電子書籍
我慢を強いられる"しんどさ"に向き合う本
2020/06/27 11:13
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くらげ - この投稿者のレビュー一覧を見る
田房永子さんの絵がかわいいので多少マイルドに読めるが描いてあることはかなりリアルで"しんどい"。
特に、声を上げることのハードルを感じさせる池の比喩表現。陸の上で暮らしたいのに、苦しくても池の中に居させられる女性たちが水のなかでわざわざ竹筒を使って呼吸する、という比喩の描写に心当たりがあり本当にしんどいな、と思う。
差別や性被害に対して声を上げようとしても、苦しくない人たちからも同じように苦しいはずの人たちからも窘められ、なんだか中途半端な方法で我慢させられる、という社会構造をわかりやすく描き出している。私達は皆ひとしく同じように陸で暮らしたいだけなのに、池の中にいることを強いられている。私はこうした社会構造を、社会人になるまではっきり認識していなかった。自分が学生の頃に読んでいたかった本。
尚、社会の意識の変容についても書かれており、慣習化されていることでもおかしいことには目を向け(時には疲弊することがあっても)意見し続けたいと感じた。
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こんな時代があったのか
2021/08/04 16:01
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なず - この投稿者のレビュー一覧を見る
20代ですが、こんな時代があったんだなぁという感想で、あまり共感できる内容ではありませんでした。
テレワークで通勤もないので痴漢には会わないし、女性だからといって差別的な発言をされたこともない世代には刺さらない内容かと思います。昔は大変だったという歴史の教科書のような感覚です。この世代の人たちと比べたら今はとても恵まれているんだと思いました。
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私は東京育ちだけど、ほとんど痴漢に遭ったことがないのだが、理由は分からない。
本書にも、「制服を着なくなると一気に減る」とあったので、私服の高校だったせいもあるのかな。
触られたことはないけど、電車とバスで座席やドア横のポジションに囲われるようにされたことはあり、あれは怖かった。
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相変わらず読みやすい。
痴漢の話は自分の経験もあるし、いくつか記事なども読んで痴漢する側の心理なども知ってはいたが、痴漢をされたことがない人、そういう話を聞いたことのない人ならレア事象としか捉えられてないことには驚いた。
痴漢の章では痴漢を取り巻く、社会、警察、弁護士にネットの意見など俯瞰的にみてクソな土壌が出来上がってて、日本社会から痴漢がなくなるにはあと何十年何百年かかるのだろうという気持ちです。
また、夫との会話で、頼れる男としてみてほしいから、自分のほうが知ってる風を装う会話のやり取りも、よく見る男が無知な女に教えてあげるを取らせる構図だな〜〜って。
あと、ジェンダーに関する問題で、女が女を黙らせにくる、こと程ショックが大きいものってないよねと思うのでした、、、
黙って耐えるしかない、その環境に適応していく、いずれ慣れていく、そうしたら楽なのかもしれないけど、本当の意味で楽になっているのかといったら違いますよね。
女が家事育児する前提で作られた社会の章に関しても、そういう社会で育ってきたから女は育児、女には仕事なんてっていう意識が内在化されてしまっていることにはうなずいてしまった。フェミニズムという潮流が盛んになってあれこれとおかしなことに気付いても、知らない間に内在化された意識に誘導されてしまっていることって度々あるよね。
最後の田房さんが声をあげたら炎上しておヒレがついてあらぬ方向に行ってしまった話も、まず声を上げることには勇気がいるし、なにより今後自分の人生に関わってくることもないだろう外野にとやかく言われることのエネルギーの消耗は半端ないので、半年離れたのは賢明な選択だと思ったし、漫画という自分のフィールドで今後も活躍していってほしいと思ったのでした。
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「男社会」に生きる男。として気付くべきことがある、ということにすら気付けてなかった身としては、大変恥ずかしい限りでした。
そして私はキッカケがあって知れたからわかったこと。をまだ知らないから理解できてない人もたくさんいるのだと思う。そのキッカケになれる大事な1冊。
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国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→
https://winet.nwec.jp/bunken/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=BB11471481&opkey=B160888345873444&start=1&totalnum=1&listnum=0&place=&list_disp=100&list_sort=0&cmode=0&chk_st=0&check=0
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2021.1.27
エッセイかと思って借りたら漫画だった。
もう、ザクザク刺さりすぎて、その通り過ぎて、こんな社会に生きてるのか…と絶望しかなくて、読むのが本当にしんどかった。
