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実用より知識
2020/03/07 14:49
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さとし - この投稿者のレビュー一覧を見る
プライベートバンカーとして活躍してきた著者の経験談をもとに、プライベートバンクという存在を知ることができる一冊。ただ、自分の話として資産運用を具体的にどうすればいいのかはよく分かりませんでした。
プライベートバンク自体、公募されているものではないので信頼できる人づてで探すしかないのですが。
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大金持ちはこのようなリスクが比較的少なく、利回りは高いこの本に書かれているような金融商品で運用を行っている。海外の優遇税制もフルに活用している。
その様な運用を、忙しい富裕層はやっていられないので、著者のようなプライベートバンカーを使う。
また、膨大な相続税は現金で支払う必要が有るので、その支払見込額と同額の海外生命保険に入り、キャッシュフローをヘッジしたりする。
何れも数億円以上の資産を持つ人たちの話であるが、庶民も使えるものとしては、USドル建てハイ・イールド債への投資であろうか。この先もっと米金利が上昇し、ハイ・イールド債の価格が低下したら、かなり面白いとは思う。
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信託銀行に何億かあるが、日本の銀行屋の斡旋する商品や、証券屋が私募債で提案してくる組成商品は、彼らは確実な手数料収入得るが、リスクはお客という商品ばかり。デリバティブなんてそんなもんだが、リターンも限定されている割りに低い利回りが多い。8-18%
この本はもっと大局的に世界標準を知る手掛かりとなる。日本語しか理解できない日本人は、それ相応のコストを支払わされていることに、もっと神経質になるべきだ。個人的には後半部分、目新しいことはないが、簡潔にまとめられていてよかった。
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以前読んだ、『プライベートバンカー カネ守りと新富裕層』(清武英利著)という本のモデルになった方がこの本の著者、杉山智一さんのようだ。実在モデル版ということになる。世の中には、いわゆるメガバンクや大手証券会社ではない、富裕層のみを相手にするプライベートバンクなるものがあるという。最低でも1億円の資産がなければ相手にしてくれない。もちろん自分にも資格がないのだが、世の中の仕組みの一端を知ることができる意味で勉強になる。プライベートバンクにもいろいろと種類があるようで、杉山さんはファミリーオフィスという形態で、富裕層一族が所有する事業や資産を管理・保全・運用し、一族の未来の世代に継承するビジネスだ。個人ではなく、一族の資産を管理して未来につなげるという視点は、やはり欧州の歴史的知恵なんだろう。
ただ、ボクにとってこの本に興味を示した部分は、営業としてどうやってお客さんとの関係を保つのか? という点だった。お客さんと飲むときは、お金になるかならないか、などという打算があっては懐には入れない。だからと言って、営業は前のめりすぎてはいけない。義理と人情、共感をベースにした付き合いは、日本人過ぎて海外では通じないように感じるが、実はグローバルで見て意外なほど重宝されるし、できる人の絶対人数も少ない、などなど。
それにしても、一般向けにする必要のないプライベートバンカーである杉山さんがなぜ、こんな本を書く必要があったのか? 杉山さんが本書を書いた理由は2つある。
1.日本とは全く異なるプライベートバンクでの資産運用法を、
一部の富裕層だけでなく、より多くの人に知ってほしかったこと。
2.前述の『プライベートバンカー カネ守りと新富裕層』に取り上げられた
反響が非常に大きかったこと。
杉山さんは十分な実績を上げてきた人だと思う。ただ、基本的にはこの人は上へ上へと昇ることを目指す人なのだろう。足元で十分な実績を示した杉山さんが、日本という自分の母国をベースにして、さらに上ることが出来るだろうかと考えたのかもしれない。
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【感想】
プライベートバンクとは、雲の上の話なのか。
また、元野村證券のトップセールスの数の多さには少々うんざり。。。
「野村證券のトップセールス」は一体何人いるんだと思った。
お金持ち達を税金徴収から守り、更に資産を増やす為に動く「プライベート・バンカー」。
普通の証券マンと違って、自社製品に縛られずに、また「アカウント・マネジメント・フィー」なので金融商品を無理やり売らずに資産を守り、
「本当に良い金融商品」を提案できるあたりは良い仕事だと思う。
要するに、投資で儲けようと思っても、日本の投資機関はそれほど役に立たない。
しかし、プライベートバンカーレベルの人に相手にされるには、少なくとも億クラスの資産が必要とのこと。
読んでいて面白かったが、富裕層でない自分にはあまり関係のない話だったなと、残念。。。
また、ガッツリ稼ぐのではなくコツコツと稼ぐことが大事なんだなとも思った。
【この本から何を実践する?】
こういう本を読んだところで、何らかの投資にチャレンジしないことには、絵に描いた餅で終わる!!
