紙の本
児童文学
2016/10/03 23:00
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投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
児童文学は大人が読んでも感じるものは多いです。
石井さんの本への愛が感じられてよかったです。
私は一冊一冊を石井さんほど何度も何度も読むことは少ないです。石井さんは本当に何度も読んだのでしょうね。何度も読むことで生まれるものもあるのでしょう。
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この本は、MOEでの連載をまとめたものです。『あの頃愛した本には、幼い日の記憶のかけらが詰まっていました』と言う石井ゆかりさん。この本には、懐かしい本、あの頃、読んだけど、忘れてしまった本、読んでみたい本が載っています!楽しくなる本を紹介しているように感じました。
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児童文学って、いくつになっても楽しめるんだなぁと
実感した。
紹介されている本は、読んだことがある本が多かった
けれども、読んでいないものは、読んでみたいと
思いました。
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著名人が好きな絵本を紹介する本は
いくつか読んだけれど、
散文になりがちなものが多かったように思う。
でも、さすが石井ゆかりさん。
個人的なのに普遍的、
人の集合意識まで届く
言葉のひとつひとつにノックアウト。
私もこんな文章をかける女性になりたい。
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子どもの頃に読んだ本をもう一度読んでみると
子どもの頃に思っていた内容と全然違っていたりして
なかなかに面白い♪
作者は、昔読んだ本を今度は大人目線で読み返し、
子ども頃にはわからなかった魅力を
あれこれ解説してくれています。
子どもの頃に読んだ本を
忘れた頃に読み返す一番の楽しみは、
とっくに忘れていたはずの、家の匂いや母との会話
好きだったおもちゃのことまで
あっという間に記憶が押し寄せてくること。
こんな風に、改めて本の魅力を語るのも楽しいけれど
子どもの頃に感じた、本を読み終わった時の感動や
物語の中に日常がすっぽりと入り込んでしまったような感覚をずっと忘れないでいたいと改めて思ったのでした。
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雑誌MOEで、筆者が2013年〜2015年まで連載話していたものまとめたもの。
絵本や、児童文学って、こんなにも奥深く、学びのあるものだったのですね。。
子供の世界を広げ、子供の考え方を成長させ、人としての「根っこ」を育てる本たち。
大人になって、それを読み直すと、今の自分の生活、性格、クセ、それらにもドンピシャで当てはまる。
大人になっても、大切なものたちなんですね。
ただ単に、絵本や児童文学の感想を共有するたけではなく、時に自分に照らし合わせ、そのストーリーの奥底にある意味を優しく表現できる筆者をさすがだなーと思いました。
私自身は、子を育てたことはありませんし、これからもできるかどうかは不明ですが、いま、子育てをしていらっしゃる方には、ぜひこの本を読んでいただき、子供と一緒にその本の素晴らしさに気づいてもらいたいなーと思いました。
子供とともに大人も成長する。そんなチャンスが巡ってくると思うから。
2017/1/9
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父を亡くした私にとって、以下の文章はとても心に響きました。
石井ゆかりさんの文章を読み、実際に「悲しい本」を手に取りました。いい出会いとなりました。
「悲しい本」
悲しみは、愛情の深さや心の清らかさから生まれます。
悲しみを忘れずに、ずっと悲しんでいたいのです。
悲しみという感情が、愛する人そのものと、ほとんど等価なのだと思います。
この本の中で、悲しみは悪者あつかいされていないのです。
悲しみを生きることが、私たちの人生においてどんなに貴重で重要かを、この本は私たちに確かめさせてくれます。
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今年はつらい年で、亡くなったと聞かされていて、実は生き別れていた実の父と、遠方に住んでいた義理の父(と私が思っていた方)とをふたり見送った年になった。そんなのは小説だけだと思っていたのに。まさに、義理の父が亡くなった、翌日にこれを書いている。
