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面白かった!刑務所で一生を終えるより身につけた職能を活かし火星で役立ちたいと、火星基地建設クルーのオファーに同意した無期懲役囚7人。前半は刑務所にいたほうがマシだったと思わせる精神的にも肉体的にも過酷な訓練。落伍せず火星に行けるのか!?後半は「聞いてないよ!」な過酷な条件のなか、事故、自殺でひとりまたひとり死んでいく火星基地建設チームの面々。やがてどう考えても殺人としか思えない事件が。。。と、飽きることなく楽しませていただきました!
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そうだよな~
「火星の人」では(ほかの作品でも)生存可能な施設から
物語がはじまるけど、何もないところに、
それも死と隣り合わせの、救援も期待できない、
何か欠けても年単位で待たなければならない、
戻ることすら困難な、そんなところに
一歩を踏みださなければならない、そういう人が
必要なんだよな~、と。
ミステリーサイドは正直ちょっと期待外れ。
でも読み終わってみて、章の初めに書かれている
記録が何を意味しているのか、読み終わったあとに
読み直して、物語を背景、舞台裏から完全にして、
囚人たちの、火星での人類のサバイバルが
いかに過酷であるのか、って思いにつながる。
続編は気になります。
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原題は「ONE WAY」(片道切符)、で、この邦題が妥当なのかどうか…
安心の金子浩訳、しかもSFというよりはNV寄りなので読み辛さはないものの、無駄にボリュームがある海外SFゆえ4日もかかってしまう。
感動の無い「宇宙兄弟」みたいな内容で、オチもまぁそんなとこだろうとは思うが、読後感としては「徒労」の2文字しかなく…
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殺人を犯し終身刑になったフランク。火星に基地を造るというプロジェクトに囚人たちが送られる。複数の囚人たちとのトレーニングから始まりその後火星へ。未知の場所での任務と生活を共にする囚人たちとの関係とそれぞれの思惑。火星でのサバイバルのような生活のなか不審な死が起き始めミステリーの要素も出てくる。一歩間違えばすぐに命を落とすという危険な場所、次々命を落としていく謎。SFでありながらクローズドサークルのような要素もあって面白い。
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火星の人の面白さには敵わないなという感想。
ミステリーっぽくもあり、サバイバルっぽくもある。
もっとミステリーよりにしたら面白くなったんじゃないかな。
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麻薬中毒になった息子を救うため、売人を殺害して120年の懲役に服することになったフランク。ある日訪ねてきた男から、火星への移住計画への協力を依頼される。危険を承知で、息子に父として何か残してやりたい一心で引き受けるが、それが想像を絶する事態の始まりだった。
面白かった!六つの航跡と少し設定が似てる(犯罪者、未知の星への移住計画)んだけど、展開は全然違う。今から20年後くらいの設定なんだけど、なんか妙にリアリティが。ゼウスが「北海油田で働いてた時もこんな感じだった」とフランクに話すシーンがあるけど、まさにそんな風に「現実にありそう!」っていう。
ミステリではなくSFなので、犯人というかカラクリには早めに気づいてしまうと思われるけど、とにかく黒幕にものすごくムカつく笑こと請け合いなので、最後はスカッと終わって良かったです。
と思ったら、続編が出ているらしい。ということは、まだまだ一筋縄では行かないのかなー。
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本作の特徴を箇条書きにすると以下の通りだと思う。
・SF
・ミステリ
・火星
ストーリーを一言でいうと、生きているうちに刑の見込みがない囚人を即席でトレーニングし、火星に送り込んで、NASAの正式な探査チームが到着する前に、恒久的な火星基地を建設させる。
こういうものです。
そして、これをNASAから請け負っている企業があって、その企業が所有している幾つかの刑務所から囚人を選び出しているのです。
これっておそらく、欧米では旧来、囚人を訓練して軍人とし、戦争に送り出すという習慣があるから発想されるのかな。日本ではないですよね。
しかし囚人、しかも死刑囚とか途方もない懲役刑(これも日本ではないけど、アメリカでは刑罰を累計して100年以上の懲役を科されている囚人がいるわけです)を科されている囚人から、減刑などと引き替えに志願させるとい形を取るわけで、ここが大切。
どんなにその後の扱いがひどくても、「本人が志願したのだ」と言い抜けられるのです。
人権問題にうるさい欧米でもこれは有力な言い訳になりますね。
そう。扱いがとてもひどい。何しろ普通は何年も訓練するだろうところ、「半年で」訓練を終えるんです。
当然、訓練が足りているとはいえない。
囚人は普通の宇宙飛行士と違い、冷凍睡眠で、貨物として宇宙船に積み込まれ、華やかに送り出される事がありませんし、氏名も公開されない、というかそういう囚人がいるという事さえ公開されません。名誉とは無縁です。
そして、火星で必要となる資材はぎりぎりのものしか送り込まれていない。
そう。破損していたり故障していたりしても、予備がないんです。
これはどうよ。火星ですよ。まだ何もなくて一から建設しなきゃいけない。なのに、予備も余裕もないのです。
人員もぎりぎりで、互いの技能をカバーできる人員は一名しかいない。
たとえば、主人公は建設作業の監督なのですが、同時に運転手のサブとなる事を命じられます。
資源はまず、「食糧と水、空気も足りなくなる」というところから判明します。
ちょっとー? と思うでしょう。
そして電源補助となるべきソーラーパネルの半分くらいが破損して到着している事がわかります。
さあ来た。
食糧、水、空気に加えて電源。
なんでも電気で動く(バギーだって電気自動車)である事を考えますと、これって生き延びられない可能性が限りなく高くなっていますね。
なんとか電力をやりくりし、基地の建物を完成して空気製造器を動かして与圧し、水生成装置で水を作って水耕栽培の農園を起動しなければ食べるものもない。
はい。サバイバルものが好きな方にはまことに好適です。
そしてこの過酷な環境のなか、ひとり、またひとりと仲間が死んでいくのです。
過酷な環境なんだから、誰かが命を落としても仕方がないよね。最初は誰でもそう思うでしょうが……。
次第に、その死亡状況が怪しいという事に主人公は気付きます。
いったい誰が仲間を殺しているのか。
実は主人公、仲間をスパイして背中を守ってくれれば��一緒に地球へ連れ帰ってやる。
監視役の、唯一の非囚人である社員の男からそう持ちかけられていました。
だから、厭でも犯人を見つけるべく動かないといけないのですね~。
囚人たちは、「囚人」というラベリングで十把一絡げにされているけれど、主人公が建設作業に詳しいように、あるいはプロの運転手であり、あるいは医者であり、あるいは天才的なハッカーであり、というように、それぞれが得がたい専門知識を持った人です。
しかし囚人である。
それも、重罪を犯して非常に長期の刑を言い渡されている。
だから、会社側は、使い捨てて全然OK! というスタンスなのです。
だからこそ訓練期間は短く、資源もぎりぎりのものしか届いていない、という事もわかってきます。
さあ。いったい火星基地はどうなるのか?
