紙の本
表紙絵は下手だがいつも面白い
2019/05/12 07:17
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投稿者:イストコ・プッチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
前回の文庫の表紙絵は今までと別の画風だったが、内容も少し変わってたと思う。
タヌキの生態が解決のカギだったりね・・・
今回、これまでと同じ画風の表紙絵に戻りましたが、どちらも内容をうまく表現できていませんねぇ。
もっと店頭で手に取ってもらえるような表紙にすればいいのにと思うのは私だけですかねぇ。
で、今回はミイラになった死体の究明がテーマ。
死体に昆虫の形跡が少なく、昆虫法医学者の赤堀も苦労する。
えー・・・ほんまに解決できるんか・・・
と思わせるほど謎が深いと読者に印象付けできており、ミステリとして大変面白かった。
しかし赤堀が最後に犯人に捕らえられるっていう展開は毎回のことで見え見え。
時代劇の脚本みたいになってます。
私としては前作がそれまでと比べてイマイチの印象がったが、今回パワーアップしてくれた印象です。
やっぱりこのシリーズは面白い。
映像化は難しいだろうけど(虫の描写とかね)、赤堀は誰が演ずれば納得できるかなぁと想像しながら読みました。
やっぱり面白いからこの画風で通すのでしょうか。
電子書籍
ミイラ化遺体
2024/01/25 14:12
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
今度はミイラ化遺体。伊豆諸島の「神の出島」へ警視庁から岩楯警部補が派遣され、首吊り自殺と断定されます、しかし、自殺を疑う赤堀が、という…まぁ同じパターンで。しかし、海に、山に、街なかに、死体発見場所はさまざま。
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東京都の小さな離島で、ミイラ化した若い女性の遺体が発見された。
通常とは異なる遺体の状態に法医昆虫学者の赤堀に出動要請が入り、彼女の世話係の警視庁の岩楯も島に向かう。
解剖医は自殺と断定し、死亡推定月日は3ヵ月以上前と判明するが…。
遺体に群がる虫の痕跡から事件を紐解いていく昆虫学捜査官・赤堀涼子を主人公にしたシリーズももう五作目。
毎回異なるパターンの虫や現場が出てくるので、飽きない作品です。
今回はミイラ化遺体ということで、大量のウジ虫ちゃんが出てこないのでそんなにグロくなく、物足りない感じ。
私は別にグロいのが得意なわけではないのですが、このシリーズを読んでいるうちに耐性ができてしまったようです。
昆虫相から死の真相を調べる赤堀と、被害者の周辺の聞き込みによって捜査していく岩楯たち警察。
同時並行の推理がやがて一つの真実に辿り着き、集約していく様子はスリリングで、圧倒的なカタルシスを感じることができます。
女性の多い職場ならではの陰湿なやり口でいじめられ、家族からも忌避され、最後は離島を観光で盛り立てようとする地元の野心家たちの餌食になり、死んでいった被害者。
そんな暗い影を落としていた被害者をめぐる状況と不気味な虫たちの生態が二重写しにされ、より一層の陰惨さを際立たせています。
ちょっと薄暗い話ですが…でも、最後に二人の登場人物(兵藤と由紀)が事件を通して少し前向きになり、かすかに明るい兆しがもたらされるのは良かったです。
また、赤堀と岩楯の、仕事への自負とバディとしての信頼感が感じられるラストも読後感が最高でした。
次巻が楽しみ~。
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過去最高にえぐい死体描写。まさにこの世の地獄。
孤島でミイラ化して発見された死体が他殺なのか自殺なのか。調べるも手掛かりが少なく、自殺として警察は結論付けようとするが…。
赤堀先生は虫が囁いていた真実を、今回も聴き取ってくれた。
すごく幽かにささやかれているそれを逃さず、真実に近づいていく過程はカッコいい。
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法医昆虫学捜査官シリーズ第5弾。
伊豆諸島にある神ノ出島で若い女性の遺体が発見された。解剖所見から首吊りによる自殺、死後3か月以上と推定された。ところが、目と口の中は蛆に激しく喰われた形跡があるのに、体内では見つからず内臓も脳も無傷で残されたままミイラ化していた。
法医昆虫学者・赤堀涼子が遺体と蛆の発生状況に違和感を覚え虫の動きをたどりながら捜査をするうちに、さらなる驚愕の事実に突き当たる・・・。
今回は蛆の登場が控えめでちょっと寂しい気がするのはこのシリーズに首までどっぷりつかっているからか。その代わりに登場するのが島の生態系をも脅かす恐ろしい虫。
岩楯警部補とバディを組む新島署の兵藤巡査部長は、病的なほどに潔癖な男。ことあるごとにウエットティッシュを配り、除菌剤も欠かさない。昇進試験の勉強のためだけに離島勤務を志願した男が、岩楯や赤堀と仕事をすることで成長していくというのもお約束。
事件の捜査過程で絡みのあった、東京で起こったひき逃げ事件の捜査班にあのメモ魔・ワニさんがいて、一瞬だけ登場するというサービスも嬉しい。
ミステリ、サイエンス、警察官の成長、そして社会問題と様々な要素を盛り込んで、今回も安定の面白さでした。
