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商品説明
21世紀日本は、なぜ、生活困窮者の公的救済に冷たく、異常なまでに「自己責任」を追及する社会となってしまったのか。奈良田原村に残る近世農村の家計を詳細にしるした「片岡家文書」を精緻に分析し、歴史的に考察する。【「TRC MARC」の商品解説】
江戸時代の農村は本当に貧しかったのか
奈良田原村に残る片岡家文書、その中に近世農村の家計をきわめて詳細にしるした記録が存在する。本書ではその世界史的にも貴重なデータを初めて精緻に分析し公開。そこから導かれる数々の発見は、これまでの近世観を根底から覆し、世界水準の研究とも連携した歴史学の新たな出発ともなるだろう。なぜ日本人は貧困についてかくも冷淡で、自己責任をよしとするのか。日本史像の刷新を試み、現代の問題意識に貫かれた渾身の歴史学。
「著者をして、『貧困と自己責任の近世日本史』と題する本書の執筆へと駆り立たしめているのは、現代日本社会に対する怒りである。二一世紀日本は、なぜ、かほどまでに生活困窮者の公的救済に冷たい社会となり、異常なまでに「自己責任」を追及する社会となってしまったのか。それを、近世日本の村社会を基点として、歴史的に考察してみよう、というのが本書を貫く問題意識である。」(本書より)【商品解説】
目次
- 序章
- 第一節 本書の問題意識
- 第二節 本書の視角と構成
- 第Ⅰ部 世帯経営から見つめる貧困
- 第一章 村の「貧困」「貧農」と近世日本史研究
- はじめに
- 第一節 「貧農」の基準、「困窮」の基準
- 第二節 反「貧農」「荒廃」史観の登場
- 第三節 生活水準と貧困研究の到達点
- おわりに
著者紹介
木下 光生
- 略歴
- 〈木下光生〉1973年生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。奈良大学文学部准教授。博士(文学)。専門は近世日本史。著書に「近世三昧聖と葬送文化」など。
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