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商品説明
パリで生れたぼくは、ママを失った後、パパと二人で生きてきた。大人になったぼくは、恋人と共に、パパたちの物語と自らの未来に向き合っていく。家族と愛をめぐる運命的な長編小説。『すばる』掲載を改題して単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
フランスで生まれたぼくはパパによって育てられた。パリのバスティーユ広場に近い場所に、ぼくらの家はあった。小説家であり、書道家でもあるパパは、ぼくのために毎日、料理を作り、家事をし、学校の送り迎えをしてくれた。
大学生になったときから、ぼくは実家を離れて一人暮らしをするようになり、今はパリの語学学校で教師をしている。70歳を超えたパパは実家で暮らしているが、時おり健忘症の徴候を示すようになっていた。パパは自分で出かけたのち、どこにいるのかが急にわからなくなることがあり、そんな時は電話がかかってくる。ぼくはその度に、パパを探してパリ中を駆けずり回った。
ぼくには、フランス人の父と中国人の母のもとに生まれた恋人がいる。だが、ぼくと彼女の始まりは、普通の恋人たちのそれとは違っていた。そこには、ぼくのパパの物語が深く関わっていた。ぼくはそのドラマと向き合いながら、自らの未来を見据えていく……。
フランスで子育てする著者が描く、家族と愛をめぐる運命的な長編小説。
【本の内容】
著者紹介
辻仁成
- 略歴
- 東京生まれ。1989年『ピアニシモ』ですばる文学賞を受賞して作家デビュー。97年『海峡の光』で芥川賞、99年『白仏』(仏語翻訳版)でフェミナ賞の外国小説賞を受賞。『日付変更線』『右岸』『まちがい』など著書多数。
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