Flute Concertos.7, 8 / : Galway(Fl) / London Mozart Players【CD】

ランパルへのオマージュ／ゴールウェイドヴィエンヌ＆チマローザ：フルート協奏曲集
フランソワ・ドヴィエンヌ/フルート協奏曲 第8&7番 ［カデンツァ：ゴールウェイ］
ドメニコ・チマローザ/２つのフルートのための協奏曲 ト長調 (協奏交響曲)［カデンツァ：ルイ・モイーズ］
ジェームズ・ゴールウェイ （フルート＆指揮） ジニー・ゴールウェイ （フルート）
ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ
プラチナの笛を持つ男ゴールウェイが今は亡き巨匠ランパルに捧ぐオマージュ！

　フランスのモーツァルト、ドヴィエンヌとナポリ楽派の名作曲家チマローザのフルート協奏曲の名曲を快演。このＣＤは、そのゴールウェイの膨大なレコーディングの最新アルバムとなるもので、フランスのモーツァルトといわれるドヴィエンヌとナポリ楽派の巨匠チマローザのフルート協奏曲を集めた最新録音。ドヴィエンヌは１７９５年よりパリ音楽院のフルート教授。木管楽器を含む多くの室内楽曲・協奏曲を作曲し、古典派様式の典雅な作風で人気を博した。チマローザはナポリを初めとイタリア各地や、ウィーン、ペテルブルクなどで活躍した作曲家で、収録作品は彼の円熟期の作品。明るく軽やかな曲想で書かれた古典的な名作。
　
　ゴールウェイのフルートはニコルソンやリチャードソンから受け継いだ伝統的なイギリスの奏法、つまり骨太で力強い音色と正確なピッチ、そして明るい音楽性に、フランス最高の指導者・フルート奏者であったマルセル・モイーズや世界のトップ・フルーティストとして君臨したジャン＝ピエール・ランパルらフランス楽派のキャラクターのいい部分を受け継いでいるといわれる。一見彼はランパルとは奏法を含めて対極の演奏家であると考えられてきたが、ランパルに師事した事実やモイーズなどその影響を含めてイギリスとフランスの最良のミクスチュアが彼の音楽・奏法の基本を形作っている。タイトルに今年５月２０日に亡くなったランパルのオマージュとしているように、少なからず影響をランパルから受けたゴールウェイが、フランス・イタリアの協奏曲の名曲集を、1999/2000年のシーズンから首席指揮者をつとめる手兵ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズを御して録音したこのアルバムは必聴に値するものである。ライナーノートにはゴールウェイによるランパルへの想いを綴った文章を収録している。（F）