紙の本
おもしろい
2024/04/10 12:38
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日常の予期しないエピソードが満載で、面白く読むことができました。あまり気づかないことが、素晴らしかったです。
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穂村さん、海が似合わないと気にされています。
短歌はかっこよくて、海、似合いそうですけどね。
大学生の時赤いバンダナをしていた話は笑いました。
穂村さんの作歌方法はなるほどと思いました。
そうめんを箸で掬っていてコップにつけてしまった話は年齢のせいじゃないと思いました。正解は「めんつゆ」。穂村さんだからです。
飾り玉のために土下座返しをした子供の頃の話も、「そんなばかな!」と笑いました。
奥様も、天然感のある方ですね。
壊れた洗濯機のふたを計量スプーンで10年間、開け続けた奥さんは凄い!
ミスドの景品が欲しくて、カードを捨てようとする人に声をかけて集めていた奥さん。24歳くらいの時に。
ウォーキングのレベルが「梅だ」という奥さん。
どのエッセイを読んでも笑いがこみあげてきます。
でも、なんだか心が温まる話ばかりでした。
各エッセイの目のつけどころはセンスが感じられます。
これも才能だと思いました。
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胃カメラの飲み方を褒められ、似合わない服装に赤面し、おばちゃんの会話術に学ぶ。日常に予期せぬ笑いと魔法が絡みつくエッセイ集
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装丁からポップで楽しい。
でも表紙のプラが固くて外れてきちゃうんだよね、それがちょっと読みづらかったかな~。
雰囲気たっぷりだから、まぁいっか。
丸みを帯びた、ページ数の書体も可愛い。
やっぱりこの方のお話は面白い。
短歌は繊細で尖っててイケメン風で"ほむほむ"なんて雰囲気ではないのに、何故にエッセイはへなちょこなのか 笑
妄想癖のおっとりさん。
エッセイには可愛らしさも滲み出て、思わず笑ってしまう。
加減が絶妙だ。
このギャップが大好き。
面白かったのは、
近藤真彦の真似をしていたら近所のおじいさんに「君はアカか?」と話しかけられた話。
なんかこれ、ツボだった。
それから、「長生きするお水」をもらった話。
取り違いってあるよね。
何気ない一文が楽しくてニヤニヤしたり、何故かセンチメンタルな気分になったり。
「私の死後、代わりに数えてくれた誰かが「3億円もありますよ」と驚くのが楽しみだ」
「妻という謎の塊がここにある」
「さようなら、一度きりの今年の夏よ」
「「ほら」と云いながら、Yくんはとんどんマヨネーズを絞ってくれた」
今回は多くのお話がちょっぴり不思議な終わり方で、帯にも"にゅるりと世界も自分も裏返る"とある。
自分としては、溶けたマーブルアイスの渦がぐにゃりと回転するみたいな、そんなイメージだった。
それらのなんとな~くぐんにゃりしたお話の数々を、ある意味もっとも不思議な穂村さんの奥様がなごませてくれている。
チャーミングな女性だなぁと思う。
可愛らしい。
そしてご高齢でありながらアクティブなお父様も素敵。
そう、「蛸足ノート」ではご家族のお話が多いのだ。
たまにポロリと紹介される短歌もとてもいい。
ほうじ茶さん
「覚えたてのひらがなで書いた「好きです」のお返しはガンダムの絵でした」
東こころさん
「居場所などない夏休み図書館に行くことだけにささげた素足」
まるやまさん
「こんなところまでついて来てくれてありがとう52階で払う猫の毛」
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隣人のスマホにのぞく「山崎パン向けマヨネーズの件なのですが、」 涌田悠
作中の〈私〉は電車か何かの中で、偶然、隣の人のスマートフォンを覗いてしまったのだろう。そこには「山崎パン向けマヨネーズの件なのですが、」というメールの言葉があった。そんなものお存在を意識したことは、今までに一度もなかったのだ。
社会には無数の細部があって、普段はほとんど意識することもなく暮らしている。でも、それぞれの場所で体を張って生きている無数の誰かがいるのだ。引用した短歌には、その中の一人を偶然見出した瞬間が描かれている。メールの最後の「、」もいい。生きるための言葉はまだ続くのだ。(p.49)
本物の子どもだった頃は、「アタリ」が出たらその人うちにお見せでもう一本貰っていた。ところが、今はどうだ。いつでも替えられると思うせいで、ずるずると先延ばしになっている。一本のアイスに対する集中力が、思いの純度が、下がっているのだ。(中略)当時と今とでは、なんというか、世界と自分の命との距離感が違う。子どもの頃は世界という舞台の真ん中で生きていた。それに較べると、今は目の前の世界がなんだか遠い。観客席に座っているみたいだ。(p.31)
→無数の細部をたまに意識した時に脳が楽しい感じることはあるので、それを言語化してくれてありがたい。また、子どもの頃の世界との距離についてもよく分かる。アイス棒のアタリへの執着心がなくなってきたことは危機感を覚えるべきかどうか。
何もする気にならない日がある。体がだるい。頭がしくしくと痛む。部屋が散らかっている。すべてが嫌だ。ぼーっとしたまま、何時間も過ぎる。このままじゃ駄目だ、と気持ちだけが焦っている。
