紙の本
家族とは
2018/05/17 08:43
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投稿者:しんごろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み終えて思ったことは、近いうちに塩ラーメンを食べよう!ほんのりミステリー仕立ての物語に絆とは、愛情とは、家族とはという内容が、野菜ラーメンの具がいっぱいあるように詰め込まれてました。周作の自暴自棄になるのもわかるほど、感情移入してしまうし、そして皆瀬の自分で決めたこととはいえ、苦悩と辛さもひしひしと伝わりました。素晴らしい作品でした。最後にもう一度!近いうちに塩ラーメンを食べよう!
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ウズタマ、は、うずらたまご。
額賀澪さんの他の作品の感想を書いていて、過去作を振り返っていたら、なんと!この作品の感想を書き忘れていた。
この作品は、良かった。
ずいぶん前に読んだので詳しいことはちっとも書けないけれど、星4つを付けたことは間違いない。
家族でなくても、さまざまなことを乗り越えて築くことができるもの。
理屈でなく、感じることを受け入れることの難しさ。
そんなことを思った記憶が。
良かった作品ほど、落ち着いてちゃんと感想を書こうとしてるうちに書きそびれることがある。
あー、しまった。
もし再読する機会があったら、今度こそもっとちゃんと書こう…
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意識の戻らない父親、記憶にない母親。このまま父親が死んでしまったら自分に縁のある人はもういない。一人っきりだ。そういう心細さというのは二十代で味わうにはあまりに大きいだろう。新しい家族となるはずに恋人とその娘。血のつながらない家族を作ることへの不安も当然のこと。そんな状態から縋り付くようにたどる自分の過去。父親から渡された預金通帳の謎。周作は必死だったんだろうと思う。「自分」にもあったはずの「家族」というものの芯を見つけることが、これからの自分の芯になるはずだ、と。
みたくないものもみえてくる。知りたくないことも知ってしまう。それでもなお探し続ける周作のやるせなさ。少しずつ明らかになる周作の「家族」。もしかするとこうだったんじゃないのか?あるいはこういうことかも?といくつかの可能性を思い浮かべながら読んでいく。(予想は考えすぎ、うがちすぎ、ではあったが)
ちょっとそれはどうかな、と思うところもあるけれど、それでもこの「家族」のその時確かにそこにあった「温かさ」に、そして「誰かと家族になること」の意味に大きく心が揺さぶられる。
温かい涙にくれながら、彼と彼の家族の未来が幸せな笑顔に満ちていることを祈らずにはいられない。
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皆瀬さんと周作の絆に胸が熱くなりました。また、皆瀬さんの孤独を思うとたまらない。読み終わって温かな気持ちに浸ってます。
子育ては今思えばほんとに大変で自分の時間はほぼありません。独り立ちするまで子供が第一に優先します。だから、父親が悪いとか母親が悪いとかではなく、みんな一生懸命なだけなのだと思います。物語では不幸な結果になってしまったけれど。そしてお父さんもまた25年間、罪の呵責で辛かったろうな。
皆瀬さんがいなくならなくて本当に良かった!
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松宮周作は、父子家庭で育ち、バツイチ子持ちの紫織との結婚を控えていたが紫織の娘の真結との距離感を掴めず悩んでいたところに、父が脳梗塞で倒れてしまった。倒れる直前に、父は周作に一冊の通帳を渡した。そこには既に大金が振り込まれており、それを必ず家族のために使えと父は言った。しかしそれを振り込んだのは父ではないとも言う。その人に父の病を伝えようと伝手を辿っていくうちに、周作は家族のかつての本当の姿に出会う……。
積み重なって行く細やかな時間が幸せだったんだろうと分かる、丁寧に描かれた家族の話にうっかり泣いてしまった。みんなで幸せになってくれたらいいなと思う。
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またよい作品に出会えました。周作はどうしてそこまで皆瀬さんに惹かれたんだろう。3歳のほんの短い時間の出来事なのに、本当に楽しかったことは、忘れたつもりでも奥底に残ってるのかなぁ。周作はいい人に出会えたんだ、今も昔も。紫織の懐の深さが心に沁みました。父親と皆瀬が選択した事は決して褒められないけれど、皆が明るい未来に向かっている事を確信させてくれる終わりでした。タイトルが秀逸。野菜たっぷりの塩ラーメン、食べたくなること必至かと。色々考えちゃうし、不安になるんです。母親って。私もそうだから…何か辛かったです。
