電子書籍
哲学的~!
2022/01/10 21:48
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投稿者:けいちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
小説形式で、ストーリーやキャラクターも面白い。それでいて、「正義」について考えることができる、哲学的~!な本です。
功利主義、自由主義、直観主義、構造主義、ポスト構造主義という概念が分かりやすく語られ、それぞれのキャラクターとの対比もあり、とても理解しやすいです。
自分が「善い」と思ったことをすることが「正義」であり、その結論とストーリーの結末と相まって、とても哲学的~!な内容でした。
世の中の色々なところで「正義」の名の下に不正義が行われている時代に、読むべき一冊です。
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公と女の子三人が、正義について議論するんですが、正義の価値観が強烈で、だからこそわかりやすかった。
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【書評】哲学の教科書はこれ一冊でOK!『正義の教室 善く生きるための哲学入門』
「哲学」「正義」と聞くと堅苦しく、難しい...と考える人も多いのではないだろうか。
本書では1人の青年と3人の女子との会話を通して、分かりやすく哲学について学ぶことができる。
本書では3人の女子がそれぞれの正義論を展開し、青年がその論について考察していく。
実際哲学には3種の正義があり、3人の女子がそれを体現しているストーリーとなっている。
興味深いのは3種とも必ず説明の後に「問題点」を考える章があることだ。
2500年経っても結論が出ていないほど「正義」の定義は難しいのだ。
最後は「構造主義」と筆者の結論で締めくくられている。
「人間は社会システムを変えることも抜け出すことも絶対にできない」というのが構造主義。
ここが今の所「正義」のゴールとなっている。
上記は納得がいくし、これからより進行していくだろう。
筆者の結論については、ぜひ本書を手に取っていただきたい。
思うに上記に対して考え、自分なりの答えを出すことが大事なのではないだろうか。
2500年経っても出ていない答えを、我々が出せるとは到底思えない。
だが、人生の中で数々の逃れられない選択の場に直面した時に「自身の正義」が必ず必要になる。
日々考え、自分の正義を見つけるために哲学がそのベースになるのではないだろうか。
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「正義」とか「これが正しい」とか、普段よく考えずに使っている言葉を見直したくなる本。
「人に見られている見られていないに関わらず、自分がやるべきと思ったことは、自分にとっては善いこと」っていうのが、この本での主張。絶対的な正義なんて有り得ないから、自分が正しいと思うことをするしかないということなんだろうか。もちろん、この考えも絶対でないことを承知しておかなければいけないけれど。
エピローグが良い気持ちしなかった。良い気持ちしなかった、とか言ってることが、この本を理解できていないということなのかもしれんが。
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善く生きるための哲学を、高校の生徒会活動のストーリーを使って分かりやすく説明した本。
今まで、哲学、正義などの論争は一切興味が無く、むしろ毛嫌いしていたが、この本は初心者にも非常に分かりやすく、読みやすくまとまっている。
3種の正義、平等、自由、宗教がある事を知り、少し世界観が広がった気がする。流石にこれ以上突っ込んで勉強する事まではできないが、良書だと思う。
個人的には、最後のストーリーが.....
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一気に読ませる力がある。正義とは何か?功利主義、自由主義、直観主義の3つのモノサシについて、倫理の授業と生徒会役員室で、主人公たちが議論を繰り広げる。果たして正義に誰もが納得できる答えはあるのか?結末には驚いたけど、納得はできた。『君たちはどう生きるか』を再読したくなった。
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飲茶さんの本は分かりやすいし、タメになる。
アメコミって、正義同士で対立することがある。
X-MENは、自由と平等で戦ってるんだなと抽象化できた。
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衝撃の結末には少し笑った。そんな展開とは!想像できなかった。が、それが正義のまとめなのだと理解した。
サブタイトルのとおり、とても分かりやすい哲学入門だったが、普通の小説としてもとても面白かった。
これまでいくつかの哲学の本をよんだが、多くが結局は分かったような分からないようなモヤモヤした感じで終わるものだった。
しかし、この本は次が気になってあっという間に読み終わった。
子供たちにも読ませたい。
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飲茶さんは簡単な言葉で的確にざっと説明してくれるから好き、作者の一方的な説明ではい終わり!わかり易かったでしょ?え?でだいたい終わる本が多いけどこれは違う
説明ももちろんあるがそれとは別に我々哲学倫理学に精通していないもしくは未熟な者の視点からの意見もあげられそれに対する意見批評が書かれているので理解が本当に楽。
ただ小説調なのであとから見返したとき「どこにどんなことが書かれてたっけ?」ってなっても1からもしくは章節から読み始めないといけないのがなあ
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パノプティコンっていうワードを覚えました。
総監視社会は止められない。
ではその中でどう生きていくか?
