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感動した。感動した。これほどまでに大傑作の青春ミステリーは読んだことがありません。はじめのうちはミステリー要素がなく単なる青春物語風かと思いましたが読み進めて行くと手に汗にぎる感動作でした。黄色いバトンがラスト近くでいいキーポイントとなりそして「メロスの翼」の題名の深い意味を感じることができるでしょう。そしてあなたも感動して下さい。涙して下さい。震えて下さい。
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過去と現在を交互に視点を変えて、そして現在。日の丸をユニフォームに縫い付けた卓球選手・毛利翼(マオ・イーリー)。彼はどうして中国チームなのに日の丸をつけているのか。
虐待を受けていた過去を持つ、施設育ちの毛利翼。
親の事業の失敗により転校する事になった三崎啓介。
圧倒的演技力の売れっ子子役だったが、事故により半身不随となった川越美玲。
三人の幼馴染がとある事件をキッカケに運命が変わって行く…
ラストまで読むとタイトルの意味が判りますね。小学生の頃の黄色のバトンがラストに出てきた時、じんわりしました。
お互いを思う絆の強さもとても素敵でした。その後の三人がどうなったか気になる所です。
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評価が高かったけど軽くその期待を超えていった。
映画にしてもいいなぁと思える作品だった。
冒頭の卓球世界大会のシーンからここまで話が膨らませることが出来る著者に脱帽。
中国代表の選手の首元になぜか日本のマークが。なぜ?の展開からすでに引き込まれていった
現在と過去(21年前、15年前、11年前、6年前)が交互に展開されそれぞれのエピソードがどんどん繋がっていく展開もどんどんページをめくらされた。
翼から引っ越しをする啓介へ黄色いバトンのバトンタッチ、
そして、翼の願いを叶えようと打倒中国へわたりいよいよ世界一の選手を倒そうとする啓介から受刑中の翼への黄色バトンのバトンタッチシーンは思わず涙が出た。
メロスの翼、タイトルにバチッとはまった内容であった。
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日の丸を背負った中国人選手。
国籍差別的な話かなと思ってたら全然違った。いい意味で想像と違った話だった。
登場人物は多いけど、みんなどこかで繋がっていて、ラストでひとつの形に収束していくストーリーがめちゃくちゃ良かった。普通に泣いた。
幼少期虐待を受け施設育ちの毛利翼、事業に失敗し借金まみれになった親を持つ三崎啓介、元有名子役だったが事故により下半身に障害を持った川越美玲、この3人の絆と友情が強すぎて泣ける。
ラスト、バトンが出てくるシーンで鳥肌立った。タイトルも最後に納得。文句なしの1冊でした。横関さん、読みやすいのに心揺さぶる本多くて大好きな作家の1人です。
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東京で行われた卓球の世界大会で、中国の無名の補欠選手が注目を集めていた。初戦でいきなり世界ランキング3位の選手に勝利した彼のユニフォームの背中にはなぜか日の丸が縫い付けられていた。
彼の名は毛利翼(マオ・リーイー)。中国の代表選手が何故、日の丸を背負っているのか?動揺したテレビ局のスタッフが調べると、6年前、毛利翼(もうりつばさ)という大学生が殺人の罪で逮捕されていた。2人は同一人物なのか?別人であれば彼はどういう意図で日本の犯罪者の名前を名乗っているのか?現在と過去を繋ぐ物語が始まる。
卓球の息詰まる試合展開を描く現在の章。
虐待を受け、死の寸前で隣人に助けられた翼、翼と卓球を通じて無二の親友となった啓介、そして事故で下半身付随となった元天才子役の美玲、3人の21年に及ぶ青春と友情が瑞々しく描かれる過去の章。
少年たちは成長し、過去の章が現在の章に追いついた時、大きな感動が待ち構えていた。ラストの黄色いバトンのシーンではもう涙を抑えられなかった。そして表題の「メロス」のもつ意味。
翼の命を助け、その後もずっと見守り続けた羽根雅人がとてもいい。イケメンだけどだらしなくて最初はいい印象ではなかったけれど、困っている人を助けずにはおれない性格。そして彼に助けられた翼がそれを忘れずにいて、思いやりのバトンを引き継いで生きて行く姿が嬉しい。
ミステリでありながらスポーツ小説でもあり、そして何より上質の青春小説でもある、読後は爽やかで暖かい気持ちになれる作品でした。
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評価:6でも7でもいいぐらいの横関作品の最高傑作。これを読んで泣けない読者は皆無だと思う大感動作。登場人物の数も丁度よく、その繋がりと逸話に過不足なく、ラストに至るストーリテリングの素晴らしさは文句の付け所が全く無い。横関作品の読者ならわかっていただけると思うが、そのストーリテリングの上手さがようやく結実し、三皮ぐらい剥けた印象だ。本屋大賞あたりを取っても全く驚かない作品。
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東京アリーナで行われている、中国人同士の卓球の試合を見ていた帝都テレビスポーツ局の社員、中丸は中国人で健闘している選手の一人毛利翼(マオ・リーイー)が日の丸のタグを背中につけているのを見つけます。
なぜ、中国人選手が日本の国旗を背負って試合に臨んでいるのか?
