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- カテゴリ:一般
- 発売日:2023/08/18
- 出版社: 作品社
- サイズ:20cm/299p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-86182-986-4
紙の本
ブキの物語
著者 シュザンヌ・コメール=シルヴァン (著),松井 裕史 (訳),マダム・ショント (著),松井 裕史 (訳)
あまりに強欲で残酷、でも間抜けでだまされてばかりいる力の強き者と、悪知恵をたくみに使って狡猾に生きのびる、小さき者−。カリブ海の島国ハイチと仏領グアドループで採集された民...
ブキの物語
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商品説明
あまりに強欲で残酷、でも間抜けでだまされてばかりいる力の強き者と、悪知恵をたくみに使って狡猾に生きのびる、小さき者−。カリブ海の島国ハイチと仏領グアドループで採集された民話集2冊を収録。詳細な訳者あとがき付き。【「TRC MARC」の商品解説】
あまりに強欲で残酷、でも間抜けでだまされてばかりいる力の強き者と、悪知恵をたくみに使って狡猾に生きのびる、小さき者。
カリブ海の島国ハイチと仏領グアドループで採集された民話、全72話。詳細な訳者あとがきで、物語の成り立ちや植民地時代からの歴史と文化も深く理解できる。
これらの物語はとても細かい点まで、わたしたちの国の農民から集められたもので、彼らはわたしたちの伝統的民俗の一部、わたしたちの民衆の口承文学の一部を成しています。(…)民俗的な価値に哲学的な価値が加わり、ブキの物語は民衆の精神がその観念と渇望の痕跡を無意識のうちに残した国民的記念碑なのです。(「ブキの物語」、「まえがき」より)
マダム・ショントは、これらのいろいろな話を語り部たちの口から採集しました。驚くべき道徳心と辛抱強さから、マダム・ショントは精確であることを気にかけて、細部に至るまで、翻訳することで失われてしまったであろう、この土地の味わいすべてを留めました。ありのままの話の数々が、魅力的な作品の選集を形成しています。(「クレオール民話」、「読者へ」より)【商品解説】
目次
- クレオール民話 マダム・ショント
- 読者へ Ch・モワナク
- 第一部 民話
- ジャン坊やの手柄 ジャン坊やと大男/ジャン坊やとちびのマリ/どうして背中に溝があるのか/ジャン坊やと怒らない旦那
- 阿呆のジャンのはなし 阿呆のジャン
- さまざまな民話 シカ坊や/青ひげ/サンドリヨン
- 第二部 寓話
- ザンバとウサギのものがたり ウサギがザンバを馬にする/ザンバとウサギが市場でお母さんを売る/ザンバとウサギが王様の牛を殺す/ザンバとカネフィスのたまご/ウサギがザンバのシロップを飲む/ザンバとウサギがイラクサの野原を耕す/ウサギがザンバの魚を盗む/ウサギとザンバのヤムイモ/どうしてウサギは四本足で歩くのか/ウサギが家を建てるためにしたこと
- さまざまな寓話 どうしてカメの甲羅は割れているのか/どうしてクモの腰は細いのか/どうしてサルとイヌはしゃべらないのか
収録作品一覧
クレオール民話 | ||
---|---|---|
ジャン坊やと大男 | マダム・ショント 著 | 12−15 |
ジャン坊やとちびのマリ | マダム・ショント 著 | 15−18 |
著者紹介
シュザンヌ・コメール=シルヴァン
- 略歴
- 〈シュザンヌ・コメール=シルヴァン〉ハイチ初の女性人類学者。
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書店員レビュー
もやがかかったもの
ジュンク堂書店福岡店スタッフさん
民話の本です。カリブ海の島国で収録された多くの民話。
小さい頃から昔話を読む時、なぜでしょう、祖母の家の、使い古された毛布がいつも頭に浮かびました。毛布にはたくさんの外国の動物が描かれており、なんの動物だったかはもう忘れましたが、多くの外国昔話を知った時、いつもその外国の情景ではなく、毛布の模様が頭に浮かびました。
載っているたくさんの民話は、かなりの悲劇もありますがどこか明るく、不思議です。ハイチではものごとがすぐに忘れ去られるんだ!という、それを言って良いのかしらんという記述も堂々とあります。面白いのは、民話に出てくる人たちのうち、「何者だかわからない」人がいるということ。コンペ・アンヴォワジュテなる人物がそうです。彼は、カニを探しに穴に手を突っ込んだ人物に、自分が「コンペ・アンヴォワジュテ」だと告げますが、「コンペ・アンヴォワジュテ」が動物なのか植物なのか人間なのかは、最後まではっきりとしません。ただ、彼の「当然さ」というせりふで、なんだかカニを探しに来た人物よりももっと強烈な存在がいるとわかるだけです。
いつからか、物事には起承転結があって、謎の人物の正体は最後には明かされるものなのだと思っていました。動物の顔や性質も、昔話の最後には判明するのだと思い込みました。でも、そうではないおはなしがずっと昔からあったことを、この本は教えてくれます。私が見た毛布の動物たちの顔もぼやけたものでなく、最初からもやがかかっているものだったのかもしれません。