『アルメニアの秘密～ピアノ作品集～カラ＝ムルザ、コルガノフ、メリキアン』　ユリア・アイラペティアン【CD】

アルメニアの秘密

アルメニアの民謡、舞曲や歌に由来する知られざるピアノ作品を集めた1枚。
　クリスタポル・カラ＝ムルザ[1853-1902]は幼少期からピアノとフルート、音楽理論を学び、29歳の時に南コーカサス地方に移住。アルメニア人が多く居住する村を訪れ、数百の民謡や舞曲を採集しました。その後合唱指揮者として活発なコンサート活動を行いながら、アルメニアに90を超える民謡合唱団を設立し、名歌手たちを育て上げました。アルバムには彼の代表作のひとつ『アルメニア民謡によるポプリ』と『葬送行進曲』を収録。ポプリの最後の曲には、現在アルメニア国歌として知られる旋律が用いられています。
　ゲナリー・コルガノフ[1858-1890]はジョージア出身のピアニスト、作曲家。ライプツィヒで学び、サンクト・ペテルブルク音楽院でピアニストとしての訓練を受けた後、1880年にジョージアに戻り演奏活動を続けながら公務員の仕事をこなし、余暇に作曲を行いました。『バヤティ』と『アルメニア狂詩曲』はアルメニアの旋律を用いた、リムスキー＝コルサコフの影響も感じさせる描写的な音楽です。
　ロマノス・メリキアン[1883-1935]はアルメニアの作曲家、音楽教師。イッポリトフ＝イヴァノフに影響されティフィリスで民謡を収集。これらの旋律を用いた歌曲（ロマンス）で知られています。『エメラルド』は彼の最も良く知られる歌曲集。このアルバムでは1930年生まれの作曲家ヴィリー・サルグシャン[1930-]によるピアノ編曲版が演奏されています。
　演奏は米国を拠点に活動するピアニスト、ユリア・アイラペティアン。忘れ去られていたアルメニアのピアノ音楽を発掘し、米国、中国、ヨーロッパ、ロシア、アルメニアで初演を行っています。（輸入元情報）

【収録情報】
1. カラ＝ムルザ：アルメニア民謡によるポプリ Op.11（1885）
2. カラ＝ムルザ：葬送行進曲（1890）
3. コルガノフ：バヤティ（1887）
4. コルガノフ：アルメニア狂詩曲 Op.15（1892）
5. メリキアン：エメラルド（1918）
　No.1. Black Patridge
　No.2. The Night Has Come
　No.3. The Infant and the Brook
　No.4. Don't Cry
　No.5. You Shine
　No.6. I am a Nightingale
　No.7. Sprout
　No.8. Lullaby
6. メリキアン：ヒースローズ（1912）
7. メリキアン：秋の歌（1912）
8. メリキアン：赤髪の花嫁（1913）
　編曲：ヴィリー・サルグシャン、2019（5）、2020（6-8）

　ユリア・アイラペティアン（ピアノ／Fazioli F278 、Steinway Model D）

　録音時期：2023年5月19日（3,6-8）、8月8日（1,2,4,5）
　録音場所：Allegro Recordings, Burbank, USA（3,6-8）、Zipper Hall, Colburn School of Performing Arts, Los Angeles, USA（1,2,4,5）
　録音方式：ステレオ（デジタル）
　世界初録音（5-8）