ふと思いついて、スマートフォンに「気圧」と打ち込んでみた。すると、「低気圧ヤバい」「頭痛い」などの文字が目に飛び込んできた。やっぱりと思って、ほっとする。だるいのは私だけではなかった。皆もそうだった。すべては低気圧のせいだったんだ。やる気が出ないことの正当な理由が手に入って嬉しい。(p.198)
→ちょうど昨日今日がそんな感じだったので、同じように「気圧」で検索して安心感を覚えておくことにした。
欲しいものがない人間にとって、最後の希望は旅である。行ってみたい場所なら、まだあるんじゃないか。父を誘ってどこかに出掛けたい。(p.247)
荷造りの準備のために整理をしていたら、同じ本が2冊3冊と出てきた。うっすらそんな気はしていたのだ。ぱらぱらと中を開くと、どの本も同じ頁の端が折られていて、うーん、と思う。同じ人が同じ本の同じところに感動している。私だ。(p.258)
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久しぶりの、純粋なエッセイ集。
60過ぎて初めてネコを飼うなんて。50過ぎて、ネコもイヌも飼ったことのない自分からすると、尊敬しかない。
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書評やエッセイをここ近年気に入って読んでます。
読み初めの頃は、価値観がなんだか合わなくて、読み心地が決して良いとは思わなかったのです。でもそのずれ具合が新鮮で、古本屋や新刊を見ると買っちゃう作家でした。
今回は、奥さんのお話しがとびっきりに面白かったです。
奥さんエピソード、もっと読みたい。
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だめだめなエピソードについ笑ってしまうが、目の付け所や言葉の紡ぎ方が巧みだ。やはり日常を切り取る術に長けているんだなあ。
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ほむほむこと歌人・穂村弘さんのエッセイ。
読売新聞の夕刊に2017年4月から2023年9月19日まで連載されたもの。
さらさら読めてくすくす笑える、どこか上品なエッセイ。
今回は奥さまのエピソードがたびたび出てきて、おふたりの仲の良さと、奥さまの地上から5ミリ浮いているような天使感にほっこり。
穂村さんもちょっとだけ浮いているイメージのお方なので、子供の頃薄氷の張ったプールに落ちてしまったエピソードは印象的。ほむらさんも人間だったんだ。
『世界中のひとが全部じぶんじゃなくて良かった』エピソードは、私も全くおんなじことを思っていたのでびっくり。
ファンが推しに似る(寄せていってしまう)のか、それとも似ているところがあるからファンになるのか、いやいや、意外とみなさん、一度は思うことなのか、と、考えた。
でも、世界中の人々がほむほむになったなら戦争はしないらしい。(そんなエネルギーはないそうだ。)
だったら、世界ほむほむ化計画とかあってもよさそうではないか。
世界中の言語にほむほむのエッセイが翻訳され、それを読んだ読者がほむほむ化。
そうしたら平和が訪れるかもしれないのに、と、空想する。
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老化を「困ったなあ」と捉えているところ、猫や犬を人と同じ様に観察しているところ、奥さんの感性がすごく好きそうなところが良かった。
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ほむほむ、読む度に大好き。そして今回、ほむほむも自身の読者が好きとの一節。これはアピールせねば。電車の中で読むときに、カバーをせずに読了。ほむほむに知らぬ間に目撃されていたら嬉しいのだけど。
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妻の話に外れ無し。基本2ページで一編なのでどこから読んでも良し。続きも読みたい。猫のひるねの話をもっと読みたい。
こういうエッセイを読みながらいつのまにか寝てしまう休みの日の午後 最高
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相変わらずホムホム節、この小市民的な感覚。
めっちゃあるあるとうなずきながら時には声を出して笑ってしまう箇所あり。
でも、よかった。奥さんが著者にぴったしの人で。
このエッセイを読むとかなり面白いお方だ。
今後のエッセイにもたびたび登場しそうなキャラクター。
あと念願の(引っ越しして)猫を飼えるようになったとか。
”ひるね”可愛いんだろうな。
次回のエッセイもひるねも含めて楽しみ。
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読売新聞にて連載中のエッセイ。
我が家は読売新聞を購読しているので毎週楽しみに読んでいるのですが、本当にこの連載を読むと、なんとも言葉で言い表せない気分になります。
あの真面目な紙面の中で、突如そこだけパラレルワールドに繋がったような……もう10年以上ほむらさんのエッセイは愛読しておりますが、変わらぬ姿がそこにはあります。
しかし、「天使」を探していたほむらさんにも、今では立派なパートナーが……!
