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商品説明
「ちょっと聞いてもらえないか」
始まりは、2022年の春先にかかってきた1本の電話だった。
「こんなディール聞いたこともないよ。とにかくひどすぎる。史上最悪のディールだ。セブン&アイがおかしくなっている」
電話の主は、セブン&アイ・ホールディングス(セブン&アイ)による百貨店「そごう・西武」売却の入札に参加した、ある投資ファンドの幹部だった。M&Aの常識ではありえないひどい運営に憤り、私にそれをぶちまけてきたのだ。
その後、そごう・西武売却は難航し、アクティビスト(物言う株主)からも株主提案を受け、セブン&アイは大きく揺さぶられていく。
――取材で明らかになったのは、過去最高益を記録するなど絶好調に見えるものの、足下は盤石ではなく、その将来に不透明感が漂っているというガリバーの姿だった。かつて、流通業界の「勝ち組」「優等生」などと呼ばれたセブン&アイにいったい何が起きているのか。そごう・西武売却を軸にその舞台裏に迫ったつもりだ。(はじめに)
【商品解説】
目次
- 第1章 61年ぶりのスト突入
- 百貨店としては61年ぶりとなるストライキを結構したそごう・西武。実は、スト当日の数日前からある「電話交渉」が続けたれていた。
- 第2章 史上最悪のディール
- そごう・西武の売却劇をめぐっては、そもそも最初の入札の段階から〝不可思議なこと〟が起きていた。投資ファンドの幹部たちが「史上最悪」と口をそろえる理由とは。
- 第3章 売却延期の〝犯人〟
- フォートレスへの株式譲渡契約締結後に起きた前代未聞の事態。原因を作った〝犯人〟は誰か。
- 第4章 大激震のセブン&アイ
- 新たなアクティビストの登場で、セブン&アイは大きな決断を迫られる。
- 第5章 そごう・西武の大いなる「勘違い」
- そごう・西武の親会社が変わるのは、フォートレスで3度目となる。その背景にあったある〝罪〟とは。
著者紹介
田島 靖久
- 略歴
- 田島 靖久(タジマ ヤスヒサ)
週刊東洋経済 副編集長
1970年生まれ。大学卒業後、1993年にNHKに入社。記者として事件取材を担当後、2001年にダイヤモンド社に入社。経済誌で流通、商社、銀行、不動産業界などを担当する傍ら週刊ダイヤモンドで特集制作に携わる。2020年11月に東洋経済新報社に入社。報道部記者、週刊東洋経済副編集長、報道部長を経て、現在、週刊東洋経済副編集長。
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