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2020/3/4
このシリーズもはや中毒。
お気に入りのシリーズはゆっくり大事に読む主義なのに止められなくてすぐ次を読んでしまう。
そしてその間隔がだんだん短くなってる。
今回は外来種の凶暴なアリ。グロさは控えめ。危険度は高め。
おなじみのウジ君たちが出てこなくて寂しかったりする。
岩楯さんが後輩の相棒を背中で諭すとこがめっちゃかっこいい。
今回の相棒はついにダメな人かと思いきや最終的に良さを引き出して彼の未来も楽しみになった。
ワニくんがちょこっと出てきたのも得した気分。
幼稚園のキモい女に罰が当たるとこが見られなかった。残念。
記者とか犯人とか幼稚園の女とか、何の同情の余地もないクズが出てくるのも特徴かな。
いるもんね、クズ。残念ながら。
本を閉じた瞬間から次が読みたくなる。
もう読んでしまおう。そしてもう1回頭から読み返そう。手配。
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最初の法医昆虫学捜査官の印象が強過ぎて、星を一つ減らしました
しかし、作品として落ちるということではないです
正直、いい本に出逢えたと思っていますから
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法医昆虫学シリーズの5作目。
初期の作品はウジの描写に戦慄しましたが、5作目ともなるとウジだけではなく様々な昆虫の影響での捜査になってきて作者の工夫に感心します。
今回は島の伝記的な要素もからめて読み応えありました。
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今度は島だぁ!島独特の因習と雰囲気がまた良かった。岩楯刑事と赤堀先生の関係性も気になるところ。次が楽しみ!
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『メビウスの守護者』に続く法医昆虫学捜査官シリーズの5番目の作品である。4作目を読んでから、いささか間が開いたが、昆虫(の生態・本能)を利用して、犯罪捜査をする着眼点に惹かれ、再びこのシリーズを読み始めた。本シリーズでは、離れた2地点が舞台となる構成が多い。そこに何か理由があるかは、5作目まで読んだ今も定かではないが、都会から離れた森や海や島といった舞台は様々な昆虫を登場させる上で親和性が高いのかもしれない。
犯罪がもたらす変死体から想像される昆虫といえば、「ウジ」がその筆頭だが、さすがにシリーズも5作目まで続くとなれば、「ウジ」だけでいくつもの物語を生み出すことも困難だし、何より読み手が目先の変わらない物語をいくつも読まされることになる。そうしたマンネリズムを回避するうえでも、事件の舞台設定は、おそらくこのシリーズでは重要な意味を持つ。
今回の舞台装置は、伊豆諸島のとある小島(架空の名称だが、モデルとなった島は想像できる)が舞台で、そこには海も、廃校も、ビーチもあり、昆虫にとっても楽園である。加えて、海のかなたの小島ということで、古来の因習めいた独特の慣習も絡み合う。これまでの作品も同様のモチーフはあったが、本作ではより重層感が増している。
物語は刑事・岩楯の視点と昆虫学者・赤堀の視点が交互に語られ、かつ、伊豆諸島の小島と被害者のもともとの住処である東京が螺旋のようにからまりあって、物語の進行は予断を許さない緊張感をはらみながら進む。その緊張感に、昆虫学者ならではの見立てが加わり、はっとさせられる。「昆虫の生態分析」が重要な役割を果たすが、それでいて全くリアリティが損なわれていないのは、著者の筆力の賜物であろう。
玉に瑕、というが他の部分がすばらしいがゆえに小さな瑕疵が殊の外目立ってしまうことがある。本作でも、気づく限りただ一つ瑕があった。終盤、本作における重要なトリックに刑事岩楯が気づく場面。証拠(となりうる紙面)の隠滅を図ったはずで、その行方は真相究明の重要な手掛かりだった。にもかかわらず、奪った後の紙の処理には思わず声を出しそうなほど驚いた。昆虫による操作という奇抜さとはうらはらに、これまでのシリーズを通して緻密なプロットにも感心していたが、この紙の処理については杜撰というよりほかない。作者は、なぜこの部分に限って、ことほど左様に雑な処理をしたのだろう。物語の分水嶺ともなる重要な部分だけに、いささか残念である。
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法医昆虫学捜査官シリーズ第5弾。
今回の遺体は、伊豆諸島の神ノ出島でミイラ化した状態で発見され自殺と断定されている女性。
虫の動きが通常とは違う、その謎に赤堀が挑んでいくのは相変わらず面白い。
また、島と都内の女性自宅を行き来する岩楯の捜査にも引き込まれて、一気にラストまで読み進めた。
赤堀が危険な目にあうのが、ほぼお決まりで、そこはちょっとマンネリ化のような気もするが、それも込みで楽しむのもアリかな。
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読後まず考えたのは、何故このタイトルににしたのか、ということ。「アニマ」とは、「男性の無意識下に存在する女性性」みたいなものだと思っていたので...