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家族の存在、血が繋がっていなくても、自分のことを大切にしてくれる存在が居るのが大切なこと、そこに温かく強い絆が感じられる関係が大事だと感じた。周作は娘がいるシングルマザーの女性と婚約を考えていたが、父が脳梗塞になったことで延期となった。25年前の事件をふと思い出し、新聞記事や同級生のつてを辿って、編集者と当時の事件の内容を聞く。事件のことが苛まれ、悶々とする日々だったが、事件を起こした男性との関わりで蟠りが溶け、家族のように付き合い、ラーメンを作り食べる姿、それぞれが新たな人生を歩む姿に心温まる。
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遠くて古い、幼い頃の微かな記憶。
キャベツやピーマン、玉ねぎがこんもり盛られた野菜たっぷりの塩ラーメン。
その真ん中にはウズラの卵がちょこんと一つのっている。
その特製ラーメンを夢中で食べる幼い頃の自分を、そっと見守る優しい眼差し…。
幼い頃当たり前のように食べていた家庭の味は、特別なご馳走でもなく、どちらかと言えば在り合わせの材料でちゃちゃっと簡単に作った手料理。
けれど、その「味」は誰にも再現できない。
大人になって真似しようとしても何故か全く違ったものになってしまう。
幼い頃の楽しかった記憶と今を繋いでくれたあの「味」。
一人でいることが寂しくて怖い夜も、幼い頃に食べた懐かしいあの「味」を思い出せたら、みんなで一緒に賑やかに食卓を囲んだ記憶を辿ることができれば、幸せな気持ちもきっと甦る。
私も今度から塩ラーメンを作る時は一手間かけてみようかな。ウズタマもちょこんとのせて。
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いくら施設で育って家族が欲しかったからといって
全くの他人のために罪をかぶるなんて
現実味がなさすぎて…
それに出てくる男たちが泣き過ぎ!
泣き出すたびに冷める。
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主人公の周作はもうすぐ結婚をする。
しかし、脳梗塞で父が倒れてしまう。
そこで、周作は初めて自分の過去を探る。
25年前に自分に父に母に何が起こったのか。
謎の青年は誰なのか。
という感じ。
父や皆瀬さんがとった策は、
本当に周作を救ったのだろうか。
決して最善策ではないと思う。
でも、そうしてしまったのだ。
25年後の「なんでもけん」で
皆瀬さんの決意に揺るぎないものを感じた。
たとえ短い期間でも一緒に暮らしたことは大切な
周作の基盤になっているのだろうと納得。
最後の水族館のシーンは
暖かい空気が流れていてよかった。
ただ、私の中ではお母さんがかわいそうだな、
という気持ちは残ってしまった。
それは多分、私か母だからでしょう。
同様の物語が父と母が入れ替わっていたら
すんなり受け入れたかもしれないし。
勝手なもんです。
色々考えさせられる、いい作品です。
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父親が脳梗塞で倒れて、そこから過去に迫って行く過程は引き込まれた。
意外と自分の家族のことって知らないものだよね。
終盤にもジーンと来るシーンがあって全体的に良いカンジなんだけど、現実味がない部分が少しあって、そこがもったいなかったかなぁと思う。
あれだけ大きな決意をしたんだから、その行動に納得のいく理由が欲しかったし、そんな嘘通用するのかな…と思ったり。
あとはさすがにお母さんがかわいそうで少しやるせない。
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どんな展開になるの? 自分の過去を探る?
こんな悲しい出来事。覚えていないのなら、子供に思い出させるようなことはしないな。
それでもある年齢になったら真実を知ってほしいと思うのか。だから、通帳を渡したんだもんね。
ここまで調べて、自分が小さい頃、そこまで大切に育てられたとわかったら、これ以上のことはない。
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20180220M予約
周作と皆瀬さんの関係性。
うまく出来過ぎ感が少しある。
塩ラーメン食べたい。
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読メでどなたかのレビューを読んで面白そうだったので図書館へ。
レビューで面白そうだったヤツを借りようとするとだいたい貸し出し中。
いるな。近くに。読メユーザーが(笑)
不穏な感じで始まるのでミステリーなのかなと思ったら、そんな感じでもなかった。
なんとも切ない。
大切なもののために人の罪を背負って生きる。
辛いことも多かっただろうが後悔はしていない。
そんな生き方そうそうできるもんじゃない。
ただただ面白いというだけではなく、なんだか色々な感情がグルグルと僕の中で渦巻いている。
非常によい作品であった。
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表層的には、不倫の末に主人公の母を殺した大学生の犯した殺人事件。父から渡された通帳を元に主人公がたどり着いたのは当時3歳の自分を世話してくれた家族想いの青年だった。