【内容まとめ】
1.主な収入源は、顧客から預かった資金の残高に対する年間管理費用「アカウント・マネジメント・フィー」
2.依頼する為の予算は、高額の預金・入金が必要。
100万ドルから多いところでは1000万ドルの最低預入金額がなければ口座すら開けない。
3.急ピッチに資産増加のリスクを取ることよりも、まずは原理原則に基づいた資産形成を目指すべきである
【引用】
野村證券や三井住友銀行で得た顧客と共に、そしてその顧客にメリットがある提案を繰り返して、外資銀行→プライベートバンカーとキャリアアップしてきた。
「日本のお金持ち達は、一体海外でどうやって資産を増やしているんだろう?」
「なぜ日本ではなくて海外なんだろう?」
→富裕層の資産運用、特に海外での運用のお手伝いを主な仕事としている「プライベートバンカー」
富裕層の資産を運用するプロフェッショナル
p13
・筆者の仕事内容
「マネーの執事」
個人の富裕層をメイン顧客とし、その顧客にとって最も適した資産管理・資産保全・資産運用方法(ソリューション)を提案し、顧客が独力では得られない資産防衛と運用のためのインフラや環境を手にしてもらう。
p20
日本の投資金融は手数料で小銭稼ぎをしている。
一方で海外のプライベートバンクの主要な収入源は、顧客から預かった資金の残高に対する年間管理費用である。
「アカウント・マネジメント・フィー」「カストディアン・フィー」などと呼ばれている。
だからバンカーたちは無理に売り買いを勧誘して顧客の資産を削ぐような愚かな事はせず、逆に顧客の資産を中長期的に増やすにはどうすればいいかを必然的に考えるようになる。
日本の金融機関と比べて、顧客とバンカーがwin-winの関係になりやすい!
p24
・プライベートバンカーへの依頼方法
当然ながら、高額の預金・入金が必要。
100万ドルから多いところでは1000万ドルの最低預入金額がなければ口座が開けない。
p61
スティーブ・ジョブズの言葉
「If today were the last day of my life,
would I want to do what I am about to do today?」
(もし今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは本当に自分のやりたいことだろうか?)
p68
・金融鎖国 日本
国民の預金や加入している積立金が金融機関を通じて国際に投資され、結局は国の借金に充てられている。
また、日本の保険会社では到底提供できない恩恵のある保険商品は海外にたくさんあるが、日本の居住者が加入できないといった行法もある。
日本の保険会社に独占販売権を与えることで、政府の借金である国債の返済原資に回している日本居住者のお金を海外に流出させないようにしている。
→「金融鎖国」
p170
・非富裕層が行うべき運用法
資産総額1000万以下の方々は、本書で述べてきたような、
「プライベートバンクを活用し何億円もの資金を元手にレバレッジを効かせ効率の高い運用をする!」
といったような運用法は残念ながらできない。
そうした運用法を早くできるようにするためにも、リスクを軽減しながら着実に資産形成していくしかない。
テンバガーの株銘柄を探したり、仮想通貨によって急ピッチに資産増加のリスクを取ることよりも、まずは原理原則に基づいた資産形成を目指すべきである。
【原則】
1.「分散効果を利用せよ」
・銘柄の分散
→市場、地域、銘柄をできるだけ幅広く振り分けることで、リスクとリターンのバランスを最適化する。
・時間の分散
→ドルコスト平均法によって定額を毎月定期的に買い付ける。
ドルコスト平均法…
毎月の購入額と購入日を一度決めてしまえば後は機械的に買い付けてくれるシステム。
大きな得はなくても「高値掴み」させられる心配も少なく、限られた資金でかつ中長期的に資産形成する上で適している。
2.「税制のメリットに使う」
税金と手数料は運用成果を妨げる2大阻害要因であるが、その1つである税コストについてはNISAやiDeCoなどで非課税枠を最大限活用する事で、ある程度負担を減らすことができる!
