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投稿者:あおたいがー - この投稿者のレビュー一覧を見る
感動した。
虐待といっていいほどの厳しい躾をしていたおばあさんの、その奥にあった深く優しい愛に、ミーコが自分の宝であるチーコを経て気付くことに切なさと愛を感じた。
虐待のひどさに家を出て絶縁し、彼女の死も墓に刻まれた名で知ると言うのが本当に哀しいし、生前にわかりあえていたなら、と思うけれど、おばあさんはそれでもきっとずっと恨まれていてもミーコを愛していたんだろう。
ミーコのまわりにいい人がいて良かった。
紙の本
ほっこり
2016/05/01 18:19
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投稿者:パンダ - この投稿者のレビュー一覧を見る
森沢明夫さんの作品は、いつも心がほっこりして終わるので大好きです。ただ、森沢さんの作品を立て続けに読んだせいか、わざとなのか、情景の比喩や、登場人物の表現などが同じなのが気になりました。
これからも、ほっこりする作品を楽しみにしています。
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それはもう予感していたものだった。涙腺の元栓は確かに閉めたはず、でも無理だった。心の底から突き上げる涙の水圧にとても耐えられるものではなかった。僕は文部科学省に提言したい。これこそが真の教育本であると。重松作品の様な暖かい台詞回し、間合い、息づかい、情景描写が読者の心を優しく包み込んでくれる。所々散りばめられた心に染みる言葉も胸を強烈にエグる。誰もが持っている心の宝箱。毎日小さな宝物を見つけ、その積み重ねが人の心を豊かにそして強くする。幸せとは?の問いの答えがこの本にある。
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途中、悲しい内容が辛くても、森沢さんの作品には愛が沢山詰まっているから、いつも光を感じながら読み進められる。そして必ず最後には温かくスッキリした気分に…。今回もそれをずっと感じながら読めた。誰だって沢山の宝を見つけられるのか…素敵です
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ミーコだけでなく祖父母やチーコ、
ミーコの友人や男友達など何人もの
視点から描かれているわけですが、
結果としては、それがこの作品の
弱点すべてに関わっているような
気がします。
あんなに愛あふれる祖父母とミーコが
なぜ、どこで離れ離れになったのでしょう。
それこそが、その後のミーコの人生を
大きく左右したものだとは、読めばわかり
ますし、チーコを愛してやまないミーコの
母としての生き方は、祖父母との暮らしが
なくてはあり得なかったものでしょう。
そんなミーコを育んだバックボーン自体が
きちんと描かれていないのですね。
どのエピソードを読んでいても、肝心な
ところが欠けているために、必然性をもって
迫っては来ませんでした。
祖父母との別れがどのようなものだったか、
どこかで描かれていない限り、この物語は
始まりもしないし終わりもしていない。
そんなうやむやな筋運びで、すべては断片の
羅列に終わった感があります。
唐突に「虹の岬の喫茶店」との関わりを
匂わせたりするサービスは他の作品にも
見られましたが、もう飽き飽きして鼻白む
思いでした。
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今までとちょっと雰囲気が違います。
風俗で働くシングルマザーのミーコを主人公にした物語。
ミーコはマグダラのマリアのようです。働きは卑しいけど心は気高く、周りの傷ついた人たちを癒して行く心温まる物語。
でもなんかしっくりこないのです。
一つはミーコを育てた祖父母の関係です。何故ミーコはそこまでかたくなに関係を断ち切ったのか。他の人との関わり方を考えたとき違和感が湧きます。
もう一つはミーコの葛藤がさらりと流されすぎた感じです。その結果、深みやリアリティーが不足している気がします。もしこの物語を重松さんが書いたら、もっと重苦しくて、その中に薄っすらとだけど確かな光を感じるような書き方になるのだろうと思います。もっとも重松さんだと重くなりすぎると思いますが。
光と影の物語なのですが、やや影の部分の描き方が不十分かと思います。しかしそれが森沢さんの良いところでもあり、それならばこのようなテーマ・主人公を選んだところが拙かったのかもしれません。
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いきなりハードシーンで、この物語はどこへ進むのか心配になったけど、そこはやはり森沢作品。感動の波で溺れそうになりました(笑)。祖父母との決別は描かれていませんが、随所に見られるミーコのトラウマ、老い先短かい祖父母が下した苦しい決断を考えると想像に難くない。でも最後の最後で厚い氷が解けていく様にほっと胸を撫で下ろした。おかげで森沢作品の中でもお気に入りの一冊となりました。おススメ。そして最後にミーコとチーコが幸せでありますようにと願ってやまない!!
