Diamonds & Rust【CD】

現在の日本でジョーン・バエズという名前を聞いてある程度ピンとくるという人はどのくらいいるのだろうか。
バエズの本名はジョーン・シャンドス・バエズと言い、1941年1月9日生まれでニューヨークのスタテン島で生まれたというから今年2011年で70歳だ。キャリアの始まりは学生時代から始まり、ボストン/ケンブリッジにある有名なフォーク・クラブ“Club 47”などに出演して腕を磨き、翌1959年に行われた記念すべき第一回のニューポート・フォーク・フェスティバルにも参加した。そして翌年、ヴァンガード・レコードより『ジョーン・バエズ』を発売する。バエズは1960年代のフォーク・リヴァイヴァルの時期にピーター・ポール＆マリーやブラザーズ・フォア、キングストン・トリオなどとともに抜群の人気があった歌手であり、プロテスト・ソングを歌っていた時期からボブ・ディランとの公私に渡る交流でも知られている。特にわが国では「ドナ・ドナ」や「朝日のあたる家」のヒットで有名であろう。これらの歌はいずれもキャリア初期のヒット曲で、フォーク・リヴァイヴァルが下火になってきてから以降のバエズを常に追い続けている熱心なファンはむしろ少数になるのかもしれない。そうしたなかでも1971年にビルボード・チャートで11位まで上がりヒットしたアルバム『Blessed Are...』に収録のザ・バンドのカバー「The Night They Drove Old Dixie Down」は有名であると思う。
このアルバムは1975年1月の下旬に録音されA＆Mよりリリースされたものだが、ラリー・カールトン(ギター)、ジョー・サンプル(ピアノ)、ウィルトン・フェルダー(ベース)、ジム・ゴードン(ドラムス)、ラリー・ネクテル(ピアノ)、トム・スコット(サックス)など正に名手揃いと言って過言ではない豪華なメンバーが揃い、さらにジョニ・ミッチェルが一曲で参加している。曲目を見て頂ければお分かりになる通り同時代のSSWの曲を多くカバーしており、バエズのオリジナル曲とのバランス、そしてその選曲にもこだわりが感じられることと思う。
(メーカー資料より)