石田徹也 聖者のような芸術家になりたい （別冊太陽 日本のこころ）

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高校時代に初めて石田の作品を見て衝撃を受けた。表情、テーマ、痛々しい姿、全てが突き刺さる。31歳で亡くなるまで、正に命をかけて作品を制作した石田。その画業を知るのに最適な1冊です。おすすめ本。

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広告を見て急いで購入。
日本特有の社蓄的世界っぽいものが普遍的な現代人の孤独に通底している。
もっと描き続けてほしかった。

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石田徹也の絵を初めて見たのはいつだったか…星野智幸「俺俺」は読んだから2010年かな。でも1996年の「毎日広告デザイン賞」の「ビアガーデン発」「居酒屋発」も見ている気がします。どこかの段階で気になってしょうがない画家になっていて2014年、静岡県立美術館で企画展をやっていることを知って、こだまに飛び乗り日帰りで行ってきました。そこで初めてもう亡くなられていることを知ったような…アーティストというより殉教者のような存在として他の誰も押さないスイッチを入れくる人です。もし生きていればちょうど50歳。そんなタイミングで出版されたこの別冊太陽のサブタイトルは「聖者のような芸術家になりたい」。彼の作品が第6回グラフィックアート「3.3㎡（ひとつぼ）展」のグランプリを受賞した1995年から亡くなった2005年の10年間は世紀の変わり目であり、時代の変わり目であり、人間と社会の関係の変わり目でありました。ひとつひとつの作品解説で濃密に語られるそのときの事件の話題が、この作品集を「失われた10年」のタイムカプセルにしています。ですが、そこから始まる底の割れた社会が今の空気を作っていることでいうと、今の予言者のような芸術家みたいな気もしてきます。ジェームス・ディーンが夭折して青年の孤独のシンボルになったように、早世の石田徹也はひきこもり芸術のスパースターかも。親友の平林勇が思い出す「村上隆が大嫌い」「草間彌生はアウトサイダーアートのパクリだ」「アウトサイダーアートこそが本当のアートだ」「海外で評価されたい」という言葉、生きるの苦しかっただろうな、と思います。でも50歳まで生き続け、このSNS時代をどう芸術にするのか、見てみたかった、とも。

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だいぶ前ですが、たまたま展覧会で見てインパクトがありすぎて思わず帰りに画集を買った人。とあるバンドのCDジャケットになっていたので久しぶりに調べると生誕50周年記念で新しい本が出ていることを知り読みました。
ボロボロの飛行機になった人、学校という檻から抜けられない子供、満員電車に出荷される人達、上手く表現できない気持ちが繊細なタッチで再現されていて初めて見た時は衝撃を受けました。

この本を読むまでは鬱々した気持ちで絵を描いていたのかと思っていたけど、ギャグやユーモアを盛り込みたいと言っていたことが分かり、見方がだいぶ変わりました。
最近までNYで個展が開かれていたと書いてありました。彼の描く生活の虚無感は世界共通なのかな？そして今生きていたらどんなものを描くのか、見たい気持ちと現実を突かれるのが怖い気持ちとがあります。

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石田徹也さんの存在は、彼が亡くなった当時のニュースで知りました。
私と同じ苗字で同世代。気になって仕方がありませんでした。
私達の世代は、バブルの終わりに大学に入り卒業すると氷河期が待っていました。反面、サブカルの楽しさを湯水のように浴びながら重だるい時代を過ごしました。

景気は悪いけどWindows95やPHSなどの画期的な技術のリリースは頻発していました。不穏な時代とテクノロジーの進化とのコントラストに戸惑いました。そして自分探しブームに乗らないといけないのかと焦りました。
石田さんの絵からそんな過去を鮮明に思い出させられます。

未来を夢見ていいのか、現実に即して生きていくしかないのか。石田さんが残したアイデア帖のコメントを見て、20代半ばで夢を諦めた弱虫な自分のことも思い出しました（そもそも私の夢への覚悟は脆弱すぎた）

石田さん、長生きしてほしかった。時間が心を溶かして解決してくれることもきっとあったはず。

果たして石田さんは未来に絶望してこの世から去ったのでしょうか。もしかすると、今という瞬間を誰よりも大事にしていた人だったのではないかとも感じました。社会との憂いの対話をしながらもご自身の何かしらとの紐付けを行なっていたような気がしてなりません。

数多の人々が「未来を夢見る」という柔らかな言葉で蓋をして現実を見ないようにすることに対して警鐘を鳴らしているようにも感じました。