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商品説明
IoT全体のシステムにおけるデータ伝送性能を計画設計する上で重要な伝送解析技術を扱い、通信性能解析手法を実際の例に当てはめて詳述する。著者が30年以上にわたり蓄積してきた実務経験をまとめたもの。【「TRC MARC」の商品解説】
【書籍の特徴】
クラウド側インターネット通信を代表するTCP通信性能解析技術はすでに確立された感があり,専門書も過去に多く出版されている。しかし,loTのThings側となる機器やセンサとのエッジ側の低速な制御ネットワークやセンサネットワークにおけるデータ伝送性能解析に関する書籍はあまり出版されていない。さらに,高速なクラウド側通信から低速なエッジ側通信へのエッジゲートウェイ性能解析に関しては,まったく出版されていない。
本書は,IoTが今後進化したとしても,その基礎となる一生モノの通信性能解析手法を示すというコンセプトのもと,これまで多く出版されてきたloTビジネス本あるいは実装ハウツー本とは一線を画し,loT全体システムにおけるデータ伝送性能を計画設計するうえでの肝である,過渡的通信性能解析のための稀有な専門書である。
具体的には, IoTクラウド側TCP, UDP, Web, SOAPデータ伝送性能,および,IoTエッジ側CSMA型,マルチホップ型データ伝送性能,さらに,ゲートウェイ受信バッファ,送信パケット組立データ伝送性能の解析技術を扱った。また,その通信性能解析の数理的ツールとしては,確率過程,待ち行列,マルコフ過程,通信トラフィックシミュレータといった普遍的な解析手法を実際の例に当てはめて,その使い方を詳述している。
【読者へのメッセージ】
私は,メーカ技術者として長年にわたり通信制御の開発に携わり,その後,大学教員に転身しました。ともすれば早急な解決を迫られる開発現場の状況も熟知しています。その経験の中で,通信特性や過渡現象の予測の重要性を強く意識してきました。
通信システムの計画設計では,建築構造設計や電気回路設計という工学分野に比べて,「通信接続させてみて状況をみる」という文化が根強いように思われます。また,通信システムを計画設計するとき,「どうせ通信トラフィックを事前解析しても・・・・」「平常状態でなく過渡状態の解析モデルがない・・・」などという悩みがあることでしょう。
たしかに,現実の通信性能は,確率事象がからみあって起こっている複雑で不確定な事象ですね。単純化したモデルでは,予測と現実の性能数値が合うことは,限られた条件だけであることは同感です。
しかし,そこでシミュレーションや理論解析を「役に立たない」と切り捨てるのではなく,必要な精度で合わなくても振舞いの大局的な理解を我慢強く追及してほしいです。特に,学生の皆さんには,本書の基本理論を身に着けて,その先の何十年ものキャリアの中で,現実の複雑さと折り合いをつけながら基本理論を育てていってほしいと思います。
技術者や研究者や大学院生の皆さんが,実際のIoTシステム開発や運用において,本書で示した通信性能解析手法を使用してみて,その有用性を評価していただければ,私にとってこんなうれしい人生はありません。【商品解説】
目次
- 1.IoT通信性能解析
- 1.1 IoTの概要
- 1.1.1 IoTとは
- 1.1.2 IoT応用サービス
- 1.2 IoT通信の特徴
- 1.2.1 IoT通信アーキテクチャ
- 1.2.2 IoT通信プロトコル
- 1.3 IoTの通信性能解析
- 1.3.1 通信性能解析は必要か
- 1.3.2 通信トラフィック過渡状態
著者紹介
蜷川 忠三
- 略歴
- 〈蜷川忠三〉米国ワシントン大学大学院修了(コンピュータサイエンス専攻)。博士(工学)(名古屋大学)。岐阜大学特任教授。
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