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商品説明
選択と集中・受益者負担・偽の無償化・大学の社会貢献。全部まとめてサヨウナラ。奨学金による借金がある大学非常勤講師が大学無償化の思想や奨学金問題を論じる。2020年度開始「高等教育の修学支援制度」の問題点も解説。〔「学生に賃金を」(2015年刊)の改題完全版〕【「TRC MARC」の商品解説】
大学に将来はない。いま死んでもいい。いまこの一瞬だけを永遠に繰り返していたい。これを読んだら死んでもいい、そんな本にであってみたい。これをやったら死んでもいい、そんなセックスをしてみたい。人間にとって、それ以上にだいじなことはあるだろうか。TIME GOES AROUND 愛を握りしめ、TIME GOES AROUND おまえを放さない。
ふだん、わたしたちは将来に飼いならされている。よりよくなれ。みんなからもっと使えるやつだとおもわれたい。でもそれがあたりまえになってしまうと、たとえ死ぬほどツライ目にあったとしても、いまはガマンだと耐え忍んでしまう。メンタルを病んでも、体を壊しても。
だが、いちどでもいい。永遠のいまを感じたことがあるならば、身体が勝手にうごきだす。みんなにどうおもわれるかなんて関係ない。やるならいましかない、いつだっていましかない。スマホを地面に叩きつけ、未知の彼岸で踊りだす。
大学無償化とは、この将来でがんじがらめの世のなかで、たった四年間でもいい、いまを生きる機会をつくりだそうというものだ。授業料は全員タダ。全員に生活費がくばられる。みんなそうだから負い目なんて感じない。
日本の大学はこれに逆行することばかりやってきた。高い学費、奨学金で借金漬け。カネをだしてくれたひとに恩を感じさせ、それに報いることを意識させる。いま政府が「無償化」を謳っているのも同じことだ。一、二割の貧しい世帯だけにカネをだし、かれらに極度の負い目をうえつける。お世話になったみなさんのためにも、将来、立派な人間になりましょう? 封建かよ。
偽りの「無償化」はもうたくさん。学費は高いぞ。奨学金は借金だぞ。借金のとりたてはきびしいぞ。そろそろ、将来のくびきを断ち切って、真の無償化をかちとろう。学費はゼロ。奨学金なんてこわくない、返さなくてもいいのなら。逃げろ。この腐った世界から転がっていこうぜ。いまが最高!(くりはら・やすし)【商品解説】
著者紹介
栗原康
- 略歴
- 〈栗原康〉1979年埼玉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程満期退学。東北芸術工科大学非常勤講師。専門はアナキズム研究。著書に「G8サミット体制とはなにか」「大杉栄伝」など。
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