紙の本
新鮮な発見がたくさん
2016/10/28 11:06
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投稿者:390 - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画やドラマの脚本はこんな風に出来ていたのか…と新鮮な発見がたくさん。脚本や物語に携わらずとも十分に面白い。いやむしろ、携わったことのない、ピュアな「ドラマ好き/映画好き」こそ読むべき1冊なのかも。何気なく見てきた映画やドラマ、この本を足がかりに改めて見てみたい。
紙の本
カウンセリングのようだ
2018/12/16 00:28
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投稿者:いと - この投稿者のレビュー一覧を見る
まずスクリプトドクターという職業を知らなかったので驚いた。
嫌いな人、ムカつく人を主人公にするというのが面白い。そういう人について考えることは、ストーリーを作る人でなくても、自分と向き合えたり、相手にも寛容になれたり、視野が広がるような気がする。
脚本家、スプリクトドクターの仕事の苦労も知れて興味深かった。
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めっちゃ面白かった。脚本を書く予定はありませんが(笑)、あちこち創作全般に対してタメになる情報がいっぱいでした。新しい視点が増えた感じ。単純に映画観るのが好きな人も、脚本の考え方などなどが見えてきて、また違った楽しみ方が増えるんじゃないかな。
物語を創り出す全ての人に向けた指南書です。
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ライムスター宇多丸さんのラジオ経由で三宅さんの存在(およびスクリプトドクターとは何か)を知ったけど、この方は本当に多彩で話が非常に面白い。もちろん本も超絶面白かった。どうやったら良い脚本が出来るのか、という内容かと思いきや、どうやったら良い物語が紡げるのか、という内容が主となっており、物語を書きたいと思っている人は必読の内容だと思った。
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あなたならではの経験からくる想いや感情の動きを理解したら、今度はシナリオの主人公に仮託し、彼や彼女を限界まで追い込んでみて下さい
他者認識(キャラクター)だけを辿ろうとせず、自己認識(パーソナリティ)に着目することで、新たな展開を生み出せたり、人物が隠し持っていた要素を発見しやすくなる
殻を破る瞬間
殻を作るのは、「未精算の過去」
社会的な仮面と未精算の過去
殻を破れるのは自分自身
中心軌道
抽象化 設定の具体性やキャラクターの固有性をはぎとって芯の部分のみを抜き出していく
主人公と敵対者、あるいは環境などの関係性をX.Y.Zの3つに絞る
旅人の鞄
逆バコ起こしで構成力を身につける
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朝日新聞の書評で紹介されており、他人の原稿を直すという点において同じ仕事をしているため、参考になるかと思い、読んだが、やはり映画の脚本と、原稿は違うなあ、というのが感想。ただ他人の原稿を直すという作業は、気を使うという点においては同じかも。映画業界、映像の仕事に興味がある人にとっては、面白い業界話がのぞげて面白いかも。
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この「スクリプト・ドクター」なるものが日本でもっと受け入れられれば、今一つの邦画(ドラマ)も少なくなるのではないかと思うけれど、きっと無理だろうなと思う。
それが日本らしさというか。
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印象的な箇所のまとめ。
・あなたらしい作品を描きなさいと脚本教室の講師は言う。そこで自分のあたりさわりない日常を描いても、コンクールで落ちる。
・あなたらしい作品とは何か。それは、プロの真似をしないこと。あなた独自の社会の見方を提示すること。
・あなたには、たくさんの好きなこと、嫌いなことがある。これはあなたが毎日他人を評価し、ジャッジしているということ。あなたの判断基準、評価基準はあなた独自のものである。
・ありのままのあなたを作品化するためには、貴方の心のブレーキを外す必要がある。
・多くの作品の主人公もまた、最初はブレーキがある状態で登場する。様々な障害と対決する課程で、主人公の心のブレーキが外れ、本来の自身の能力を発揮するようになる。主人公の変化が、ドラマになる。
・あなたの作品の主人公は、あまり変化しない。変化したとしても、厳しい障害を乗り越えて変化したわけではない。ただなんとなく変わっただけとか、説得力がない。これではコンクールで受からない。
・無難な人物を主人公にしない。興味が持てない人物は、魅力的に描けない。
・脚本家のあなたが「不愉快に感じる人物(嫌いな人物)」は、あなたの倫理観において「認めていない人物」である。ムカムカしたりイライラする。あいつだけは許せないと、気になって仕方がないはず。実はこういう感覚も「共感している」と言える。
・主人公を追い込むのが辛いなら、自分の嫌いな人物を主人公にする。
・誰かを嫌いなのは、その人に対して「もっとこうしてほしい」という想いがあるから。
・主人公に次々と障害をぶつける。主人公が障害を乗り越える過程で、主人公の状況、考え方、習慣行動が変わる。
・先行作品を手本にする。ジャンルやストーリーではなく、中心人物の関係性、パワーバランス、中心軌道をまねる。具体的には、脚本の要素を抽象化して、数式のように定義する。
・中心軌道とは、脚本を貫く葛藤の流れである。主人公Xが敵役Yや物体Zを前にして、葛藤する。関係性が変化する。その流れが中心軌道。
・異なるジャンルの作品でも、中心軌道が似ている場合はある。
・脚本のクライマックスとは、葛藤の最終解決行動である。
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抽象化された脚本はプログラム(スクリプト)言語化可能かもしれない。シナリオ変更に応じて影響範囲を探索できる、とか、そんなツールの開発したら面白そう。
本書の内容は実に懇切丁寧であり「窓辺系」というネーミングも、初っ端のつかみの4タイプも小気味良い。いわゆるハリウッド映画的な作品ならこの通りに進めていけば、ある程度の熱意と才能があれば出来そうな気がする。
と同時に、こういったメソッドに当てはまらない驚くべき才能も見たいというのが消費者のワガママなのである。
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脚本を分析するための道具をいろいろと与えてくれるユニークな本。脚本だけではなく、「ストーリー」というものの構造を学べる。
・クライマックス=殻を破る瞬間。殻=未精算の過去。
・中心軌道を抜き出し、葛藤を簡略化する。主人公と敵対者、あるいは環境などとの関係性を「X、Y、Z」の3つに絞る。
・映画を見てシーンごとのストーリーの流れを書き起こす(逆バコ起こし)。どういう状況で、誰が何をして、どのように人物の関係性や展開が変わっていくのか。「構成に関する作劇」を学ぶことが出来る。
とくに「中心軌道」のところがおもしろかった。
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本を好きな人なら、誰でも一度は作家になってみたいと思ったことがあるんじゃないだろうか??