先日『十歳までに読んだ本』のレビューで、「今、おとなになった私が児童書を読んでいいか」と投げかけたところ、背中を押して下さったフォロワー様がいらして、この本を手にした。
葬儀を待つ、寂しいはずの夜に、この本があってよかった。静かで、興奮したところのない、でも親しげな語り口。
おとなになって、自分の中の子供と出会って、本を通して幸せにしていけるのは、その子を癒せる自分だけであること…。
子供の本を味わうことは、何の飾りもない。根っこの、本音の自分と一緒に、こころをほどくことで…楽しんだり、傷に包帯を巻いたりしていいということだと、やっぱり思った。
そう言えばうちには、『はてしない物語』がある。あの本の装丁の美しさ、活字と紙の好もしさ。読んでいないくせに、こっそりと古本処分の山の中から、私が抜いていたものだった。
昔、私が占い師の方に、一度だけ、雨宿りがてら占ってもらった時に「あなたは身体が弱いけれど、そのぶん幸運で人には恵まれる。自分を支える力もある。ただ、他人に恵まれる代わりに、肉親には縁がうすい。無条件に守ってくれるひとに縁が薄い」と言われたことがあった。
その時は、ふうん…と聞いていたが、こんなふうに、父とほとんど過ごせずに生きて、最後の時だけ二人ながら見送ることになると、その言葉が実感になってやってきた。
もう私に、お父さんと呼んで、慕えるひとは、どこにもいなくなった。可愛がってもらうことを夢想することも、できなくなった。
お父さん、と言う言葉が、急に質感のない、儚い言葉になった。
そんな夜。
この本を読み終えた時、なぜか悲しみも少し、棘を減らしてくれた気がする。
箱無しでうちにやってきた、『はてしない物語』を今夜は抱えて横になろう。
収録されていた『手袋を買いに』も私が大好きで買い求めたものだった。『小公女』も『アン・ブックス』も、幼い頃読んだものだった。
私はやっぱり、幼い頃から本に包まれ、それを守護天使の羽根にして、毎日をどうにか幸せな子供として生き抜いていたのだ。今ようやく、あの頃、父の腕や母の手に甘えて包まれ、安らげなかった分、本を通して私が私に再会して、笑いかけられるところに来た。
目次の『児童文学は大人になってから』のとおり、私の、失った子供の時間は今から始まる。それは、私にとって、遅くも早くもなく「今がいちばんぴったりだよ」と何かに囁かれている気がする。
出会いが、子供の時でも良い。
おとなになってからだって良い。
それぞれ、一人ずつ、最良の船出の時があり、再会のタイミングがあるらしい。あたたかなミルクティーを差し出されたように石井さんのことばが、胸を暖めてくれた。
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どうしても同じ本ばかり何度も読んでしまうという著者。
おっしゃるとおり、子どもも「お気に入りを繰り返し」が基本ですね。大人だって好きな曲は繰り返し聴いてしまうのと同じ感覚かな?
児童文学は大人になってから。で紹介されている本を読んでみたくなりました。
生活の中で矮小化した価値観を解き放ち、自分の本当の心に触れたいときには児童文学を読むに限る。なんて言われて、思わずその気になってしまいました。
最後に、この本の酒井駒子さんの表紙、とても好きだなぁ。読み終わって改めて眺めて見るとこの本の内容を良く表している。
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石ゆかりさんの絵本、児童文学のレビュー本のような、本にまつわるエッセイのような本。
こうした読書の道案内をたまに読むと既読のもの、未読のもの含めテンションが上がる。
そして未読、積ん読のものについては
「ああ、もっとあれもこれも読みたいのに、まだ読んでないなあ」
と残念に思い、既読のものに関しては、共感ポイントの多い本がある中で、
「ああ、全然石井さんのように読んでいない」
とがっかりするものもある。
それは、気持ちが読書に向かない中で急いで読んだ、記憶の薄い本たちである。
不思議なことに大人の本なら、そう言う読み方をしても結構覚えているものなのだけど、子供の本だけは、数より質。
作者が必要最低限の言葉で本気で書いている以上、読者も嘘をつけないのだ。
自分の心に染み入るような読み方をしないとダメなのだ。
それは、良き子供の本が、それだけ高級だという証。
だから石井さんのような優れた読み手のレビューは、読んだ時の自分の気持ちが、鈍感すぎたりささくれだってたりしていないかのバロメータになってくれる。
そして、ご本人も乱読よりは同じ本を繰り返し読むタイプとものされていたが、そのタイプの読み手は一様に書かれる文章が優しい。
