青藍の峠 幕末疾走録

文久元年。若者・弥吉は蘭学者の緒方洪庵が開いた適塾に潜入。折を見て「暗殺」することが彼の使命だったが、実際に洪庵の人柄に触れるうち、考えが変わっていき…。壮大な成長物語。『青春と読書』連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】

ある若者が、蘭学者・緒方洪庵の適塾の門を叩く。礼儀正しい態度の裏に、実は「暗殺」の使命を隠していて──。尊皇攘夷の時代に、正義のありようを模索する若者の姿を描く、熱量あふれる成長物語。


【商品解説】

弥吉は走る。正義とは何か、迷いながら――



時は文久一年。農家の次男坊・弥吉は、地元の河内村を出て、初めて大坂へ向かう。

目的は、蘭学者の緒方洪庵が運営する「適塾」に入門し、塾生のふりをして勉強しながら、洪庵の思想を見極めてゆくゆく「暗殺」すること――。

尊皇攘夷運動の一端を担っていた弥吉には、重大な使命があった。

しかし塾生として入門するはずが、手違いから下男として働くことになり、洪庵の人柄に触れるうちに少しずつ考えが変わっていく。

一方、田舎の村では、攘夷の急進派である「天誅組」に加わる村人たちの策謀がはじまっていた。弥吉は村人たちの挙兵を止めようと奔走するが――。

混乱の時代に、「正義」のありようを模索する若者の姿を描く、成長物語。

【本の内容】