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商品説明
高学費、奨学金という名の借金、バイト・就活漬けの日々…。学生生活はなぜここまで破壊されてしまったのか? 35歳、年収80万円、奨学金による借金635万円の大学非常勤講師が、大学無償化の思想や奨学金問題を論じる。〔「奨学金なんかこわくない!」(2020年刊)に改題〕【「TRC MARC」の商品解説】
賽銭箱に100円玉投げたら、つり銭でてくる人生がいい」。これは長渕剛の名曲「RUN」の一節だ。大学について、これほど的確にいいあらわしたことばはない。わたしはもう大学をでて五年になるが、おもっていることはただひとつだ。カネを返せ。
おさないころから大学にいけば幸せになれるといわれ、そうかとおもっていってみれば、とんでもない授業料を請求される。しかも、学部四年かよってみてもぜんぜん幸せにならない。それではとおもい、大学院にもいってみたところ、状況はさらにひどくなる。さらに、カネがないなら奨学金があるよといわれ、もらってみればじつのところ、多額の借金。いまや635万円にふくれあがってしまった。カネ、カネ、カネ。地獄である。きっと、これはわたしのような院卒ばかりでなく、おおくの卒業生にもいえることだろう。
ほんらい、大学とは幸せの賽銭箱みたいなものである。幸せをねがい、あればカネを投じるし、なければ両手をあわせて祈ればいい。仏はひとを差別しないし、見返りも期待しない。カネを投じたひとにも、両手をあわせたひとにも、なにもしなかったひとにも、つり銭がでてくるはずだ。そして、ひとの幸せに尺度はない。恋がしたい、酒がのみたい、おいしいものが食べたい、本がよみたい、おしゃべりがしたい。どんなことをねがってもいいわけだし、どんなねがいかたをしてもいいわけだ。幸せは、ふくらめばふくらむほどいい。大学には仏がいる。真実だ。
でも、いまの大学は、「社会に役だつ人生」「役所や企業でのしあがる人生」だけが幸せなんだとウソをつき、大金をむしりとって、やれ就職だ、やれはたらけと、みんなを地獄におもむくように駆りたてている。まるで、仏ではなく、強欲な生臭坊主がいるみたいだ。どうしたらいいか。ヤッツケルしかない。本書では、そのための武器として「学生に賃金を」ということばを提示した。これほどまでの高学費は、なにを意味するのか。学生を借金漬けにすることで、だれが得をしているのか。そんな問いをひとつひとつ考えながら、まずはカネを返してもらうところからはじめよう。(くりはら・やすし)【商品解説】
著者紹介
栗原 康
- 略歴
- 〈栗原康〉1979年埼玉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程満期退学。東北芸術工科大学非常勤講師。専門はアナキズム研究。著書に「G8サミット体制とはなにか」「大杉栄伝」など。
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