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商品説明
【グルントヴィ賞(2013年)】教育思想家・教会改革者・詩人と位置づけられていたグルントヴィは「自由と平等の闘士」であった! 現代デンマークを代表する知識人である著者が、グルントヴィを政治思想家として捉えた書。グルントヴィの講演記録も掲載。【「TRC MARC」の商品解説】
デンマークの教育改革者・思想家グルントヴィについては、戦前から日本にも紹介はされていたが、近年では拙著『新版 生のための学校』(新評論、一九九七年)やハル・コック著『グルントヴィ』(小池直人訳、風媒社、二○○七年)などによって、より詳しくその重要性が認識されるようになった。しかしその場合も、彼のアイディアによるフォルケホイスコーレ(民衆の高等教育学校)運動を中心とした教育への貢献が主に語られた。それ以外では、デンマーク文学史における詩の業績が言及されるくらいである。これは本国においても同様で、グルントヴィは何よりも詩人、教育思想家、歴史家、教会改革者であるという位置づけがなされてきた。
現代デンマークを代表する知識人の一人であるオヴェ・コースゴーは、グルントヴィのこれまであまり顧みられなかった面に光をあてている。本書はつまり、彼を「政治思想家」として捉えたものである。たしかにいわれてみれば当然のことで、近代デンマークの国民・国家形成はグルントヴィと彼の影響を受けた人々、とくにホイスコーレ運動に参加した知識人、民衆によってなされた事業である。
グルントヴィは、体系的なドイツ観念論思想に大いに学びながらも、それを批判するために、あえて体系的な思想を構築しなかった。その意味ではポストモダンな思想家である。こうしたグルントヴィの多様なテキストを渉猟し、あちこちに散らばって示されている彼の政治思想を整理した上で、明快にまとめ上げるその技量はコースゴーならではといえる。しかも恣意的な解釈でないことを示すために、第二部にはグルントヴィ自身のテキストも収載している。これを読めば、デンマークがなぜ今日のような民主的な国家となったかの理由の一端がわかるだろう。(しみず・みつる)【商品解説】
著者紹介
オヴェ・コースゴー
- 略歴
- 〈オヴェ・コースゴー〉1942年デンマーク生まれ。フリーレーラースコーレ(自由教育大学)卒業。オーフス大学名誉教授。研究対象はホイスコーレの歴史、デンマーク独自の体育(イドラット)史など。
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