紙の本
だから何?
2022/07/31 14:07
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投稿者:シエル - この投稿者のレビュー一覧を見る
進学校だと華やかな子はかえって浮いちゃうとか、同性の親友に恋にも似た執着心を抱いてしまうとか、女子高生のリアルな部分が描かれてはいた。だが、登場人物たちみんな、あまりにもクラスメイトの死に無関心で、自分が可愛い人ばかりだった。全然リアルじゃないと思った。「だから何?」なんて、あまりにも冷たい。逆に現実はもう少しあたたかいと思う。
紙の本
「だから何?」…だから?
2021/08/08 16:18
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投稿者:MF - この投稿者のレビュー一覧を見る
みんな自己中。
みんな他人に無関心。
自分の考え方だけが正解で、自分に面倒な事からは目を逸らして生きている。
リアルとは言いたくない、寂しい世界観でした。
誰にだって、他人に言えない事がある。
あえて言わない事もある。
そんな世の中だからこそ、相手の心を想像したり、見えない想いを深く感じ合う事が人との繋がりを深くしていくのだと信じています。
しかしこの小説の登場人物には、一人もそんな思いやりを持った人間はいなかった。最後まで冷たかった。
小説としては斬新な手法で、様々な視点から描かれた独白が面白かったですが、個人的には、救いのないままの展開で残念でした。
読んだ後に「だから何?何が言いたかったの?」と思ってしまったので★2です。
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うーーーーむ
女子高校生が飛び降り自殺するシーンから始まって、その理由を探るように進む話。
どんな謎があるのかと思ったら、、、女子はめんどくさいねぇ(´・×・`)
もう一度読み返したらより納得出来るのかもしれないけど、そこまでしたいとは思えないかな。
いつまでも仲良しだの、ランク付けだの、喋ってくれないだの、私だけと仲良くして欲しいだの、、、そういうことにとらわれない人に育って欲しいな。
いや、多かれ少なかれ、そういう気持ちはあるか。
思春期だし。
にしても朱音は極端で、私が純佳だったらやっぱりイライラしちゃうな。
最後の一言。そうなるわね。
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朱音が自殺した前後日を、様々な生徒の視点から描いた物語。
結局朱音が自殺して成し遂げたかったことは上手くいかず、身を投げたことを後悔して終わる。
クラス内のカーストや仲良くしている友人でもいろんな背景があって、あーそんな感じあったなぁと少し懐かしく思った。
心の中は自身が期待するほど他人に素直に伝わらず、曲がりに曲がって届く場合もある。
自分の命が人を動かす駒ってすごい表現。
うまくいかなくなったときの絶望が、自殺につながってしまう諸刃の剣。
死を選択する前に素直に自分の気持ちを伝える努力をするべき。
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高校2年生の川崎朱音が、高校の屋上から飛び降り自殺するに至るまでの言動やその周りにいる生徒たちの言動から、朱音がどうして自殺に追い込まれたのかが解き明かされていく物語。
朱音の人柄と自殺の真相が徐々に明らかになっていき、意外なラストにびっくり。
物語の構成、そして登場人物の心理描写のリアルさ、いずれも完成度が高くて作者の力量を伺わせる。
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心にズシンと来る一冊。テーマと話の持って行き方から宮部みゆき『ソロモンの偽証』を連想した。高校生の心の動きの捉え方が見事。この絡み合いが部活に向かえば『響け!ユーフォニアム』になるのに、微妙なボタンの掛け違いの連鎖によって、悲しい結末に収束してしまって心が痛む。でもありえなくはなさそうで怖さを感じた。エピローグと最後の目次と最後のタイトルがリアルで残酷で正直だと感じた。タイトルに追加された言葉は誰のだろう? 誰のでも有り得そうだけど、素直に読めば莉苑か?
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相当モヤモヤが止まらない1冊
遺書を読んだときに莉音がなぜ持っているんだろうと疑問には思ったが、結局誰よりもこの自殺を楽しんでいた人物であった。
最後に来るどんでん返しからのだからなに?という裏表紙の言葉。
自分の臓器がぐるぐるとかき混ぜられるような気持ち悪さを感じた。
久しぶりに後になっても残るようなストーリーであった。
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一人一人の物語に触れるたび、少しずつ、でも確実に真相が明らかになっていきました。
高校生の微妙な心理描写がうまい。すごく引き込まれました。
個人的にはよく結末が気になって、先に最後を読みがちですが笑、順を追って読んで本当によかったと思います。
ぜひ読んで欲しいです。最後の、最後まで。
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ひとりの少女の自殺。
クラスメイト、恋人、幼なじみなどの視点で描いている。
立場が変われば見方が変わる。無関心でいられないはずなのに、自分の見たいことだけを見てしまう。それは自分が一番大切だからに繋がっているのかな。
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朱音の寄生虫のような半生は読み進めていくうちに気持ち悪さに変っていく。また、自らの命ですら関心を寄せるための材料としてしまう考えが怖い。
しかし、それすらも「なかったこと」にしてしまうクラスメイトの行動もブッ飛んでいる。人生を賭けた勝負に最後の最後で負けた朱音の冥福を祈りたい。
くひっ。
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朱音が自殺した理由を解き明かしていく物語。
読後感は良くない作品だけれど、花言葉や鍵の行方を読み返しながら読み進めた。
「世界はね、生きている人のためにあるべきなの。」
「朱音は、多分生きるのに向いてなかったんだよ。」
すべては、この二文に集約される。
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結局自分が一番だし自分が一番大切だし他人は他人だし
歪んでて狂っててでもそれがリアルだった
容姿が大事とか馴染んでないとおかしいとか狭い世界で生きててその世界が全てで
なんとなく感じたことあるし今も感じることが詰まってた
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色んな人の視点から描かれる真実。
最後はゾワっとした
読み返せば読み返すほど、夏川の完璧さに驚く。
純粋ゆえに恐怖さえ覚えた
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はじめから、登場人物のフルネームがどんどん増えていくので、キャラクターを覚えるのに苦労した。それでも読み進められたのは、文章がとても読みやすかったから。
ずっとどこか居心地の悪さがあって、それを抱えたまま、最後にその気持ち悪さが最高潮に達し、好きな後味の悪さだった。今でも少し引きずってる。
莉苑だけは莉苑の章を読んでもつかみきれなかったけど、ほかはどの登場人物の心情も言葉もすごくリアリティがあるように感じられて、それがまたこわい。
単純にフィクションとして楽しめないような、だけどおもしろいフィクションだった。
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宮部みゆきの物語を思い出す。私は好きになれない。もうそれだけ10代から遠ざかってしまったということなのもしれない。朱音が選択したことも、それを傍観しながら他人事のように語るクラスメイトたちも、あまりにも「生きる」ことを軽んじてはいないだろうか。あまりにも視野が狭くないだろうか。きっと、誰もが声にしなくても、心の奥底で抱くことはあるだろう暗くて黒くて持て余してしまいがちな気持ちには、身に覚えがある気がするから嫌悪してしまうのかもしれない。それでも、それを選びたくないし、選んでほしくないというのは年の功なのか。学校は閉ざされた世界ではない。広がっていく、広げていくための場所であってほしい。世界はもっと豊かだし、もっと優しい。改めて、自分の「居場所」を見つけることの困難さと大切さを痛感した。