21年前。
片桐弥生という大学生と羽根雅人という22歳の気立てのもの凄くいい無職の青年のカップルが弥生のアパートの隣の部屋の子どもが、母親の交際相手から虐待を受けているのに気づき子供を助けますが。
母親の毛利愛美は自殺してしまい、当時4歳だった子供の翼少年は養護施設へ入ることになります。
そして翼は静岡の小学校で三崎啓介というクラスメイトから卓球を教わります。そこからこの物語は始まります。
この作品はミステリーだと思いますが、とても読みやすく卓球でこんなに熱くなれるとは思いませんでした。
出てくるキャラクターがみんな魅力的です。
まず、翼を助けた羽根雅人は人助けばかりしている超イケメンです。
そして成長した翼の素直で健全なところ。啓介との友情。
途中で話の内容はわかってしまい、ちょっとできすぎだと思うところもあるのですが、この作品が嫌いな人はいないと思います。
今まで読んだ横関大さんの作品の中で一番よかったです。
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メロスと言えば『走れメロス』。
国語の教科書で作品を知り子供心にその友情と信頼関係に感動した事を今も覚えている。
本作の主人公は毛利翼。
幼くして母親を亡くし児童養護施設で暮らす天涯孤独の翼が、信頼出来る友と出逢い卓球を知る。
前途洋々たる未来が見えホッとしたのも束の間、翼は殺人の罪で逮捕されてしまう。
翼の正義は無いものにされ、圧力による真実の隠蔽に悔しさが込み上げた。
物語は過去と現在を行き来しながら展開するが、全ての役者が揃った『第1回東京レガシー卓球』の舞台に興奮。
強い絆で結ばれた友情のバトンに胸が熱くなる。
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もうページをめくる手が止まらなかった。過去と今を行き来しながら、たくさんの人生がリンクしていく面白さ。友達をとてもとても大切にしてきた翼だからこそ、罪を犯して欲しくなかった。バトンを持って校庭を飛び出した時も泣いたけど、それが最後にまた繋がって泣きました。きちんと皆がそれぞれの人生を生きていたからこそ、この3人を支えられたんだと思う。翼は大丈夫だと確信して読了しました。横関さんは最近ドラマ化も多いので、この作品も演技力確かな俳優さん達でドラマ化して欲しいです。
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卓球大会に出場した、日の丸を背負う中国代表選手・毛利翼(マオリーイー)。テレビ局のスタッフが調べると6年前、毛利翼(もうりつばさ)という大学生が殺人罪で逮捕されていて…。過去と現在をつなぐ絆のラリーが始まった。
「そんなバカな」とツッコミどころ満載なのについつい読まされてしまう…。それこそ横関大の真骨頂なのかもしれない。マンガ的で読みやすいのが最大の魅力だと思う。
(B)
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最後の50頁あたりから、グッとくる。それまでは、どちらかと言えばありきたりな青春ものの小説と思っていた。
人物が深く絡み合って、いかにも小説なのだが、あざとらしさも、また良い。
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帯を見ると、スポコン×日中関係な話のような印象を受けますが、青春と友情とサスペンスです。
デビュー作「再会」で描かれた、若き日のもやもやや感情のざらつき、輝きと苦さがとても印象に残っていた。
以後、何作か読んだが、あまりしっくりこず、しばらく離れていた。
そして今作。まず、文章がとても読みやすく、
ストーリーにリズムとメリハリがあって、どんどん読まされた。
軸になる3人の男女と、彼らと人生が交差する人々の物語。
その絡ませ方は、あとから考えればかなり強引なところもあったが、
読んでいる間は気にならなかった。
中心3人以外の話は、かなり余白をもって描かれている。
それだけに、ドラマ化・映画化の際に、脚色の腕が問われそうだ。
最初に提示される「日の丸」についても、
決定的な描写があるわけではないし、
クライマックスの試合シーンをめぐる各人物の描写、
後日談なども、描きがいがありそう。
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卓球の世界大会で、急遽出場することになった中国の毛利翼選手のユニフォームに、なぜか日本国旗が付けられていた。疑問に思ったスタッフが調査すると、かつて日本に毛利翼という卓球部員の大学生がいたことを知る。彼らははたして同一人物なのか。一方で過去にさかのぼり、「毛利翼」の物語が紡がれる。彼がどのように生き、そして彼の身に何が起こったのか。読み進むごとにぐっとくる物語です。
「毛利翼」を中心にして紡がれる物語の数々は、さまざまな辛苦を描きながらもどこかしら温かく救われるような心地になります。客観的に事実だけを見れば毛利翼の人生は決して幸せには思えないのですが。それでも彼が幸せに生きられるのは、彼の考え方ももちろんあるのだけれど、周りの人たちの力も大きいのです。特に超絶イケメンの羽根。一見顔だけのどうしようもないダメな人なのかと思いきや、なかなかに魅力的でした。そして彼の存在なくしてはこの物語は生まれないのですねえ。
やがて起こるある事件。そして最終的な謎として、中国の「毛利翼選手」の正体とその意図するところ。なるほどそうくるのか、と唸らされます。素敵な物語でした。
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日本でイベント的に行われた世界ランク上位の選手を集めた卓球大会。
中国選手「毛利翼」マオリーイー
彼のユニフォームに小さくつけられた日の丸。
試合が行われている現在と毛利翼の過去が交互に語られるという物語です。
タイトル通り走れメロスです!幼馴染&友情!
メロス教科書部分しか知らないけど友の為に!!
そんな熱い物語でした。
内容は深く重く感動するし面白い…
横関さん他一冊しか読んでないからわからないんですが、文章やセリフ?サラッと軽くて読みやすい。それが何故か感動を減らしているような気がして☆一つ減ってしまいましたゴメンなさい(°_°)
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最後に黄色いバトンが届けられ、タイトルが揺るぎなきものとなった。
最初に翼を助けた羽根さん、時々顔を出していたけれど、翼のために医者になるとは驚いた。羽根さんの望洋とした優しさに惹かれます。