どんな物差しで行動をはかっていくか。
基本になる心理学について、小説仕立てで分かりやすく小学校高学年くらいから読めるかな。
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入門としての知識が纏まってるだけじゃなくて、小説としてちゃんと展開が考えられてるのでIQ2でもザクザク読めた
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三種の正義
平等
平等の正義 功利主義 最大多数の最大幸福 ベンサム 快楽計算
自由
自由の正義 自由主義 弱い自由主義と強い自由主義 愚行権 人間には自分の意思で不幸になる権利がある
弱い自由 自由より幸福 功利主義
強い自由 幸福より自由
宗教
宗教の正義
直観主義 枠の外側 イデア論 ソクラテスとニーチェ
ロールズ 無知のベール をかぶると排除される側だったらと想定するよね。
格差原理 ベール被ると、金持ちだったらの私と貧乏だったらの私を想像する。裕福な暮らし認めるけど、最低保障もしてよね。
善や正義は枠の外
直観主義は、直ちに観る 正義の概念を直接的に観る
相対主義 他と比べて価値が決まる。ゆえに絶対的なものはない
絶対主義 絶対正しい、善いというものが存在する ソクラテス 善く生きる
プラトン イデア論 善や正義のイデア 概念は物質を超えた世界に存在してる
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最初ラノベ部分がダルいなーと思ってたけど、自分の様な哲学初心者にとても分かりやすい一冊だった。ここから始めて、物足りなければ2冊目以降に行くのが良さそう。オチで爆笑したので星5。
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哲学という勉強をそういえばしてこなかった
わかりやすそうな良い本はないかと思っていたところ
佐藤優氏(作家・元外務省主任分析官)
「抜群に面白い。サンデル教授の正義論よりもずっとためになる」
とあるではないか‼︎
というわけでこちらに決定
30人の幼児と自分の娘、どちらを助ける?
ソクラテス、プラトン、ベンサム、
キルケゴール、ニーチェ、ロールズ、フーコーetc。
哲学者たちは「正義」をどう考えたのか
---備忘録---
★正義の判断基準は3つ
①平等
②自由
③宗教
①「平等の正義」
・功利主義
・幸福を重視せよ
『全員の幸福度を計算し、その合計値が一番大きくなる行動をしなさい!それが正義だ』
・この定義における悪とは…
正当な理由もなく、人間を差別して平等に扱わない行為
○功利主義とは幸福主義
物事の正しさを幸福の量によって決めよう
○『功利主義」創始者ベンサム(イギリスの哲学者、法律家)
■ベンサム式幸福の定義
幸福→快楽が増加or苦痛が減少
不幸→快楽が減少or苦痛が増加
■ベンサムの発明「パノプティコン(刑務所)」
中心に監視塔をもつ円形の刑務所
監視塔にはブラインドがあり、囚人側から看守の姿は見えないが、囚人は常に見られているかもしれない…というシステム
○「功利主義」の問題点
・幸福度を客観的に計算できるのか
・身体的な快楽が幸福だと言えるのか
・功利主義は強権的になりがちというパターナリズムの問題
例)強い者が弱い者のためだとして、本人の意思を問わずに干渉や支援をする 他人を抑圧する行為になりかねない
共産主義…平等の正義を旨とし全体の幸福度の最大化を目指す→強権的で抑圧的な政治体制になる
②「自由の正義」
・自由主義
・自由を重視せよ
・『個人の自由を守る行動をしなさい!それが正義だ』
・この定義における悪…
人間の自由に生きる権利を奪う行為
○弱い自由主義(リベラリズム)
・自由主義の皮を被った功利主義
自由はあくまでも幸福度を増大させるための道具、手段に過ぎない 幸福度の減少につながるとしたら自由を制限しようとする
自由よりも幸福を上位においている
○強い自由主義(リバタリアリズム)
・幸福は関係なく、基本的権利である『自由』を守ることであり、そこから生じる結果は一切問わない
・他人の自由を侵害しない限り、すべて自由
○「自由主義」の問題点
・富の再配分の停止による格差の拡大、弱者の排除