通常、金融商品に投資して、売却して得た利益や配当に対して、約20%の税金がかかる。
ただ、専用口座(NISA口座など)を開設し、その口座で株式や投資信託を購入すれば、売却益や配当金は非課税になる!!
iDeCoは積み立てた資産を60歳になるまで引き出せない不便さがあるが、税優遇措置を受けながら老後の資産形成ができる点では有効なツール。
3.「コストを最小限にすること」
運用における利益阻害要因の手数料を減らすこと。
p179
・資産1000万円を超えてからの運用法
1000万~3000万以下の水準まで増やすことができたなら、レバレッジ・債権運用などに20万USドル単位の投資ができるようになり、おおよそ4~6%台の利回りを追求することができる。
またハイイールド債ファンドの銘柄を組み合わせて購入し、7%台の利回りも追求することができる。
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当たり前のことかもしれないけど、資産運用に飛び道具的なものはなく、だからこういう本を読んでも、ある程度金融リテラシーのある人には真新しい理論はないと感じると思う。
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オフショアを活用した運用の具体的な手法がかかれていました。
とはいえ、私自身には到底無縁の話ですし、業務上も、たぶんご縁がないでしょう。
それでも、
金融の知識として知っておきたい内容でした。
富裕層の運用は、決して無理をせず、愚直に分散投資を徹底していると感じました。
そして読み終わって、ふと思ったのは
「NISAやiDeCoも、ある意味タックスヘブンでしょ」
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レバレッジを効かせるというか、利回りが高い投資対象、例えば、海外生保やハイイールド債がある場合、借金して絶対額を膨らませる手法が面白い。
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著者の金融サービス紹介本。
国内外の成長率の差を活用した生保を担保とし、レバレッジをかける投資は、証券畑の著者ならではの投資法である。
つまり、成長期の発展途上国シンガポールと、成熟期に入った日本との金利差を活用した運用方法。日本では できない他国の制度・商品は初見であり、日本だけの投資には限界があるということが分かる投資指南本。
フツーの市民である私には、当然(!)今すぐに手が出ない投資金額なので、ボツ!
種銭が出来た頃には、時代遅れとなった運用方法となり、著者が悠々自適に引退してる頃だろうなぁ。
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たしかに著者が言うように、日本人の金融リテラシーは低い。保険を活用した運用スキームは、普通思いつかないだろう。
日本人の新富裕層は、シンガポールで次の事業を模索し、英語、金融を学んでいるという。日本という国家は、この現実をどう捉え、舵取りをしていくのだろうか。
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富裕層の資産運用、特に海外での運用を主な仕事としている独立系プライベートバンカーのノウハウ。ファンドを担保として融資を受け、レバレッジを効かせて運用。高利の保険金・解約払戻金を得られる保険、法人名義なら契約できる。いずれも国内ではとれない方法。
一人・一代分の資産を超えるとなると、ファミリーかつ子弟に継承するところまでが視野に入ってくるわけなのですね。
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文化放送
「村上信五くんと経済クン」
ゲスト 杉山 智一 さん
(2018年12月122日放送)
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全力2階建で海外の保険を買うのか… う〜んだな。◆最後の保有財産別の動き方については常識的。◆◆シンガポールで生活したいかどうかどうかって、微妙だな。
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図書館にて借りた本。
シンガポールでプライベートバンカーをしている杉山氏が超富裕層向けに資産爆増させる方法を紹介している本。その方法論自体は新鮮で面白かった。
ただ杉山氏のキャリアの歩みのほうが自分にとってはためになると感じた。彼は野村證券でキャリアをスタートさせており初めは新規開拓に励んだ。
「工務店、ビルの名前と最上階の居住者の名前が一致している、地方の珍しい名前」これらが狙い目らしい。
また最低限マーケットの情報は随時把握してなければならない。終値は一銭単位で言えなければならないし、日経平均の史上最高値も営業マンなら言えるようにしておかなければならない。そんな証券営業を通して、「義理と人情」や「共感」を学べて、加えてグローバル的に見ても重宝される。
ビジネスはシンガポールで始めるべき。この章を読んでオリラジ中田のシンガポール移住が理解できた。
最後にテンプルトンの言葉を紹介していた。
「強気相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく。」
このメッセージから株など資産運用していく中で、慎重さや謙虚さを持つべきだと教えてくれる。
ページ数も多くなくすらっと読むことができた。良本であると感じた。超富裕層になって読み直したい。
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私含めた多くの市民(庶民)にとっては、まだ直接参考にならないかもしれないが、富裕層が常に富裕層で居続ける秘密を知っておくことは重要。
この本は、顧客の利益を追求し、自分も利益を得るプライベートバンカーが書いた本。
実際に著者自身がバンカー業務を行っていることから、実務にも即していて理解しやすい。(ただし、投資や金融の一定の知識がないと読んでも分からない可能性は高い)
本書の肝である第3章(と第4章)だけ読むでも価値はある。