面白くないわけがありませんね。
各章の冒頭には、会社の社員同士の会話や、プロジェクトの責任者が担当取締役と思われる人物に報告しているシーンなどが、「××××ファイルの書き起こし」という注意書きつきで添付されています。
ここに、物語の謎を解く鍵が記されているのですが、それはパズルのピースのように、年月日もシーンもばらばらになっています。
本作はSF文庫に入ってますが、ミステリ文庫の方でもなんら問題がないと思う。
SFもミステリも好き、という人にはこたえられませんよ。
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500ページのミステリー
でも、半ばで筋書きが読めてしまった。SFとは言えないなぁ、これは。ミステリーとして面白いかな。
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「火星の人(オデッセイ)」ブームに乗っかって書かれたってハッキリ言っちゃう潔さ。火星で基地作りに従事させられる受刑者たちが次々と謎の死を!というキャッチーな内容だが、基地作りは淡々と順調だし気がつけば植物までわさわさしてるし、悪人がやっぱり悪人だしでちょっとがっかり。もっとこう、火星の極限状態を生かせなかったかなあ。
続編があるそうで、そっちのほうが状況的に楽しいかもという期待で星ひとつプラス。
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火星開発したいけど、予算もないし、過酷な環境で働かせることも難しい。ならば無期懲役の囚人たちを送り込み、火星でコロニーを作らせよう。
そんなわけで主人公は火星に行くのだが、どんどん仲間が死に、過酷な状況に追い込まれていく。そして合間に挟まれる不穏なパラグラフ。
けれども、先はどうなるんだろうと思わせる力はすごい。単純につらい、読むのやめようってなりそうなものなのに。
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コストの関係から、地球に戻って来られなくても構わない人、としてMB1(火星ベースワン)建設計画のメンバーに選ばれた、建設、農業、医療などのスキルを持つ、囚人のフランクたち。しかし、仲間たちが1人ずつ一見事故のように見える状況で死んでいき、彼らは疑心暗鬼に駆られていく…
SFとしては、細部の考察がしっかりしていて、引っかかる所はなかったと思う。一つ気を抜けば死ぬという緊迫感の中で話が進む。とても面白く読めた。しかし、ミステリとしては正直イマイチ。というのは、最初から誰が一番自由に動け、優位な立場にあるのかは明らかだから。フランクたちが、なぜいつまで経っても「彼」そして「彼ら」のことを疑おうともしないのか、途中からずっとヤキモキしながら読んでいた。「約束」のことがあるから、心理的に疑いたくない、っていうことはあるだろうが。ただ、火星を舞台としたクローズドサークルもの、というのは新しいと思った。
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#日本SF読者クラブ なぜか火星は人を惹きつける。事実上終身刑の七人の囚人と監督役が火星に基地建設のため送り込まれる。そこで一人また一人と囚人が亡くなっていく。事故か殺人か。ベストセラーになった「火星の人」の二匹目のドジョウを狙って、出版社が企画した作品。ミステリー色は強くない。だいたい犯人の目星はついてしまうし、トリックといったものない。「火星の人」ほどのハラハラ・ドキドキ感もない。二番煎じと言われてもしかたないし、読みやすいが無駄にページ数が多い。
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クルーが次々と死んでゆく、犯人は?しかも火星が舞台なので孤立無援。
そこまでは面白かったが、終わり方が今ひとつ。
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何か技術を持った死刑囚たちが、地球ではなく火星で、無期懲役のように死ぬまで働き続ける話。
火星に行くまでの展開で「友達」ではないけれど「上手くやっていける人たち」として希望のある気持ちにさせての火星に着いてからの展開は本当にしんどかった。
それらを踏まえた上で、フランクが最後の相手に向けた言葉、どんな思いで発せられたものだったんだろう。
『星を継ぐもの』の時も思ったけど、SFで専門用語がめちゃ出てきて謎解きをするくだりはとても苦手だ。目が滑るし、説得力のあるミステリは求めていないので。
そもそもミステリの要素いるか?感だった。
「なんと!あいつは!!ヤク中だったのだ!!!」みたいなのも「え?そうでしょ?」みたいな...
それでも、落ち込んで考えてしまう(つまり良いな〜って思う)話だった。
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先に読むのは”火星の人”にして。
こちらは、秋に片足残したくらいの
平日、仕事切り上げた午後。
そぼふる雨に吹かれながら読むのがいい。
3億キロの距離も、
幾分かは近くなっている様な心持ちは
私だけか。