不良在庫は宝の山 （マイナビ新書）

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読みやすさ　　：★★★★★（とても読みやすい）
分かりやすさ　：★★★★★（とても分かりやすい）
内容の充実度　：★★★★★（大満足）
全体のまとまり：★★★★★（よくまとまっている）
費用対効果　　：★★★★★（買って読む価値がある）
読後感　　　　：★★★★★（モチベーションがあがる）

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　今回の本は、登録している本が好き様経由で著書の竹内さまから指名献本です。ありがとうございます。

　不良在庫と言っても、それが永遠の不良在庫かどうかは分からない。その時はまだ耳朶の先を行き過ぎていただけかもしれないし、単に売り方の問題だけで切り口を変えればあら不思議こんなに売れすぎて困っちゃうとなるかもしれない。

　あの「飲んでシミを治そう」というキャッチフレーズで有名な「ハイチオールC」は、もともと「二日酔いに効くクスリ」として中高年男性向けに発売されたものだった。意外な事実に驚いたが、最初のターゲットだけでは売り上げもたかが知れているので、思い切ってイメージチェンジしたそうだ。成分の中にシミやソバカスに効く成分が入っていたことから女性向けに変えたところ、大成功を収めた。何が幸いするか分からない。

　商品名を変えてヒットしたものの例としてレナウンが発売している抗菌防臭加工靴下「通勤快足」という靴下が挙がっている。もともと「フレッシュライフ」という名前で売っていて最初こそヒットしたが長続きせず一発芸人のようになる可能性があった。そこで、名前を「通勤快足」に変えるとロングセラーになった。「フレッシュライフ」なんて洗剤か消臭剤かと思ってしまう。いくらいい製品でもネーミングを間違えると大変だ。

　著者は「本当のビジネスは宝の山に変えたあとに始まる」と述べている。ヒットしたラそこでイノベーションの足を止めることなくさらに進化(あるいは深化)させてロングセラーを狙うぐらいでないと危ない。少し見方を変えるだけで「不良在庫」が「優良在庫」の山に華麗な変身を遂げる可能性を秘めていることがわかる一冊だ。