紙の本
デジタル化による生産性向上
2019/08/15 09:19
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投稿者:だい - この投稿者のレビュー一覧を見る
■デジタル・イノベーション
第4次産業革命
デジタルの本質を理解し、的確に使いこなす経営が必要
既存事業にデジタル技術を組み合わせ、顧客の欲求をより高度に満たす商品やサービスを提供できるようにする事
十字フレームワーク
縦軸 従来の競争軸
横軸 デジタルによる新たな競争軸
左側 現在の自社の強み
右側 デジタルによる顧客の真の欲求
■デジタル(情報)とフィジカル(モノ)
2つの大きな違いは「速い+劣化しない」
デジタルの特徴
・ランニングコストがゼロ
・処理能力は制約条件にならない
・リアルタイムのサービス
・過去の記録の蓄積と分析、将来予測
・追加コストゼロでパーソナライズ
コスト構造の違いを理解しているか否かが戦略の成否を握る
ソフトウェアは自社開発したら負け
その開発コストは全額自分持ちとなる
勝馬に乗ることが重要
■日本の現実は2.5
インダストリー4.0
デジタルの力を利用して企業内の業務プロセスや企業間をシームレスにつなぎ、全体最適を実現する事
スマート工場は生産プロセスのカイゼンにすぎない
前工程(設計・受注・調達)や後工程(物流・保守・部品)の生産性は高くなく、前後の連携も良くない
それぞれのプロセスは部門毎に分かれており、個別最適が進む一方で全体最適が図られないため、全体の生産性が上がらない
■デジタル・プラットフォーマーの時代
4層構造
4 顧客・社会(全体の最終受益者)
3 ソリューション(アプリケーション)
2 デジタルプラットフォーム
1 データの発生源
直接の顧客だけでなく、社会全体にもメリットがあるように設計されたエコシステムだけが結果的に生き残る
各層はいずれも他の層がないと機能しない、相互依存・共存共栄の関係にある
■デザイン思考で顧客の「真の欲求」見極め
デザイン思考とは「手法」ではなく「マインドセット(考え方)」である
・課題解決の手段
IDEO(工業デザイナー)によるアウトプットが源流
良いデザインは、課題をよりよく解決するアウトプット
「そもそも何が本当の課題なのか?」を把握する
・顧客の立場になって考える
イノベーションに通ずる3つのレンズ
フィージビリティ(技術的にできるのか)
バイアビリティ (ビジネスとして成り立つか)
デザイアビリティ(ユーザーは嬉しいのか)
・プロトタイプ志向
机上論ではなく試作品によりユーザーからのフィードバックをもって、善し悪しを判断する
「早くたくさん失敗せよ(fail early,fail often)」
現在の経営陣の多くはビジネス思考で成功を積んで来た人達
経験したことのない新規分野への投資は避ける
イノベーションのジレンマは「合理的に判断」した結果、発生する
■企業システム構築の新常識
ソフトウェアは「作る」より「使う」
汎用パッケージソフトの方が、高品質で圧倒的にコストパフォーマンスが高い
・機能レベルの向上
・システムは差別化の武器にならない
・体制の変化に機動的に対応できる
・環境変化への対応がスムーズ
・世界市場での生き残り策
現場の声を聞くと、現状のやり方を大前提に部分的カイゼン策しか出てこない
根本対策は「人手をかけなくても仕事が回るようにすること」
ERPパッケージの価値は、どの企業でも経営視点で確実に90点以上取れること
デジタルの力の戦力化が必要であり、ITエンジニアを右腕として雇い、専門的知識でもって立ち向かって行かなければならない
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◆インダストリー4.0
カイゼンだけでなく、工場の前後工程をデジタルでつなぐ
◆デザイン思考とは
手法ではなくマインドセット(考え方)
GE
MRIをアドベンチャーに見立てたラッピングで
安価に子供の恐怖心を無くす
①課題解決の手段
②顧客の立場
③プロトタイプ志向
合理的判断は破壊的イノベーターン負ける
◆SAP
「多言語・多通貨・多制度」で発展
Place 新規事業は場所を切り離す
People 外部の人材
Process 思考のフレームワーク
ソフトは作るから使うへ
パッケージソフトを組み合わせて使う
カスタマイズを避ける
コスト、将来性
現場任せ
現場の現状のやり方を大前提にしかならない
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ややSAPの宣伝色があるが、今のビジネスの向かっている方向を事例中心にさらっと読める本。自社の比較優位+デジタル技術で今のビジネスを改善するのではなく、新しい価値を提案するべし。(1)Marginal costがゼロ、(2)リアルタイム、(3)キャパシティ無限、(4)データが残る→予測、(5)自動化によりパーソナライズ可能というデジタルの特性+ものを切り売りするのではなく、ものがもたらす価値を継続的に提供し続ける仕組みを売るというシフト、オープンプラットフォーム化等の方向性がヒントとなる。後半のデザイン思考についてはいまいちよくわからないお題目的なことしかないので、別の本を。
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・デジタルの対語はフィジカル
(目に見えない・実体が無い情報に対して物理的なモノ)
・ライフサイクルコストを収益機会として取り込む
・デジタルとフィジカルの違いはコスト構造
この3つが言語化されてるだけで良い本だと思います
