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紙の本
オリンピック恐慌 (幻冬舎新書)
著者 岸 博幸 (著)
企業の生産性向上や年金・医療の社会保障費見直し、個々人が身につけるべき稼ぐ力…。経済政策に長く携わり、五輪特需や直近の株価ばかりに目が向く風潮に危機感を募らせる著者が綴る...
オリンピック恐慌 (幻冬舎新書)
オリンピック恐慌
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商品説明
企業の生産性向上や年金・医療の社会保障費見直し、個々人が身につけるべき稼ぐ力…。経済政策に長く携わり、五輪特需や直近の株価ばかりに目が向く風潮に危機感を募らせる著者が綴る、現代を生き抜くための指南書。【「TRC MARC」の商品解説】
多くの人が実感できないまま好景気は続くが、それも東京五輪までだ。五輪特有の盛り上がりが終われば経済が厳しい局面に入るのは過去の各国の例でも明らか。五輪終了までに企業の生産性向上や膨張する年金・医療の社会保障費見直しに向け、政治家、官僚らは改革を断行する必要がある。個々人は来る危機に備え「稼ぐ力」を今こそ身につけたい。年金に頼らず75歳まで働くことも想定すべきだ――。経済政策に長く携わってきた著者が五輪特需や直近の株価ばかりに目が向く風潮に危機感を募らせて書き下ろす、現代を生き抜くための指南書。
【本の内容】
著者紹介
岸 博幸
- 略歴
- 〈岸博幸〉1962年東京都生まれ。一橋大学経済学部卒。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授。エイベックス・グループ・ホールディングス顧問などを兼任。
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今あなたのなすべきことは...
2018/08/25 14:58
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投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の岸博幸氏は、元経済産業省の役人で、小泉政権時代、経済財政担当大臣であった竹中平蔵の補佐官を務めた人物。「ニュース女子」などの言論番組で活躍する保守系論客の一人で、私も以前から注目していた一人である。この手の論者は、自由経済を信奉するあまり、増税に反対をし、膨らむ一方の日本の財政赤字についても、景気が良くなれば自然と税収はふえるから大丈夫という、楽観論を振り回す傾向がある。だから本書で、財政再建の必要などないという主張をとりあげ、それをハイパーインフレの可能性を伴う危険な賭けとバッサリ切っているのを読んだとき、尋常の楽観的保守自由主義者とは違う、現実的な見方のできる人なのだと感じた。
岸氏は、アベノミクスで立ち直りを見せた日本の経済が真に再生をするか否かは、オリンピック開催までのこの二年間にかかっていると主張する。日本経済は最強という自己欺瞞的な態度は捨て、客観的な視点から日本経済を顧みることをすすめる彼の議論は、たいへん説得力がある。まず彼は、経済停滞の原因が国の政策だけでなく、民間つまり企業と地方つまり自治体にもあると指摘をする。簡単にいうと、企業も自治体も、増収のための自助努力をせよということである (第2章) 。さらに、年金や社会保障が今のままでは破綻すると警鐘を鳴らし、そのためには上にあげたように増税や給付年齢の引き上げは避けられないと論じる (第3章) 。
本書の面白さというか真骨頂は、このような概観後に、国民一人ひとりがとるべき行動指針を示している点にある。いわく、自己投資をして稼ぐ力を身につけよ (第4章) 。そして資産運用に取り組め(第5章)。個人的には、最後の資産運用という今まで考えてもいなかった人生の選択肢について真剣に考えてみるようになった。資産運用は誰でもできる、いや誰もが自分の能力資力の範囲内でおこなう「べきでる」というのは、実際目からうろこの視点であった。
この本のいいところは、国の問題を政府や特定の組織団体のせいにして終わらせるのではなく、あなたにもやるべきことはあるのですよ、あなた自身の人生なのですから、と読者に語りかけてくるところである。一橋大学を経て通産省に入省、国の重要ポストで働き、現在はエイベックスの顧問という華麗なる経歴を歩んだ男の自信のようなものが行間からもにじみ出ていて、同年代の私も嫉妬を感じないといえば嘘になるが、それでも読みながら一語一語にうなずき、次第にとりこになった、まさに正論の一冊であった。