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- 発売日:2024/02/13
- 出版社: 響林社
- サイズ:B5/672ページ
- ISBN:978-4-86574-247-3
- 国内送料無料
紙の本
【オンデマンドブック】【大活字本】親鸞(第一巻) (響林社の大活字本シリーズ)
著者 吉川英治(著者)/しみじみ朗読文庫(編集)
【序文より】「親鸞の出現は、その時代にあっては、実に宗教の世界ばかりでなく、思想の上にも、庶民生活にも劃期的な変革をよび起した先駆者の炬火そのものだった。 久しいあいだの...
【オンデマンドブック】【大活字本】親鸞(第一巻) (響林社の大活字本シリーズ)
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商品説明
【序文より】
「親鸞の出現は、その時代にあっては、実に宗教の世界ばかりでなく、思想の上にも、庶民生活にも劃期的な変革をよび起した先駆者の炬火そのものだった。
久しいあいだの貴族宗教の弊や門閥教団の害を彼は打ちやぶった。法悦の楽土を殿堂の神秘から庶民社会へひき下ろした。また秘仏の壮厳よりも赤裸な人間のなかに菩提の因子を求めて、これに偽りのない平明な教義を附したのも彼だった。いわば平民主義新宗教の宣布者であり、日本では前後に見ない民主的な教義をひっさげて出た革新児であった。」
「歎異鈔旅にもち来て虫の声――
わたくしの旧ふるい拙い句である。こんな月並に耽っていた青年ごろから、自分の思索にはおぼろげながら親鸞がすでにあった。親鸞の教義を味解してというよりも――親鸞自身が告白している死ぬまで愚痴鈍根のたちきれない人間として彼が――直ちに好きだったのである。
とかくわたくし達には正直に人へも対世間的にも見せきれない自己の愚悪や凡痴を、親鸞はいとも自然に「それはお互いさまですよ、この親鸞だって」と何のかざりもなくやすやすといってくれているので、あのひとですらそうだったかとおもい、以後どれほど、自分という厄介者に、また人生という複雑なものにも、気がらくになったことかしれない。
もっともそのころ一時文壇にも親鸞が思潮の大きな対象となり、若い文学心と若き親鸞の求道心とが、幾世紀もおいた後世で生々とふれあい、現実の社会を鐘とし親鸞を撞木として、どんなひびきを近代人のこころに生むか? ――をしきりに書かれたり演劇化されたりしたことがある。大正十年前後のことだ。あきらかに私なども、その文芸梵鐘にひきつけられていたものに違いなく、有名な遺文の中の――「善人なおもて往生をとぐ、いかにいわんや悪人をや。」とか「親鸞は父母の孝養のためとて、念仏一返にてももうしたることいまだそうらわず。そのゆえは、一切の有情はみなもて世々生々(せせしょうじょう)の父母兄弟なり。」とか、また「親鸞は弟子ひとりももたずそうろう。」などという語は、わたくし達には、七世紀も前の古人の言というような気はしない。むしろ最も官能の正しくひろく澄みきった近代人の声として常に新しい反省と若い思索をよび起されるのである。」【本の内容】
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