序論
第Ⅰ部収奪と異化
- 第Ⅰ部の展望
第１章ホームレスの人びとの形成と生活
- 第１節はじめに
- 第２節量的調査から分かる特徴
- 第３節若年ホームレスになるまで
- 第４節若年ホームレスになってから
- 第５節結語
第２章ホームレスの人びとの「居住」と公共空間
- 第１節はじめに
- 第２節空間領有とその〈異化〉
- 第３節ホームレスの人びとの居住が管理されるプロセス
- 第４節ルールの全体と生存戦略
- 第５節結語
第３章ホームレスの人びとの「仕事」と公共空間
- 第１節はじめに
- 第２節資源ごみへのグローバルな需要と公的回収の動揺
- 第３節ホームレスの人びとの仕事が排除される
- 第４節都市社会運動の介入
- 第５節生活の圧迫と適応の模索
- 第６節結語
第Ⅱ部都市社会運動
- 第Ⅱ部の展望
第４章一九七〇年代〜一九八〇年代の寿地区
- 第１節はじめに
- 第２節一九七〇年代の寿地区におけるホームレスの人びと
- 第３節寿生活館の占拠による連帯の創出
- 第４節横浜市と神奈川県への働きかけ
- 第５節寿日雇労働者組合の結成と全国的な連帯
- 第６節当局との対立の激化
- 第７節賃金をめぐる差別の重層構造と対資本
- 第８節自主管理の終わりと合意形成
- 第９節一九八〇年代の寿地区で「市民」が立ち上がる
- 第１０節結語
第５章一九九〇年代の寿地区と神奈川エリア
- 第１節はじめに
- 第２節一九九〇年代のホームレス急増の衝撃
- 第３節激しい暴力と排除に抗するホームレス運動
- 第４節一九九〇年代の争議の具体像
- 第５節寿地区における新しい／旧い動員基盤
- 第６節なぜ中小都市に運動が広がったか？
- 第７節運動による独自調査とホームレスの人びとの「発見」
- 第８節結語
第６章二〇〇〇年代の寿地区と神奈川エリア
- 第１節はじめに
- 第２節都市間連帯と、ハブとしての寿地区
- 第３節『自立支援法』への都市間連帯による対抗
- 第４節ローカル・ガバナンスのもとでの政策と運動の共進化
- 第５節ＮＰＯによる行政協働の高度化
- 第６節行政交渉と、その記憶の古層
- 第７節結語
第Ⅲ部資本−国家と都市貧困
- 第Ⅲ部の展望
第７章グローバル・ノース
- 第１節はじめに
- 第２節一八〜一九世紀グローバル化における収奪と抑圧
- 第３節フォーディズムにおける〈臣民〉の社会権
- 第４節現代グローバル化における貧者への危機の移転
- 第５節結語
第８章戦後日本
- 第１節はじめに
- 第２節一九五〇年代〜一九六〇年代
- 第３節一九七〇年代〜一九八〇年代
- 第４節一九九〇年代〜二〇〇〇年代
- 第５節特に世界金融危機以降
- 第６節結語
第９章社会権の外縁に生まれるホームレス問題の「新しい調整空間」
- 第１節はじめに
- 第２節解釈枠組の提示
- 第３節日本国家による「上から」のリスケーリング
- 第４節横浜による「下から」のリスケーリング
- 第５節東京による「下から」のリスケーリング
- 第６節結語
終章物語は終わらない
- 第１節世界金融危機と年越し派遣村
- 第２節危機が加速させるネオリベ
- 第３節再び、都市の前線へ