見たくなかった、知りたくなかったことに蓋をして生きてきたけどよく考えたらひどいことっていっぱいある。はぁ、生きることってしんどい…。
でも、ネットとSNSで少しずつ、少しずつ今まで声を上げられなかった人たちが声を上げ始めていることに希望を持ちたい。
私たちの時代はまともな性教育を親からも学校からもしてもらってなくて、これから性教育も、ジェンダーについても、息子にどう教えていけば良いか悩みます。
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近年の社会問題や、問題意識を漫画スタイルで濃く表現されていました。“竹スー”がツボ。長い年月を掛けて、人生の先輩たちが声を上げ続けてくれたお陰でゆ~くり、ゆっくり生きやすい改善された世の中になって来たのだなぁと、気付き思い起こすことも幾つか。
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私が男性が嫌いな理由はこれだったんですね。私は作者同様の視線で男性を捉えています。
ホモソーシャルという性愛を伴わない男同士の絆。小さい頃から強くあれと育てられ本当は弱い自分を乗り越えられず母と同性の女性を支配下に置いてやっと自分は強くなったと安心する。本来であればこういった葛藤は自分の中で折り合いを付けて乗り越えていくのが健全な自立の仕方。日本男性はもっと自立しないと世界に追いつけない。日本の男女平等率は世界でも最下位に近いのだ。
女性は男性と同じ価値を持つ。同じ人間なのだ。
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怒りには共感。
今まで黙殺されてきた問題提起のスタート地点として、著者がマンガに書こうと思ってくれたことには同じ女性として感謝したい。
しかしただ怒っているだけで、どうすればこの問題がなくせるか、そのためにどう行動すれば良いか等あまり深くは掘り下げられていなかったので読後感は良くない。これからですね。怒りを吐き出してすっきりするのもありだけど、そこで終わらせず、行動を起こして社会を変えていってほしい、変えていきたいと思った。
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そうか!制服着てるとそれが痴漢にとってのアイコン(この人が旬だよ)になっちゃうのか!
だから高校を卒業し、社会人になった後でだとあまり痴漢に合うことが少なくなったのか!と納得。
男の人が若い女性を狙ってする痴漢って、攻略とか趣味?のような感じになってるのかな。
思えばすごい度胸だよな。だから線路に降りて走って逃げるような事がたまにあるのか。頭の中の教育がなってないのもあるが、それはエロ本やAVの作り方が攻撃的な、相手を慮らない勝手な行為にエロスを感じるように導かれた結果なんだろうが。
電車内の痴漢て、日本にしかほとんど無い犯罪。
韓国や日本て、男尊女卑から来てる性犯罪多すぎ。まず政治の世界がじじー達ばかりという老害から変えてかないとダメなのか?罰や刑が軽すぎる。
私はしょっちゅう日本から脱出したくなりますが…。
本中の弁護士の人はこういう人が本当に多いです。仕事放棄としか思えないが、法律がおかしいので、悪気はないんでしょうが。そして警察官も。セカンドレイプのような思いをさせられます。男の人もどんどん痴漢に遭えばいいんだよ。そしたら赤の他人に自分の事を勝手にされる恐怖を味わったら簡単な事を言えなくなる。
海外で外人男に襲われかけた知人男性は、こういう話題には実感を伴って賛同しますよ。
自分の夫や子供へ考え方や対応の仕方(目の前の犯罪を無視しないとか)を出来るだけ教育してくしか無いんでしょうね。そして何かにつけて声を上げるのが大事。うるさいおばさんとして、機会があれば私も自分なりに声を上げています。
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痴漢、子育て問題。
そう語られない痴漢の話ですが、えん罪もありますし
その後の展開も時間とられるし…。
結局男女平等と言っても、男社会で
男性有利、な部分は大量に。
でも男性は何故、自分誘われている、と
勘違いしているのでしょうか??
そこもちょっと知りたいです。
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共感出来るものがたくさんあった。
こういった実録や問題提起はどんどん世に出てほしい。色んな視点から描かれたものが、人々の『知らなかった』を埋めてくれると思う。
男性だからわからないこと、
女性だからわからないこと、
体験したことないからわからないこと、
自分の時代とは違うからわからないこと、
世の中には知らないことやわからないことがたくさんある。
だけど、知らなくても理解しようとしてほしい。
自分とは違う意見があることを知ってほしい。
今の日本はディベートする機会さえ潰している。
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書いてくれた頑張りに星を一つ多くつけました。
ありがとう!田房さん!
こんなに痴漢が多いってことは、ほとんどの男性が痴漢の経験があるんじゃないかという疑いを持つことも。
平素は訳知り顔の普通の人の顔してても、実は変態なのでは?と思う瞬間もあります。
痴漢たちの、そのナルシストぶりと客観性のなさが気持ち悪くてうげーです。
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誰かが感じていることや世の中で報じられることは自分が関与しうる社会で起きていること
誰かの痛みや苦しみはその人自身が感じるものであって評価されるようなものでもない
自分自身が感じている苦しみとは別のものとしてこの本に書かれている苦しみを捉えると、苦しみを訴える内容が伝わってくる