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序章 日本型経営の「勝利の方程式」がなぜ通用しなくなったのか
1章 コマツ LANDLOG
2章 第4次産業革命の本質は「デジタル・イノベーション」
3章 「デジタル」と「フィジカル」の違い
4章 日本の現実は「2.5」
5章 デジタル・プラットフォーマーの時代
6章 デザイン思考で顧客の「真の欲求」を見極める
7章 ケーススタディ:大企業システム構築の新常識
8章 企業システム構築の新常識
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・デジタルの対義語はフィジカル
・デジタルとフィジカルのコスト構造の違い
・デジタルの5大特徴
①差分コストゼロ
②無制限
③時差ゼロ(リアルタイム)
④記録・分配・予測
⑤明細×組み合わせによるパーソナライズ
・ソフトウェアの自社開発やったら負け。大規模カスタマイズも負け。
・現場、現場の「カイゼン」ではない。
・すべてのビジネスプロセスが連携して、全体最適の実現、のためにIT、IoTをつかう
・現場の声を聞いてはいけない。
・大企業で「イノベーションのジレンマ」が起きるのは妥当
・SAP事例:”出島”がひとつの手段
・SAP事例: Place/People/Process の3つのP
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事業部門視点でどうデジタルを活用し、組織を変革していくかを考える際に、まず手に取りたい本。
SAPの視点から書かれていることを十分に念頭に置く必要があるものの、書いてあることはまっとうで王道であるように感じた。
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なぜデジタルなのか
コマツは、もともとは夜中に建機が盗まれてATM強盗に使われていたものを、「盗まれたらエンジンをかからなくする」センサーを付けて、盗難を防止したのがきっかけ。そこにエンジンの稼働時間、燃料の残量や各センターを付けてコマツに送る仕組みにした。
※最初はクライアントの課題解決だった。
エレクトロニクスに振り切る!という方針の中で、GPSを使って面白いことができないか?を議論していたが、再び本義回帰へ舵を切った。その時にエンジニアが手すきになり、自社開発できた。
建機は頑丈に作られているが故障しやすい。1台の建機が止まると、現場全体を止めてしまうこともある。すると、その日に来ている職人全員の人件費が無駄になるし、工程全体にも遅れが出る。
「故障しない建機」とは、「現場を止めない建機」を指しており、このブランディングが受けた。
また、コストは販売価格の2%。クライアント負担にもできたが、それでは少しずつしか広まらない。メリットを享受した人にしかわからない、と考え、創業以来の大赤字だったのに、無償と決めた。
建機はライフサイクルコストが高い製品。燃料やオペレーター人件費、点検費、交換部品代金など、製品を購入する価格よりも、もっと多くの費用を支払っている。そこで、使い方のデータを元にアドバイスを行なったり、部品交換のスタッフを派遣するサービスを展開。各地域に必要な交換部品の在庫数を適正化することもできた。
営業も、故障した時に出向くのではなく、故障する前に出向くため、クライアントから喜ばれている。リセールも、利用状況とメンテナンス履歴がデータで溜まっているので、高い値段で売れるし、買う側もトータルで考えれば安くつく、とコマツを選びたくなる。
零細企業で、建機を買うお金がない場合も、稼働状況と建機がどこにあるか?が可視化できるため、銀行が融資しやすく、販売側のメリットに。
ダイムラーはカーシェアビジネスを始めた。乗り捨て自由で、GPSによる位置情報がアプリの地図で探せる、デジタル時代のビジネスモデル。
もともとは車のメーカーだが、自家用車は保有期間のうちの3%しか走っていない事実があり、残り97%は駐車場に駐まっている。仮に自家用車の稼働が6%になったら、販売台数と売り上げは半減してしまう。
近い将来、自動運転が実現すると、使っていない間は自動運転タクシーとして稼いでくるような使い方もできる。車を買うのは、とにかく車を所有したい車好きか、買った車両をフル稼働させて稼ぎたい人しかいない。車両の台数ではなく、人を運んだ距離で課金するビジネスモデルであれば、販売台数が減っても売り上げは減らないと考えた。
デジタルの特徴
1.差分コストゼロ
2.無制限
3.時差ゼロ(リアルタイム)
4.記録、分析、予測
5.明細、組み合わせによるパーソナライズ
「10年間壊れません」という保証ではなく、「購入後は責任を持って適切にメンテナンスして、その結果10年でも20年でも使い続けられる」ことが望ましい。
デザイン思考
MRIを怖がる子供に、MRIを海賊船にデザインして、冒険の始まりというストーリーを持たせた。バイエルミュンヘンやホームグラウンドは、混雑解消のために、早くスタジアムに来て楽しめるようにした。アプリにGPSを付けて、混雑予測と対応を可能にした。
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デジタルをいかに活用するか。製造現場のカイゼンはあまり改善の余地が残されていない。顧客の真に求める要求を捉え、既存の条件(能力)とデジタルの掛け合わせでその要求に応えていくことが必要。コマツを始めとした実例紹介。
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デジタル時代が到達しても、日本のイノベーションが進まない理由を鋭く突いている。まさに私の職場で当てはまる内容でした。
こんな本を探していました!