コトコトとガス火で煮込むシチューのような、2Bの鉛筆で書く日記のような、手縫いのぬいぐるみのような具合。
ああ、なんか昨今騒がれてる社会的にすごそうな人たちに、憧れなくてももういいわ、私もコトコトシチューの人がいいわと思えます。だって、本来、私こっちの人だもん、と。
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著者の石井ゆかりさんの、「児童文学は、忘却によって隔てられた『大人の心』と『子どもの心』とのあいだに架かる、きらめく虹の橋のようにも思われます」の言葉に、ここ一年ほど、その魅力をひしひしと感じている私にとって、正にその通りだと思いました。
子どもから大人になったときには、これで良かったと思うこともありましたが、年齢を重ねていく内に、児童文学を読みたくなった理由は、おそらく、子どもから大人に変わったのではなくて、大人の私と子どもの頃の私が、今でも私の心に、対等に存在していることを、信じたかったからだと思っています。
それは、あんな頃もあったなではなくて、それらが全て積み重なっているから、今の私がいるのだということを。
そんな素敵な虹の橋を行き来するように、教えてくれることは、子どもの成長に必要な大切なことと、大人が読むことで、自分を省みるきっかけを与えてくれることの、主に二つです。
既に読んだ作品は、「はてしない物語」(文庫本ではダメな理由に納得)と「赤毛のアン」くらいで、他は未読の作品ばかりだったので、読みたい本が増え、私の中で、とても得るものが多かった気がします。
特に印象的だった作品を、以下、記載いたします。
完全には守りきれないところから生じる不安や悲しみ、苦しみに、子どもが自分自身で対抗できるよう、力を授けてくれる、「こいぬのくんくん」。
他人の評価や偏見も、ある種の幻想にすぎず、未来をあれこれ想像したり、人の意見に左右されたりすることは、ちっとも現実ではないことを教えてくれる、「あおい目のこねこ」。
夢と現実にギャップがあるからといって、夢を見ることに意味がないわけではないことを教えてくれる、「ちいさいねずみ」。
うまくいくかどうかで物事を判断するのではなく、大切なのは、その手段を選ぶ、今現在の自分の心(そこに軸が持てないならば、きっと何を選んでも後悔することになる)だと教えてくれる、「ニブルとたいせつなきのみ」。
大人の言うことを信じすぎてはいけないということは、子どもにとっても、大人にとっても、心安らぐ逃げ道となることを教えてくれる、「長くつ下のピッピ」。
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著者は同じ本をたいせつに何回も読むタイプ。
じっくりと、かみしめるように味わうのですね。
で、私は基本的に一度読んだ本は
読み返さないタイプなのでσ(^_^;)
けど、好きだった本の話をして
一緒に盛り上がりたいような気持ちで
この本を書いたというところに共感しました。
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大人になった今も 絵本が大好きで
本がますます大好きで。
同じ本を 何度も読み返すのも好きで
いまの自分で 感じとりかたがまた違って。
そんなことを思いながら
ミヒャエル・エンデや 新美南吉を
また読み返したいと思いました。
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読み聞かせは自分の子供たちにずいぶんして来たから、絵本には詳しいつもりだったけど、知らない絵本がたくさん。児童文学も読んだつもりで終わってしまっている気がする。選ばれた本たち、改めて是非読み直したい。
まどみちおさんの詩に震えた。
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表紙を見て感激!
酒井駒子さんの絵ではないか!
綺麗な水色で、丁寧に作られた感じが溢れていて、ずっと見ていたくなる。もう、完璧な装丁!
内容は児童書を紹介する本だが、割とよく紹介されている本ばかりだった。よく、「私、こんな変わり種も知ってるんですよ!」と言いたげな紹介本もあるが、そうでないところがとても好感が持てる。そして、一冊一冊、丁寧に、自分が子どもだった頃に出会って読んでいた事を書いていて、こちらも丁寧に読まなければと思わせてくれる。
有名だけど、そういえば読んでなかったなという本が沢山あったので、これを機に読んでみようと思う。子供の頃はほとんど本を読んでいなかったので、後悔の念もあるが、こういった本を初めて味わえる幸せも残されていると考えたらまぁ、良いというところもあるかな。