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商品説明
両親を強制収容所で亡くし、戦後も死者の声を担い続けた詩人ツェラン。彼の問いを、現代ドイツを代表する画家・キーファーはなぜ、絵画の形で引き継いだのか。2人の創作における関わりから戦争の記憶を浮かび上がらせる評論。【「TRC MARC」の商品解説】
アウシュヴィッツの死者の代訴者といわれるツェランと、ナチスのイメージを呼び起こす作品で物議を醸したキーファー。ユダヤ性とドイツ性、被害と加害と対照的な二人の作品の間には、実は深いつながりがある。キーファーにはツェランの詩をテーマにした連作があり、歴史との対話をいま現在も続けている。これまで語られてこなかった二人の知られざる関係を浮かび上がらせ、戦争の記憶を問う。【商品解説】
目次
- 第一章 「死のフーガ」と灰の花――キーファーのなかのツェラン
- 第二章 「ボヘミアは海辺にある」――バッハマンをめぐるツェランとキーファー
- インテルメッツォⅠ 「夜の茎」と「花」
- 第三章 変転する水晶――シュティフターをめぐるツェランとキーファー
- 第四章 白鳥の叫びからヴァーグナーの響きへ――キーファーのなかのヴァーグナー
- インテルメッツォⅡ ツェランと音楽
- 第五章 ライン川とニーベルンゲン――反ユダヤ主義との闘い
- インテルメッツォⅢ 羊歯の秘密
- 第六章 《息の結晶》――ジゼル・ツェラン=レトランジュ
- 第七章 映画を観るツェラン――あるいはアウシュヴィッツの表象不可能性
著者紹介
関口 裕昭
- 略歴
- 〈関口裕昭〉1964年大阪府生まれ。明治大学教授。専門は近現代ドイツ抒情詩、ドイツ・ユダヤ文学、比較文学。「パウル・ツェランへの旅」でオーストリア文学会賞を受賞。
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創造の現場へ
2015/12/09 00:23
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投稿者:tekogiboat - この投稿者のレビュー一覧を見る
先行研究の解釈を十分に踏まえつつ、手紙、ツェランの蔵書に引かれた線や書き込み、雑誌のインタヴュー、著者が実際に訪れた場所の印象や対話した内容、そうした直接的なことを中心的な手がかりに作品同士を往復し、一つひとつの作品に対峙してゆく。
おかげで読者もツェランの生きた姿、キーファーの葛藤を間近で感じ、知り得ない起きてしまったことにともに立ち返り、どうにかしようと探し求める道を辿ることになる。
その過程でツェランとキーファーが影響を受けたり親しんだ作品がふんだんに紹介されているのも本書の大きな魅力だ。
読後は思いの外、安息を得られた。それはたどり着いた場所にも関係するが、何よりも彼らが制作にかけた強さにこそ絶望や不可能を越える力を見たからかもしれない。