思わず著者が勤めるSAPと協業したくなってしまいました。
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非常に興味深く、一気に読めた。
真面目な民族と言われた日本人が、なぜ昔は生産性が良いと言われ、近年、生産性が悪くなったのか?どうすれば、また世界で戦える様になるのか?
そのヒントがこの本に書かれていた!
会社のメンバーにも読むのを勧めたい1冊!
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経営者向けに書かれた本。
現場の人間であっても、経営者目線を持つに越したことはないので、読んで良いと思う。
日本と世界の業務システムの差が分かる。
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世界と比べて生産性の低さが指摘される日本。デジタルの特質とそれを踏まえた活用の仕方について、わかりやすく説明されていて、思わず自分の会社で実践したくなる。
物をたくさん作ればそれぞれのコストがかかるが、デジタルであれば一度作ってしまえば、2つ目以降はほとんどコストかからないというのは、当たり前のようだが、デジタルの強みを言い表しているように思える。
また、一企業に長く勤める雇用形態をとる日本が、例えば社内システムの構築においても、現状維持を最優先に考えるベテラン社員にいい顔をしようとして時に非効率的な選択をしてしまうのに比べて、プロジェクトごとに雇用される海外においては、目の前の限られた予算の中で、効率や生産性を最優先にした判断がなされるという違いに、生産性をめぐる日本の根本的な課題が隠れているように思えた。
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なぜデジタルなのか? 監修SAPジャパン
1.デジタルの特徴、強み
①記録
②劣化しない、疲労しない
言い方を変えれば、再現性さらに記録活用で発展性ある仕組みができるということ。
2.コマツに学ぶスピード戦略
①コマツのビジネスモデルの転換
周知の事実である。
ハード/1,000万円の建築土木機械の販売から、サービス/建築土木現場が喜ぶ機械の利活用への転換である。
②データ活用でアフタービジネス拡大へ
具体的には、ハード/センサー経由で機械の稼働データを収集、メンテ必要時期を検知、故障前にリペアするという具合である。
③驚くは、仕込みの徹底
①、②のビジネス。顧客には安全、安心だから需要がある。
ここからがポイントだ。コマツは、顧客にこのセンサー付き機械をオプションで販売しなかったことだ。
赤字覚悟で、基本サービスに組み入れたのである。
基本サービスだから、売れただけ、センサーが広がる、データが収集できる。
長期視点にたてばこそ、実行できた経営戦略である。
3.SAPからの学び
ドイツ本社ERP業界大手である。
サービス上、一社一台が基本である。それがゆえ、業績が停滞した時期が存在した。
そのブレークスルーの取り組み、足跡も興味深い。
やはり、学ぶ→自社に置き換えるは、楽しい。
あとは、やるか、いなかだ。
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すべての決裁権を持つ大人とIT技術者に読んでもらいたい。
「失われた30年」に対する解決策を生み出す糸口になると思う。この内容が2018年に書かれて、現在業務改善のほぼ最前線で働かせてもらっている私が常日頃感じることと同じことが書いてあるのだから何も進んでいないではないかと憤りさえ感じる。
デザイン思考、イノベーション4.0、、キーとなる言葉を胸にクライアントを幸せに出来るよう考えていきたい