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商品説明
近代化からくる幸福よりも、それによりおこる人類の不幸を予測していたロレンス。彼のエッセイや詩、特に生きものの生命共同体の概念が鮮明に描写されている「鳥・獣・花」なども参照しながら、その思想の根底を深く追求する。【「TRC MARC」の商品解説】
―我々の前にはキリスト教による未来の永遠が、後には異教による過去の永遠がある―
代表作『チャタレイ卿夫人の恋人』で日本でも知られるイングランドの作家D.H.ロレンスは、その独特の感性で文明や近代化がもたらす未来をいち早く感じ取り、文学的に超克を試みようとした稀有の作家であった。本書は『ロレンス研究――西洋文明を越えて――』でロレンスの作品世界にこだまする声に目を向けた著者が、ルネッサンス以来ヨーロッパに連綿と続いてきている「近代」をキーワードに、その思想を21世紀の目線で読み解こうとした論考集である。いち早く「近代」を逃れようとしたロレンスの、その目線の先には何があったのか、文学的探究の興奮が止まらない一書。【商品解説】
目次
- 第1章 ロレンスの近代認識未来の永遠を探る
- 1 認識の発端ロレンスの歴史感覚
- 2 ルネッサンスの光と影−ロレンスと近代
- 3 ルネッサンスの結果への批判
- 4 聖なる動物たちの栄光と堕落
- 5 詩にみる近代認識「夕暮れの地」
- 6 「山ライオン」
- 7 20世紀の神の死滅と「不条理」
- 8 21世紀とキリスト教民主主義ロレンスの未来認識
- 第2章 過去の永遠の模索ユートピアを求めて
著者紹介
古我 正和
- 略歴
- 古我 正和(こが まさかず)
1936年 滋賀県生まれ
1961年 京都大学文学部卒業(英文学専攻)
立命館大学、滋賀医科大学を経て現在は佛教大学文学部英米学科教授
【著 書】
『1930年代世界の文学』(有斐閣,1982年)〈共著〉
『英米文学概論』(佛大通信部,1995年)〈共著〉
『ロレンス研究―西洋文明を越えて―』(大阪教育図書,1996年)
【訳 書】
『小説家・詩人ハーディ評伝』(千城,1981年)〈共訳〉
『メキシコの夜明け』(京都あぽろん社,1997年)
『解き放たれたプロミーシュース』(大阪教育図書,2000年)〈共訳〉
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