目次
津波避難学 命が助かる行動の原則と地域ですすめる防災対策
- 清水 宣明(著)
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序章 東日本から西日本へ次に備えるために
経験したことのない被災/津波避難対策特別強化地域の意味
第1章 津波を起こす地震のしくみ
1 プレートとトラフ
2 まず大地震 震度とマグニチュード/津波の可能性/南海トラフの大地震
3 津波とは 海そのものの移動/速度と破壊力/津波の周期
4 確かな予測はできない 非線形の現象/なぜ予測できないのか
5 予測や想定の受けとめ方 津波ハザードマップの作られ方/防災会議で検討されること /ひとつのシナリオに過ぎない
6 避難対策 誰もが当事者に/生きる力を育てる
第2章 「とにかく逃げろ」では助からない人たち
1 人間的な視点からの対策 行動の問題/からだの問題/こころの問題
2 災害弱者とは 高齢社会
3 誰でも災害弱者になり得る そこに残して逃げられますか?/決して少数派ではない
4 対策の基準を災害弱者に
5 こころのつながりを守る
6 災害に備える三つの基本
第3章 東日本大震災で実際に起こったこと
1 津波被災範囲の大きさを知る
2 釜石の奇跡が教えること 逃げきった子どもたち/避難距離800メートル/なぜ裏山に登らなかったのか
3 避難の現実を知る 宮城県南三陸町志津川地区/岩手県陸前高田市
4 人間的な理由 なぜ逃げ遅れるのか/避難をあきらめた人たち
第4章 災害中の避難
1 災害避難の三つの型 災害前の避難/災害後の避難/災害中の避難
2 あなたならどうしますか?
3 地震・津波避難の全体像 地震が起こったとき(かえって危険な「だんご虫」のポーズ)/家を脱出するとき/避難移動するとき/避難場所に到達するとき
4 実際に使える時間
5 避難する人間の問題 足の速さを知る/強者と弱者/平均値を基準にできるか/整数倍か、分数倍か/自力では動けない人
6 チャンピオンデータは使えない
7 転ぶということ
8 なぜ徒歩なのか
9 一列縦隊の危険性
10 小さな遅れが積み重なると
第5章 みえてきた地震・津波対策の問題点
1 ほんとうに逃げ遅れたのか 間に合うかどうかの検討
2 意識や体力の強化が対策ではない 防災意識など高まらない/からだを鍛えろ?/虐待になってしまうかもしれない/あきらめを呼ぶ対策になっていないか
3 公的な避難場所とは 住民自身にしかできないこと
第6章 津波避難の大原則
1 地面の上で遭遇してはならない
2 高さか、距離か
3 どこで犠牲になったのか 石巻市の被害―運命の10メートル/東松島市野蒜地区の証言/市街地での避難(釜石市)―多くの建物が流されずに残っているのに
4 助かっていたかもしれない人たち
5 津波高と遡上高の関係
6 逃げ続けることに執着しない
7 津波避難は高鬼(たかおに)
8 安全は一つではない いろいろな避難場所/身の丈の避難/後ろに戻る避難
9 地域全体を避難場所に
10 孤立は敗北ではない
第7章 避難の計画と行動の実際
1 あらかじめ決めておく そのとき、危険は判断できない/オンサイトのリスクマネジメント/事前対策がすべて
2 残された時間 釜石市沿岸部の旅館の事例/陸前高田市米崎地区の例消防団
3 津波と競走はできない
4 飛行機のピンチにパイロットはどう考えるか 増加関数法/減少関数法/達成の確実性を優先させる
5 予定外の避難行動をすると
6 避難目標を決める 外部目標への避難計画/自宅避難という選択肢
7 保育園や小学校の子どもたちの避難―施設外避難が必要なのか? 集団避難の難しさ(全員が助からなければならない/子どもたちの集団の特徴/がんばりがきかない)校舎を離れることのリスク/命が助かるための最小限の避難―より高い階へ/登下校時の避難(上級生のリーダーシップ)/小学校の移転計画について
8 情報を使う 気象庁が発信する情報/情報が乏しい中での避難/ラジオを鳴らし続ける/待たない、迷わない/防災無線
9 極めて短時間の避難 北海道奥尻島青苗地区での対策
10 災害弱者の避難援護 「助けは来ない」を基本に考える/助ける側の心得―完璧を目ざさない/避難の形を事前に決めておく
第8章 避難場所で命を守る
1 避難場所に馴染んでおく
2 からだを冷やさない
3 暑さ対策
4 事前の準備 赤ちゃん/高齢者、疾患のある人
5 備蓄物品
6 トイレは最優先の課題
7 避難タワーの問題点
第9章 動きだした地域での災害弱者対策
1 自治会と社会福祉協議会が中心となって進む対策(志摩市志摩町和具地区) まち歩き/段階的な避難/避難所
2 小学校と町づくり協議会が中心で進む対策(伊勢市東大淀町)
3 産学官民の連携で進む対策(伊勢市大湊町)
終 章 主役は地域、そしてあなた自身です
1 地域を知り、自分を知る 避難とは難を避けること/「できること」しかできない
2 対策の根や幹を育てる
3 対策の車輪 自助で生き延びる/ホイールとタイヤ/助けられやすい行動
4 小学校を対策の拠点に
5 災害対策は総力戦 テーブルにすべてを/コミュニティーの力/看護の力を活かす
あとがき
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