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商品説明
心にこだまする言葉
金子みすゞは明治時代に生まれ、大正中期から昭和初期に活躍した詩人。
主に童謡詩を書いたことから、みすゞ本人も童女のようなイメージを持たれがちだが、
豊かな空想や子ども心のほかに、漁村や都会の心象風景、人間の孤独、世界の成り立ちなど、
幅広いテーマで500篇以上の詩を書いた意欲的な文学者であり、日本を代表する女性詩人の一人。
テキストでは、大正デモクラシーに誕生した「童謡詩」が、昭和の戦争の時代に衰退していく時代背景、
みすゞの26年の生涯を紹介しながら、傑作詩28作品を読解する。
みすゞ全集刊行の前後を伝える実弟の日記も初公開。
(目次)
はじめに 聖女から詩人へ
第1回 詩心の原風景~童謡詩の誕生
第2回 視点の逆転、想像の飛躍~投稿詩人の誕生
第3回 「孤独」と「死」を見つめて~童謡詩の衰退
第4回 ことばで響き合う未来へ~童謡とみすゞの復活
写真・図版60点、関連年表、みすゞの投稿作品の順位表、本文中の76項目を解説する脚注など充実の資料付。【商品解説】
目次
- はじめに 聖女から詩人へ
- 第1回 詩心の原風景~童謡詩の誕生
- 第2回 視点の逆転、想像の飛躍~投稿詩人の誕生
- 第3回 「孤独」と「死」を見つめて~童謡詩の衰退
- 第4回 ことばで響き合う未来へ~童謡とみすゞの復活
- 写真・図版60点、関連年表、みすゞの投稿作品の順位表、本文中の76項目を解説する脚注など充実の資料付。
著者紹介
松本 侑子
- 略歴
- 島根県出雲市生まれ、筑波大学卒。『巨食症の明けない夜明け』(集英社)ですばる文学賞、評伝小説『恋の蛍 山崎富栄と太宰治』(光文社文庫)で新田次郎文学賞。著作はイタリア、中国、韓国で翻訳出版される。『赤毛のアン』シリーズ(文春文庫)の日本初の全文訳を手がけ、作中の英米詩、シェイクスピア劇、聖書など数百項目を訳註で解説。金子みすゞの弟で脚本家の上山雅輔の日記と回想録を読解して小説『みすゞと雅輔』(新潮文庫)を発表。著書に幕末小説『島燃ゆ 隠岐騒動』(光文社文庫)、『英語で楽しむ赤毛のアン』(ジャパンタイムズ)など。趣味は編み物、洋裁、「すてきにハンドメイド」鑑賞。
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紙の本
時代に翻弄されたみすゞ
2022/02/17 03:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ダックスフンドはドイツ語 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私が金子みすゞの詩に接した一つは、NHK「にほんごであそぼ」で、みすずの「私と小鳥とすずと」にメロディーを付けたものを、何とKONISHIKIさんが歌ったものだった。
「鈴と、小鳥と、それから私 みんなちがって、みんないい。」殆どの人は、人間至上主義だ。人間が一番偉いと当たり前に思ってる。しかし、みすゞは、鈴や小鳥と自分を並べ「みんなちがってみんないい」と言っている。何かで劣等感持つ人は、この詩にどれだけ励まされたことか。
槇原敬之が書いた「世界で一つだけの花」も、みすゞの詩を彷彿させる。インスピレーションを受けたのだろうか?
漁で捕られ、人間に食べられる魚や、常に弱いものに目線を向けていたみすゞだが、時代の逆境が、彼女を追い詰めた。ラジオなどの登場により、本としての詩集が売れなくなったこと。
戦争が進み、軍歌のような戦意を鼓舞する歌に取って代わられたことなど。遂には、自分の死後に詩集が出ることに一縷の望みを懸けて、26歳の若さで自殺。
私の憶測だが、みすゞは、西條八十に恋心を抱いてたように思う。自分の作品を評価してくれる兄的存在。西條がフランスに渡ってから、みすゞの運気は傾いてしまったようだ。彼がみすゞに「一緒にフランスへ行こう」と誘っていたら、みすゞの運命は全く違ってたのだろうなとふと思う。
この本の「みすゞ論」は全体に面白かったが、少し気になる点は、みすゞが生きた社会は、男尊女卑であった、みすゞは男社会の犠牲となったと強調されてるところだ。確かにそうだったのだろうが、その時代の一般の女性たちは、そもそも、みすゞのように大好きな詩を書いて、同業者と渡り歩くことすらできず、ひたすら家事と育児に追われるだけだった。みすゞを羨ましがる女性は多くいたことだろう。