目次
本当の戦争の話をしよう 世界の「対立」を仕切る
- 伊勢崎 賢治(著)
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まえがき
■講義の前に――日本の平和って、何だろう?
「経験者の話」を聞く前提/日本は平和ですか?/小さなもめごとがあるほうが、平和にはちょうどいい?/日本の平和は何のおかげ?/「ならず者国家」は無軌道?/平和と戦争はあいまいだ/戦争のルールは、どこまで有効?
■1章 もしもビンラディンが新宿歌舞伎町で殺害されたとしたら
23歳でインドのスラムに入り浸る/「分断」を束ねるには/「紛争屋」となり、アメリカの戦争に巻き込まれてゆく/もし歌舞伎町でビンラディンが殺害されたとしたら/首都から近い、閑静な住宅街で/自国民を「敵」にしなければならないパキスタン/日本人の主権意識が「平和」の
源?/「テロリスト」と命名されるとき/僕らは「テロリスト」の人権を考えなかった/「NGOワーカー」だった? オサマ・ビンラディン/「イスラム版ロビン・フッド」だったタリバン/ビンラディンの「人権」問題
■2章 戦争はすべて、セキュリタイゼーションで起きる
小さな町の国際紛争―シーシェパードと太地町/戦争を「つくる」/戦争プロパガンダを「毒消し」する/自衛は「固有の権利」です/家に鍵をかけない方法/9条と自衛隊/シュウダンテキジエイケンって、何?/自衛が対峙する「敵」が変わってゆく/「このままでは大変なことにな
る」――セキュリタイゼーション/悪を阻止するためなら――「仕掛け人」の正義/日本で「セキュリタイゼーション」を起こすとしたら/脱セキュリタイゼーションを生む能力/政府が「安全」を民間から調達するとき/暴走してゆく自警団
■3章 もしも自衛隊が海外で民間人を殺してしまったら
国連は官僚組織/「拒否権」で消防署が動かないと……/怖いのは、武器ではなくて人間です/「敵のいない軍隊」による軍事作戦/現場の国連平和維持軍は見ているしかなかった/『ブラック・ホークダウン』が描かなかったこと/「保護する責任」が実行されるまで/「保護する責
任」は、どんなとき、どうやって使うべき?/海外派遣に慣れてゆく自衛隊と日本人/「自衛隊を送る軍事的ニーズは、現場にはありません」/武器をもった「中立」ってありえるのか?/お金だけ出すって、恥ずかしいこと?/自衛隊が、もし海外で民間人を殺してしまったら?/戦争
の「火の用心」を実現するには/軍人が非武装で介入するとき/「首をつっこまなくてもいいんじゃないか」
■4章 戦争が終わっても
9条ディベートって、何のため?/非暴力は、軍隊を否定すること?/国をゼロから立ち上げるとき、まず必要になるものは?/初代大統領が「非軍事国家に」と言ったのに/果たせなかった「やわらかな国境」/ゼロから軍をつくるとき/世界で試みられている「やわらかな国境」/な
ぜ日本では、復讐が連鎖しなかったのか?/「なぜ日本人はアメリカを愛するのか?」/完全勝利で平和が成し遂げられた国――スリランカの場合/真実を究明すべきか、平和のために忘却すべきか/50万人を犠牲にした戦争犯罪を、平和のために赦す?/僕がつくった学校の生徒が、虐
殺する側の兵士に/「子供司令官」の戦争犯罪は、罰するべきか/その場、その時に合った「人権」をつくってゆく
■5章 対立を仕切る
9条はいつまでも結論が出ない?/「良い世の中に」という思いが、世の中を傷つけるとき/対等、主体性って、何だ?/9で変わる?/ババ抜き状態だった武装解除/「利害のなさそうな介入者」だけができること/「日本の支援は、武装組織のためには使えない」/ドイツの葛藤と「本
気度」/力の空白はなぜできたのか/日本の「美しい誤解」/テロリストと「和解」すると、何が起こるのか/9条が変わって得する人、損する人は誰?/アメリカ大好きと言いながら、戦争を止めることは可能か?/「タリバン化する」核兵器保有国/武力衝突がエスカレートしなかっ
たのは、核のおかげ?/核の「後出しじゃんけん」は、個人でもできる/世界は福島から何を学んだか/冷たい現実と隣人の動向を踏まえて/対立を仕切る力/講義を終えて
あとがき
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