになった。田舎から都会に出る事により、1人の女性が強く、そして逞しく生きる姿はかっこよさを感じる。恋愛より自分の人生を選ぶところもかっこよさを感じた。こんな風に生きれるってのは憧れる。
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人の優しさや距離感、自分の気持ちを言葉にして冷静に相手に伝える事の大切さ、自分の問題を恋愛相手に背負わせない事の大切さを、自分の心に恥ない生き方などを主人公の成長と共に考えた。私はこの作者の良しとしているものが好きなのだなあと、作品を読むごとに思う。
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飛鳥井さんの作品やなあ。
蓮井紗耶加の25-35歳の話。自分でもいいとは思わないのにやめられない恋愛の感じとか、仲の良い友達にもらった言葉とか。共感するところがちょこちょこあった。
読み終わった後は、清々しい気分に。