目次
アイヌ口承文学の認識論 歴史の方法としてのアイヌ散文説話
- 坂田 美奈子(著)
- 序章 歴史という課題、文学批評という方法
- はじめに
- 1 アイヌ史叙述のアポリア−「アイヌの視点」へのアプローチの系譜
- 2 問いなおされる歴史と歴史学
- 3 交渉のレベルとしての認識論
- 4 日本における歴史と物語
- 5 解釈という問題
- おわりに
- 第Ⅰ部 テクストとしてのアイヌ口承文学
- 第1章 アイヌ口頭伝承研究の「不在」
- はじめに
- 1 「アイヌ文学」というラベル
- 2 未発達で未分化の「文学」
- 3 ジャンル分類という学術的営為が含意するもの
- 4 ジャンル理論のジレンマ
- 5 散文説話から始める
- おわりに
- 第2章 アイヌ口承文学におけるテクスト生産
- はじめに
- 1 伝統的な語り
- 2 研究とインフォーマント
- 3 金成マツ−伝承者、採集者かつ筆録者
- 4 伝承者とテクスト生産
- 5 テクストとしてのアイヌ口承文学
- おわりに
- 第Ⅱ部 アイヌ散文説話とともに考える
- 第3章 アイヌの物語における社会矛盾の解決−交易の物語
- はじめに
- 1 銀の柳林金の柳林
- 2 二つの類話−黒ギツネのイナウ、氷の井戸
- 3 殿様の難題
- おわりに
- 第4章 生存の単位としてのカムイ・アイヌ・シサム−漁場労働の発生
- はじめに
- 1 ケナシウナルペについての二つの散文説話
- 2 漁場における「悪」
- 3 ケナシウナルペへの悪の一元化
- 4 「カムイ・アイヌ・シサム」生存ユニット
- おわりに
- 第5章 様々な漁場認識−場所請負制についての物語
- はじめに
- 1 強制徴用に関する二つの散文説話
- 2 トゥクピタの長者の物語
- おわりに
- 第Ⅲ部 歴史叙述とアイヌ口承文学の交渉
- 第6章 ウイマムと御目見、二つの認識論−儀礼支配言説をめぐって
- はじめに
- 1 歴史学研究における「ウイマム」と「御目見」
- 2 散文説話におけるウイマム描写
- 3 近世の和人政治権力にとっての御目見
- 4 オッテナと乙名
- おわりに
- 終章 アイヌ口承文学のエピステモロジー
- 1 テクストとしての口承文学
- 2 アイヌ口承文学の認識論
- 3 「和人の風習」としての平和と近代アイヌの「同化肯定」言説
- 4 国家を形成しない文化の論理
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