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商品説明
殺し屋に家族全員を殺され、ただひとり生き残った少女は復讐を誓う。その男にたどり着く手がかりはタンゴとシェイクスピア…。圧倒的な切なさが胸を撃つノワール長篇。『小説トリッパー』掲載に大幅加筆し書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
タンゴにしか興味がない孤独な殺し屋<ハムレット>。
その男に両親と弟を殺され、一人生き残った少女、ヒロミ。
ブエノスアイレスに住む唯一の肉親である日系二世の祖父に引き取られた少女は、家族の復讐を果たすため、人の殺し方とタンゴの踊り方を覚えてゆく。
「あの男を殺して、人生の一部を取り戻す」。それだけが彼女の生きる目的となった。
やがて彼女は<ロミオ>と名乗る凄腕の美しい殺し屋に成長する。
アルゼンチン軍事政権時代の暗黒の歴史を絡めた血塗られた復讐劇はどこへ向かうのか?
全編にちりばめられたタンゴという音楽とシェイクスピア作品への深いオマージュ、破滅へとひた走る狂気のような疾走感、切なく痛ましい殺し屋としての宿命。
ピアソラの「タンゴ・ゼロ・アワー」を暗殺者のための音楽として崇める殺し屋ハムレット。
タンゴのステップを踏むように踊りながら殺す、いかれた女殺し屋ロミオ。
東京とブエノスアイレスを舞台に、ロミオとハムレットの壮絶な闘いが幕を開ける――。
読みはじめたら止まらない、圧巻のノンストップ・ジェットコースター小説!
美しく、激しく、そして息苦しいほどの切なさが胸を打つ、傑作ノワール長篇、誕生!
【本の内容】
著者紹介
中山 可穂
- 略歴
- 〈中山可穂〉1960年生まれ。早稲田大学教育学部英語英文科卒。93年「猫背の王子」でデビュー。95年「天使の骨」で朝日新人文学賞、2001年「白い薔薇の淵まで」で山本周五郎賞を受賞。
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書店員レビュー
丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2017年2月号より
書標(ほんのしるべ)さん
「ノワールを書きたいんです。少し狂った美しい女の殺し屋が主人公の」
著者がインタビューで、そう話しているのを読んだのは約2年前のことだ。楽しみに待っているうちにかなり期待値が上昇してしまったが、それを超えた読み応えある傑作が誕生した。
家族も友人もなく、タンゴだけを愛する冷徹な殺し屋。家族の命を残酷に奪われ、ただ一人生き残ってしまった美しい少女。殺し屋は1匹の猫のせいで運命を狂わせ、家族を失った理由を知った少女は、復讐のためだけに生きることを誓う。殺人者と被害者遺族として東京ですれ違った二人は、10年の時を経て、ブエノスアイレスで出会う。共に殺し屋という宿命を背負って…。
二人の主人公の孤独な魂が、究極の緊張感の中で、どうしようもなく響き合ってしまう。その繊細な心理描写が虚構を超えて胸に迫ってきた。情熱的な恋愛小説の書き手として知られる著者が、恋愛要素を封印して挑んだ作品であるが、読者を惹きつける美しさと激しさは、さらに研ぎ澄まされ迫力を増しているように思う。アルゼンチンの過酷な歴史、世代を超えた因縁、容赦ない殺人描写…。スピード感のある展開と緊迫感に助けられ一気に読み進んでしまうが、重厚で壮大な物語である。
新境地に立った著者が、次に生み出すのはどんな物語なのだろう?次回作(続編切望!)への期待で胸が苦しい。まずは、ピアソラの名曲「タンゴ・ゼロ・アワー」を聞きながら再読しなければ…。