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- カテゴリ:一般
- 発売日:2024/04/02
- 出版社: 白水社
- サイズ:20cm/321p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-560-09091-6
紙の本
別れを告げない (エクス・リブリス)新刊
【メディシス賞(外国小説部門)(2023年)】【エミール・ギメアジア文学賞(2024年)】私の経験したことのすべてが結晶になる−。いま生きる力を取り戻そうとする女性同士が...
別れを告げない (エクス・リブリス)
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商品説明
【メディシス賞(外国小説部門)(2023年)】【エミール・ギメアジア文学賞(2024年)】私の経験したことのすべてが結晶になる−。いま生きる力を取り戻そうとする女性同士が、済州島4・3事件を生き延びた母親の知られざる情熱をたどり、再生に向かう愛の物語。【「TRC MARC」の商品解説】
作家のキョンハは、虐殺に関する小説を執筆中に、何かを暗示するような悪夢を見るようになる。ドキュメンタリー映画作家だった友人のインソンに相談し、短編映画の制作を約束した。
済州島出身のインソンは10代の頃、毎晩悪夢にうなされる母の姿に憎しみを募らせたが、済州島4・3事件を生き延びた事実を母から聞き、憎しみは消えていった。後にインソンは島を出て働くが、認知症が進む母の介護のため島に戻り、看病の末に看取った。キョンハと映画制作の約束をしたのは葬儀の時だ。それから4年が過ぎても制作は進まず、私生活では家族や職を失い、遺書も書いていたキョンハのもとへ、インソンから「すぐ来て」とメールが届く。病院で激痛に耐えて治療を受けていたインソンはキョンハに、済州島の家に行って鳥を助けてと頼む。大雪の中、辿りついた家に幻のように現れたインソン。キョンハは彼女が4年間ここで何をしていたかを知る。インソンの母が命ある限り追い求めた真実への情熱も……
いま生きる力を取り戻そうとする女性同士が、歴史に埋もれた人々の激烈な記憶と痛みを受け止め、未来へつなぐ再生の物語。フランスのメディシス賞、エミール・ギメ アジア文学賞受賞作。【商品解説】
著者紹介
ハン ガン
- 略歴
- 〈ハンガン〉韓国・光州生まれ。延世大学国文学科卒業。「菜食主義者」で李箱文学賞受賞。ほかの著書に「すべての、白いものたちの」など。
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書店員レビュー
すべてのものに重さがある
ジュンク堂書店福岡店スタッフさん
作家のキョンハは、虐殺に関する小説を執筆中に、何かを暗示するような悪夢を見るようになります。ひどい虐殺事件が過去に起こった済州島出身のインソンは10代の頃、毎晩悪夢にうなされる母の姿を見ています。自分が経験したことでもないのに、繰り返される悪夢。それは、戦争を知らない私たちが、広島や長崎の映像を見た後で悪夢を見ることにも似ています。
雪のように軽く、鳥のように軽くても、すべてのものに重さがあり、肩に降りかかったときからそれは始まっているのです。
話の終盤、インソンはキョンハにある道を示しながら「私が歩いたところだけ踏んできて。」と、言います。過去の人たちの足跡を現在の私たちがたどることは、あまりにも不確かで、それが真実なのかは永遠にわからないままなのかもしれません。 しかしこうして本で読むこと、想像することさえもなくなってしまったら、どれだけ怖ろしいことが起こっても、その重さに気づかないまま、過ごしてしまうような気がするのです。