・自己責任、個人主義の横行によるモラルの低下
・当人同士の合意による非道徳行為の増加
例)臓器売買、人身売買、人肉食
③「宗教の正義」
・直観主義
・道徳を重視せよ
・『良心に従って道徳的な行為をしなさい!それが正義だ』
・この定義における悪
宗教または伝統的な価値を破壊する行為
○相対主義vs絶対主義
・相対主義…物事の価値は他との関係性によって決まるのだから絶対的なものはない
・絶対主義…絶対的に正しい、絶対的に善い、といったものがこの世に存在する(ソクラテス)
○原子論vsイデア論
・原子論…モノは分割していくと原子というそれ以上分割できない小さな粒になり、すべてのモノはその小さな粒からできている
即ち世界は物質の集まりでそれ以上でも以下でもない
だからそんなものに善いも悪いもない
・イデア論…善や正義などの概念(イデア)は、物質を超えた世界に存在している(プラトン)
人間が存在するより前に、善という概念が宇宙に存在していた
○唯名論vs実在論
・唯名論…唯の名前だよ論
・実在論…実在するんだよ論
絶対的に正しいと断言できる普遍的な善が実在する
○経験主義vs合理主義
・経験主義…人間が思い浮かべられる概念はすべて経験から作られたものでそれ以上でも以下でもない
・合理主義…合理的に理性を働かせれば、人間は絶対的な正しさに到達できる(デカルト)
合理的な思索で神の存在を証明できる
つまり善の証明も同じくできる
○ニーチェ「神は死んだ」
・実存主義…『真理』『善』『正義』など超越的な存在を否定
そういったものを信じるから人間は生きる意味を失った
神や善や道徳を支配者が人間を都合よく大人しくさせるための抑圧の道具に過ぎない
実存に目を向けた生き方をせよと訴える
■善を追求する哲学をソクラテスが始めて、ニーチェがそれを終わらせた
○直観主義の問題点
・人間に正義を直感なんてできない
・人間に完全な正義がわかるわけがない
・人間(有限)が正義(無限)を計り知ることはできない
★最後の哲学者フーコー
『監獄の誕生』
18世紀頃まで…犯罪者は火あぶりなどの公開処刑
19世紀以降…監獄や刑務所というシステムが確立
刑務所のシステム
「異常者(囚人)』を保護して「正常人(一般人)」に矯正する
そのためには、囚人を一定の規律に従わせ、その行動を監視する
→我々の社会は『監視による矯正』という構造で出来上がっている
現代
監視カメラ、盗聴器、SNSなどが監視する
このシステムは中枢がなく破壊ができない
人間は自分を支配する構造(社会システム)を、自らの意志で変えることも抜け出すこともできない
ではどうすれば他者の視線に操られることなく、自由で幸福な人生をを送ることができるか
他人の視線がないときに、どう生きるべきだと思う人間なのか
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考えさせられた!
なんか哲学者たちの屁理屈や自己満足と思うところも多々あったりするのだが、いやいや彼らの惜しみない尽力!と感動したり…
千差万別の価値観を一生懸命分析したり、なんか人間て捨てたもんじゃないよなぁ(笑)
そして非常にわかりやすく楽しめた
例えがたくさんあり、導きがあり、そしてわかりやすい登場人物が居てくれたおかげで楽しく読み切れた!
重いテーマなはずだし、ス��ーリー中も心を傷める部分もあるが、彼らの若さがカバーしてくれる
哲学に興味があるが、難しいことはわからない私のような初心者にはとてもオススメだ
ただねぇ…
最後のオチ?
最後のシメ?
なのか…
なんじゃこりゃ?
うーん
作者としてはたぶん大満足のエンディング、落ちどころなのはわかるが…
うーん
どうも納得がいかないのは私だけだろうか…⁇
うーん
ここだけが……ねぇ
うーん
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平等の正義、自由の正義、宗教(直感)の正義
世界は大きく分けて三つの正義がある。これこそが正義だ、と決め付けることではなく、自分自身が善いと思う行為をすることが正義になる。功利主義や自由主義など倫理で学ぶことを物語形式で分かりやすく書かれている。最後のオチが意外であったが、この本の目的を考えると何となく理解できた。とても面白い!2020年最初の本で良かったと思えた。