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紙の本
荒城に白百合ありて (角川文庫)
著者 須賀 しのぶ (著)
昌平坂学問所で学ぶ薩摩藩士の岡元伊織は、安政の大地震の日にひとりさまよい歩く美しい少女を見つける。それが、伊織の運命を揺るがす青垣鏡子という女との出会いであった…。〔20...
荒城に白百合ありて (角川文庫)
荒城に白百合ありて
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商品説明
昌平坂学問所で学ぶ薩摩藩士の岡元伊織は、安政の大地震の日にひとりさまよい歩く美しい少女を見つける。それが、伊織の運命を揺るがす青垣鏡子という女との出会いであった…。〔2019年刊の加筆修正〕【「TRC MARC」の商品解説】
森名幸子から見て、母の鏡子は完璧な会津婦人だった。江戸で生まれ育った母は教養高く、武芸にも秀でており、幸子の誇りで憧れだった。
薩長軍が城下に迫り、白装束を差し出して幸子に自害を迫った時も、母の仮面が崩れる事はなかった。
しかし、自害の直前に老僕が差し出した一通の手紙が、母の、そして幸子の運命を大きく変えた。
手紙から視線を外し、再び幸子を見た母は、いつもの母とは違うものに変わってしまっていた。その視線を見て、幸子は悟った。
――母は、この美しい人は、いまこの瞬間、はじめて私を「見た」のだ、と。
薩摩藩士の青年・岡元伊織は昌平坂学問所で学ぶ俊才であったが、攘夷に沸く学友のように新たな世への期待を抱ききれずにいた。
そんな中、伊織は安政の大地震の際に燃え盛る江戸の町でひとりさ迷い歩く、美しい少女と出会う。あやかしのような彼女は聞いた。
「このくには、終わるの?」と。伊織は悟った。「彼女は自分と同じこの世に馴染めぬいきものである」と。
それが、伊織の運命を揺るがす青垣鏡子という女との出会いであった。魂から惹かれあう二人だが、幕末という「世界の終わり」は着実に近づいていて――。
この世界で、ともに生きられない。だから、あなたとここで死にたい。
稀代のストーリーテラーが放つ、幕末悲劇、いま開幕。【商品解説】
目次
- 序
- 第一章
- 第二章
- 第三章
- 第四章
- 第五章
- 解説 吉田大助
著者紹介
須賀 しのぶ
- 略歴
- 『惑星童話』にて94年コバルト読者大賞を受賞しデビュー。『流血女神伝』など数々のヒットシリーズを持ち、魅力的な人物造詣とリアルで血の通った歴史観で、近年一般小説ジャンルでも熱い支持を集めている。2016年『革命前夜』で大藪春彦賞、17年『また、桜の国で』で直木賞候補。その他の著書に『芙蓉千里』『神の棘』『夏空白花』など。
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