そんな気持ちで、手に取った本だったけど、脚本というものと文学は大きな隔たりがあるのだなぁという感想。
産みの苦しみがあるのは一緒だけれど。
文学の方が少しだけ自由かもしれないと思った。
共通する学びはあった。
主人公を追いこんで殻を破らせる瞬間が必要、とかその後にクライマックスが来る、とかその際に、主人公の「内的葛藤」を具体的な行動に移させないと最近多い窓際系の話になってしまうこと、殻が作り出されるシーンを予め見せておくこと、既存の物語の枠組みを起こす逆バコ作りで構成力を磨けなど。
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同一構造の引用や再利用はハリウッドでは昔から繰り返されてきたアプローチです。いえ、ハリウッドに限ったことではありません。日本でも繰り返されています。プロなら大なり小なり皆やっていることですし、ぼくも授業で生徒たちに勧めています。
ところが、一部のアマチュア作家は、この「過去作品からの引用」を極端に嫌う傾向があります。「世界で初めての、誰も書いたことがない物語を書いてやる!」と息巻いたり、「安易な方法は取りたくない!」と力むのはいいんですが、そこにはいくつかの誤解があるように感じます。
そもそも「構造」と「物語」はイコールではありません。まったく別のものです。構造を引用したからといって同じ物語になるとは限りませんし、構造を引用した程度で、そう簡単に同等の面白い脚本が書けると思ったら大間違いです。
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最初の方は心理学とか自己啓発に近い内容がずっと続くので、脚本の本だと思って読み始めるとちょっと面倒。でも理詰めで脚本作ろうと思ったら確かに人や自分の心理と理詰めで向き合わないといけないのでこのくらいの文章量にはなるんだろうなとも思う。でもめんどい。あと当然のように「往年の名作」的な映画を例題に挙げて話が進むんだけど個人的に違う畑で育ったので挙げられた映画が殆どわからなかった。
とはいえ参考になるtipsは相当多い。今度中級も買ってみようと思う。
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冒頭で、「アマチュアが書いた脚本を読んでいると、同じ人が書いたの?と思うほどソックリな作品と出会うことがある」として、3つのパターンを挙げておられたのを本屋で立ち読みし、そういう「類型パターン」の話が大好きなので、続きが読みたくて手にとりました。
この方の言う「窓辺系」が日本映画にはすごく多い気がするのですが(「かもめ食堂」みたいなやつ。私はハッキリ言って嫌いです)、そういう類のものが日本映画に多い理由が、なんとなくですが分かったような気がします。
あと、別のパターンで、「陸幕」という言葉をやたら使う軍事オタクな方が書いたもの(著者は「陸幕系」と呼んでいましたが)も、個人的には非常に興味深いです。いるかもとは思うけど、そんなに多いのか、という感じです。
前半の、実際に著者が出会った生徒の例を挙げて展開する部分は初心者向け心理学教室の授業みたいでやや退屈でしたが、後半はおもしろかったです。
「スクリプトドクター」というタイトルには、読む前は懐疑的でしたが、確かにドクターと名乗っていいと思いました。著者の、あくまでも黒子に徹するスタンス、製作の方々が論理的客観的になれるように手伝いながら、心理学的なアプローチで配慮する手法には非常に共感しました。
続編も読んでみたいです。
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過去の読書会の課題本。まえがきに登場する「四タイプ」は、深夜アニメや自主制作映画などのありがちパターンそのもので、思わず笑ってしまった。邦画に自分探しをするOLみたいな話がやたらに多い理由もなんとなく解った気がする。そして、脚本の書き方についての話は、そんな「自分探しストーリー」を好んで書く人向けの話題に集中していて、あまりピンと来るモノがなかった。しかし、中盤の3・4章あたりは「脚本家は映画をどう分析的に見ているか」というテーマなので「映画の別の楽しみ方」を学べて面白い。