が、調べてみたら、上記は「ユング心理学用語」だそうで、辞書を見るとまず第一義に「霊魂・生命」などとあって、納得。
本作は、同シリーズの他のどの作品よりも「伝奇的」な色合いが濃い。警視庁刑事が主役なので、舞台は当然東京都であるが、今回は伊豆諸島にあるという設定の架空の島が舞台。さほど大きくない島の濃ゆい人間関係と、昔から流刑地として「使われて」いた島独自の文化や風習。そこに現代的な若者の価値観が絡み合い、事件をとても複雑にしている。
本シリーズの特徴として挙げられるのが、事件の「全体像」がなかなか見えてこないこと。新たな事実や関係者、遺留品などが見つかる度に、少しずつ全容が見えてきたり、逆に根本から見直さねばならなくなったり...
その過程を読み進むということは、実際に登場人物が感じている事件の「分からなさ」を共有している訳で... 岩楯刑事たちと一緒に一喜一憂しながら、物語に引き込まれて目が離せなくなる。
お馴染みの「グロい表記」はますます磨きが掛かり、本作の遺体発見シーンなどはもう私の想像力を超えてしまい(^ ^; 却って怖くないくらいで(^ ^;
舞台は架空だが、登場する昆虫はマジ。今回はアカカミアリという、特定外来生物に指定されているアリが大活躍(?) 作中で繰り返し書かれているように、攻撃的で、下手すれば人が死ぬ毒を持つ。これのおかげで、捜査が進まない...とも言えるが、このアリのおかげで虫博士は事件の本質に迫ることができた。
最後の「トシゾーの乱」は、ちょっとどうかな...とは思いましたし、エンディングもちょっとバタバタして、やや説明不足感も覚えましたが...(^ ^; 基本的には最後まで緊張感を持って読み進めることができました。あぁ、面白かった(^o^
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単に自殺かと思われた出来事だが、虫の視点からそれが否定され、裏で様々なことが複雑に絡み合って起こった殺人であった。虫たちが教えてくれることの多さに驚いたし、宗教、家族、島の人々など実に多くのことが絡んでいたことも物語を面白くする要素の一つであった。
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好きで好きで仕方ないこのシリーズ。存在を数年前まで知らなかったおかげで既刊の7巻を大人買いしたから、まだ続けて読めると思うと嬉しい。
本巻の単行本が出版されたのは2016年で、主役はいつものウジより遙かに目立つ、世にも恐ろしいアカカミアリ。当時日本では硫黄島や沖縄島などでしか見られなかったこのアリが、本巻発行の数年後に東京や神戸の港でも発見されたらしく、先取りしているのも凄い。
今までの岩楯刑事の相棒に比べると、今回の兵藤刑事にはあまり愛着が湧きません。でも赤堀先生に振り回されているうちに変わってゆくのでしょうね。
「私を信じなさいって、悪いようにはしないから」「今まで、悪いようにしかしてこなかっただろうが」にふきました(笑)。
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第5弾!
今回は、ウジちゃんより、メインはアリさんやった〜
まぁ、ミイラ化してもうたら、ウジちゃん食べた跡ぐらいしか分からんし、更にアリさんが強かった〜
なので、今回は、腐乱死体やなく、更にそれ以上に経過した状態みたいで、グロくない?
…でもないか(^◇^;)
何か、神さんも色々とバラエティー豊富で自殺の女神とかおるんやな。(マヤ神話)首吊り自殺は名誉な死に方と考えられていて、女神さんが楽園に連れてってくれるらしい。
それを信じて、何人も…
でも、どこで、どうして亡くなったか分からん…それをアリさんから、解決に導く…
こんな獰猛なアリさんが、集団で襲って来たら、怖わ〜
いつも通り、最初はミイラ発見とショッキングな始まりやけど、それ以降は、ムシの行動をコツコツと。
生存本能のみで、生きてるだけに行動パターンを読み解くと正確な情報が!
しかし、調査が山とか森とか草叢とか…生傷だらけになりながら…
真実に迫るのは良いし、一番最初に辿り着くのも凄いけど、その分、身の危険がハンパない!
やはり、怖いのは人間様っすね!
アリさんより、ウジちゃんの方が好みではある^^;