賢者の愛

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うわーと零しながら読み上げてしまった、そんな本。山田詠美っぽすぎる、それはとても悪い意味で。好みじゃなかった。昼ドラみたいな下品な物語にしか感じられなかったわたしは、彼女に言わせたら低俗でなんてつまらないのでしょうと嘲笑されそうだが。
大好きな父親と幼い頃から恋心を寄せていた近所のお兄さんを親友のユリにすべて文字通り寝取られた真由子の復讐劇、まとめるならば。ユリと夫の諒一の間に出来た息子、ナオミを、調教し、それを真由子は生きる歓びとしていたのだが、、、ラストのユリが、一枚も二枚も上手な感じが恐ろしすぎた。直巳のことあげるから、ちょうだいちょうだい、マユちゃんの人生まるごとちょうだい。あー怖。ラストは辛辣。もうちょっとなんとかならなかったのかしら、と生意気ながら感じた。

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初恋の男と父親を親友に奪われた女のお話。親友の息子を心も体も奴隷のように調教していく様は正に狂気。奪う女のゾッとする切なさ。ドロッドロッの物語はおぞましくも哀しい。ぜひ映像化してほしい。一気読み。

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内容紹介
父と初恋の人を奪った親友。その息子に「直巳」と名付けた日から復讐が始まった――。山田詠美が『痴人の愛』に挑む絢爛豪華な愛憎劇。
内容（「BOOK」データベースより）
初恋の人を奪った親友の息子に、『痴人の愛』から「直巳」と名付けた真由子。22歳年下の直巳を手塩に掛けて“調教”し―。憧れ、嫉妬、そして復讐。谷崎潤一郎賞作家がおくる、絢爛豪華な愛憎劇がここに!

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賢者の愛って谷崎の”痴人の愛”のオマージュ？だったのね。
尊敬する父親と初恋の諒一を親友、百合（どんだけ魔性の女？）盗られた真由子が、詠美姉さんにダブって見えた。

何歳も年下の百合の息子”直己”と真由子の会話がねぇ。
すっごい山田詠美そのものだった。
ラストは衝撃的。まぁ天罰なんだろうか。

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いつもの山田さんのよりちょっとエロスな作品だったかな。でもちっとも下品でなく洒脱というのかな。安定の文章の素晴らしさ、思考のぶれなさ。ラストの一行がすごく好きです。

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自分を愛してくれた父親と、初恋の人を奪われた親友に復讐するお話。
その復讐の仕方がすごく怖い。
初恋の人と結婚した親友が生んだ男の子を、オスとして自分好みに調教し、
心身ともに自分なしでは生きて行けないように育て上げるのです。
ひゃ〜！こんな恐ろしいことある？母親にとっては地獄の苦しみでしょう。
まぁ、父と恋人の奪われ方も、女の武器を恥ずかしげもなく使ったひどいやり方だったから、
目には目をってやつですね。

"今日、直巳は二十三になりました。そして真由子は、じきに四十五歳の誕生日
を迎えます。時のたつのは速いものだ、と彼女は深い溜息をついてしまいますが
まだ少しもこの可愛い年下の男に飽いてはいないのでした"

冒頭のたった３センテンスで、主人公の女が年下の男を
玩具のように弄ぶ関係性が明らかに。上手いですねぇ。
どす黒い沼にずぶずぶ沈んで行く感覚。でもなぜか止められなくていっき読み。
「籠の鳥」を育てた真由子だったが、皮肉にも自分自身が「籠の鳥」になるという、
アイロニックなエンディングが最高！
これ、谷崎潤一郎「痴人の愛」のオマージュらしいです。
とても気になるので、ぜひ読み比べてみたい。

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直巳と真由子のお話。
22歳年下の直巳を手塩に掛けて調教する真由子。
絢爛豪華な愛憎劇。
性描写が多い…。

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気になった本。痴人の愛をなぞっていて、文章もとても甘美な印象でした。主人公、真由子と友人の百合。一見、真由子が悪女なのかと思いましたが、本当の悪魔の顔を持つ百合の存在は、読んでいて鳥肌でした。

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痴人の愛を下敷きに、直己という少年を調教する親世代の女性真由子をえがきます。
調教という言葉では言い尽くせていないけど、教育じゃないし飼育でもなくて、何だろう？
イライザや紫の上が、世間に認められる理想の女性像を目指して育てられたのに対して、直己は「ヴェルレーヌを読む土方」に育てられるのだから、世間の評価より真由子の美意識が絶対です。
真由子に手なずけられた直己は幸せそうで、大人になっても我から真由子に付き従っています。
淫行条例にも抵触せず、本人同士が幸せで、社会に害をなさないなら、痴人だろうが賢者だろうが、余人（親も）干渉できません。干渉できない愛の中に、かつて自分を裏切った男女を親とする息子を取りこむのが、真由子の復讐。
一度は成立した復讐だけど、作者はラストに事件を用意しています。
登場人物の誰が幸せで誰が不幸なのか、読む人によって違う感想を持つだろうと思いますが、女は過去をこじらせるが、男は脳天気だなあというのが私の感想です。

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初読。図書館。百合子は下品でコワイし、徹底的に小説家であるリョウ兄さまはつまらない。やはり真由子と直巳は山田詠美さんの世界の住人で、とても魅力的。久しぶりのエイミーワールドを堪能した。真由子の父親も結構よかったな。ラストはちょっと意外というか、期待外れというか、ま、でも仕方ないか。こういう話のラストって難しいものだしな。

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自分の好きなタイプの本ではない。世界がかけ離れすぎているし極めて女性目線で理解が難しい。
次第に暴かれていくちょうだいこちゃんの姿は面白かった。

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　父親と初恋の男を奪った親友―百合子。その親友の息子に「直巳」という名前を付けた女―真由子。その日から真由子の復讐――22歳年下の直巳を自分の好みに調教してゆく――が始まる。

　真由子と直巳の世界は極めて俗物ながらも読ませる作品だ。百合子のキャラクターには虫唾が走る。

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久しぶりに山田詠美さんの本を読みました。

あらすじは省くとして…
ところどころ、何気ない表現に震えました。
特に諒兄さまが百合を「めんどくさい」と表現した部分は私的にとても圧巻でした。
普段気付いていても、うまく言葉にすることのできない溝をいとも簡単に、山田詠美さんは埋めてしまいました。

そして真由子は永遠に百合に勝つことはできないのだとも感じました。
いますよね、百合みたいな女性(苦笑)

全体的にすごくよかったのですが、わたし的にラストが尻窄みと言うか、予想外だったのですが、期待するほどの衝撃を得られなかったので、星は４です。

この物語は、男性には理解しがたい、女性だけがわかるのではないかと思いました。

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真由子と直巳の物語と思いきや、
真由子と百合の怨念合戦。
表現力は流石で文学って感じだけど
イヤミスに近い、読後感。