ベッドに横になって菓子パンを食べていた頃を思うとなんだか感慨深いです。
けれどもそこは厄介なファン心理で、あのほむらさんとこんなにも感性ぴったりなお人が実在するなんてどうにも信じられず……(信じたくないともいう)。奥さまが登場するエピソードよりも、ほむらさんお一人でいる時のお話の方が好きだなと思ってしまうのでした。嗚呼こじらせファン。
なーんて面倒なファン心理は置いておいて、これも外で読むのは危険なことには変わりません。
「自分は何かの間違いで地球に生まれてきてしまったのかもしれない。遠い故郷の星では、人々は今日もアイスモナカを一口齧っては、大事に冷凍庫にしまっているのだ」(アイスモナカ論争)
なんて発想、どうしたら思いつくのでしょうか?他にも、思わず吹き出してしまっては夫に不審な目で見られることが度々、でした。
大学に入学したものの周囲に馴染めず焦りを感じていたあの頃。
書籍部でたまたまほむらさんのエッセイを見つけて「あぁこの年になってもこんな人がいるならきっと大丈夫だ」、そんな安心感を覚えたあの時から、やっぱりほむらさんはほむらさんのままなのでした。
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レビューを見て読んでみました。とても面白いエッセイです。うんうん、分かる、分かりますっ、という笑える話ばかり。
私が特に面白いと思ったのは、四つの話。
『辞書にない文字』
この話が私が一番面白いと思った。どうしても覚えられない名前がある、間違えて覚えてしまって正しい名前とゴチャゴチャになって造語を作ったりなど、「まさに私だよ。」と思った。奥さんのチーズの話も一緒。近いところまでいくのに、どうしても正しい名前が出てこない。いつもちょっと違う。
『正直な人』
私はどうも似合わない気がするけど、本人はとても気に入ってて自慢気に見せてくる時がある。私はそういう時正直に言えなくて困ってしまう。違う事を言って話をそらしてよく誤魔化してしまう。
『酸っぱい部屋』
私はPCR検査を受けた事がないので分からないけど、知人が検査を受けた時、唾液が出なくて困ったと聞いた事がある。この話を読んでなるほど、と思った。梅干し、レモンこの二つのポスターが部屋にいっぱい貼ってあれば、出ないものも出るかな。
『校長先生を追い越した日』
これもすごく分かると思った。私の場合、学校の先生とお医者さん。ずっと頼れる年上の人だったのが、いつの間にか私より年下の先生ばかり。申し訳ないけど、たまにこの先生で大丈夫?と思う事がある。
穂村弘さんと奥さんのやり取りもほのぼのしてて好き。奥さんの発言が、なんというか芸術家っぽいので、その発想力に感心してしまう。だから、ご結婚されたのかな?なんて思った?
短歌も出てけるんだけど、全く短歌の事が分からない私でも、「あぁ、これ面白い。」と分かるのもあり楽しめた。分からない短歌もあり「?」はあった。
新聞では連載中との事。猫を飼い出したところで終わったので、その続きも読みたいです。きっと"ひるね"がいっぱい登場するんだろうな。