あらすじ(裏表紙より)
ミーコは、風俗と福祉の仕事を両立しながら娘のチーコを育てるシングルマザーだ。幼い頃に両親に見捨てられ、躾の厳しい祖母との関係に苦しんだ過去を持つ。苦労の絶えないミーコだが、彼女の特技は、毎日一つ、小さく光る宝物を見つけること。ミーコの宝箱に入っている、一番大切な宝物とは…。一人の女性の半生を通して、母と子、人と人の絆を温かく描き出す。
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「ありがとうの手」私の手もそうでありたいと思った。
言葉の1つ1つが心に届く。
最後の文章に2人の名前が入っていて、幸せが続くように感じました。
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心にぐっとくる言葉が色んなところに散りばめられている。「ありがとうの手」「宝物を見つける目」素敵だなぁ。物語の始まりにえっ!?と思ったけど…やっぱりいい話でした。
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森沢さんの作品では、☆3つは低いとこだが、それでも最後は涙が出て来るくらい良い内容で…。後味が良い本はやはり良いな。
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一見したら、なんだか不幸の星の元に生まれた人。でも、置かれた場所から脱却しようと大きなアクションを起こすでもなく、ただそこで手に入れられる幸せを大切にしようとする姿が 無理をしすぎてなくて好き。
祖母の愛情の裏返しの虐待まがいのしつけは双方報われなくて嫌な感じだけれどら祖父の語り口の箇所はあたたかくて好き。
なんだかんだ言って、シーンごとに愛情をもらえている感じがよかった。
環境や周りに染まらず、まじめな芯を貫くってなかなかできないよなぁ…
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森沢明夫さんの本なので、読み始めてのですが…
主人公の職業に衝撃を受け、このまま読み進めようか?、どうしよう?と。
とりあえず、あと1章。
う~~ん、もう1章。
そうこうしているうちに読み終えました。
やっぱり森沢作品。
随所に心に響く言葉が散りばめられています。
「人って、生きていれば嫌なことが普通にたくさんあるでしょ?でも、目を鍛えると、嫌なことと同じか、それよりもちょっぴりだけ多く、幸せを見つけることができるの。」等々。
森沢作品には癒されます。
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幸せはどこにあるのか。誰しもが持っている人間の歪みの中でそのテーマを追っていく。幸福なクリスマスイヴの話。
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ミーコという一人の女性の半生を7人の人物が語る連作短編集。
ミーコにはモデルとなった女性がいるそうですが、ストーリーは完全な創作だそうです。
みんな、その年のクリスマスイブのミーコの話をします。
ミーコは両親がいなくて、祖父母に育てられ、シングルマザーになり風俗と介護の仕事をしている女性ですが、ミーコは皆から本当の愛情を得ていました。
そして、ミーコの方も、祖父に作ってもらった宝箱に、自分の大切なものをしまっています。
ミーコの愛すべきとても可愛らしい人柄がわかります。
ミーコ自身。
ミーコの祖父。
小学校の同級生。
中学の養護教諭。
ミーコと恋愛をした大学生。
ミーコの勤め先のオーナー。
26歳になったミーコの娘、チーコ。
がミーコについて、語ります。
どの話も、優しく愛情深いミーコの個性が際立ち、クリスマスには毎年、お汁粉を作るミーコの習慣がツボでした。
森沢語録
「ミーコの目は、毎日、小さな宝物を見つけるためについている」
「あんたの手は、人に「ありがとう」って言われるためにある。一生、ありがとうの手にしなさい」
「人は生きているだけで幸せ」
「人間の心は傷つけたくても傷つかないようにできている。傷つかないで磨かれるだけ」他。
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森沢明夫さん。昨年から読み始めた作家さん。
まだ今回で6冊目のビギナーですが、
私の中では、森沢さんの作風を言い表すと、ほっこり温かく、文中の言葉が心に響く。という印象。
こちらの作品は、先入観無く読んだのだけど、序盤で驚かされた。
主人公のミーコが風俗嬢で、なんとプレイの描写が描かれているのだ。
これは驚いた。
森沢さん、こんな物語を描くんだ・・・と。
ただ、読み進めると、この物語は温かく、そして強い絆で結ばれた母娘の話であることを知る。
主人公ミーコはシングルマザーで娘のチーコと2人暮らし。
元夫の借金を返済すべく、そしてチーコの将来の資金作りのため、風俗嬢として働き始める。
その人生は幼い頃から壮絶だ。
母親はミーコを産むと失踪し、父親は海外へ逃亡。
父親の両親である、祖父母に育てられる。
そのことで同級生からも虐げられる。
物語は、「現在」から、「過去」に遡り、終盤は「未来」へと時間軸が変わる。
視点も章によって、ミーコの「客」、ミーコの祖父、ミーコの小学校時代の同級生、ミーコの中学時代の教師、ミーコの上司、チーコ・・・
と書き手が代わり、ミーコの人生が少しずつ明かされていく。
そして、タイトルにもなっている「宝箱」。
少しずつその中の宝物が増えていく、その一つ一つのエピソードが温かい。
おじいちゃんとおばあちゃんが本当に素敵なんだよね。
宝箱を作ってくれた優しいおじいちゃん。
厳しいけど、ミーコに「ありがとうの手」を教えてくれたおばあちゃん。
ミーコとチーコの仲良し母娘の関係性も本当に良い。
ラストには胸がぎゅうっとしてしまう。
宝箱に込められた謎を知ったときもジーンとしました。
今回の勝手にキャスティング
ミーコ→安藤サクラちゃん
竜さん→伊藤英明さん
おじいちゃん→寺尾聰さん
おばあちゃん→草村礼子さん